2013年9月29日日曜日

蓼科だより・311号〜田舎暮らし情報

★ーーーーーーーーーーーーーーーー2013年9月28日(土)★
★テーマ:稲刈り機,ショパンの夕べ,神の数式,

     時代遅れの特区,銀座の蜜蜂
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 今週は断続的に稲刈りの準備をしました。
 最初に,稲刈り機の試運転をしようと思い,ハーベスターを軽トラに積みました。やっとそこで気がついたのです。ハーベスターは稲刈り機じゃなかったのです!我ながら「このあほっ!」と叫んじゃいました。
 人間,思い込みって恐ろしいですね。私はハーベスターを稲刈り機と思い込んでいました。harvestを収穫,刈入れと思っていたからです。軽トラに積込んでから,出発前に点検しようと思いぐるっと廻りを見たら,刈るところがないじゃありませんか!

 「ハーベスターをあげるよ」と言われて頂いてきたのですが,ハーベスターは脱穀機だったのです。この機械をくださったMさんに電話してこのことを話すと,大笑いされて「稲刈り機はバインダーって言うんだよ」と。
 そして,彼から一条刈りのバインダーを借りることにしました。

 ですが,納得がいかず英語辞書で調べました。binderを見ると,「(刈り取り機の)結束機」とあり,harvesterを見ると,刈取り機, コンバインとありました。
 更に,脱穀機を見ると,thresherとありました。

 本当は私の方が正しいと思います。ハーベスターは刈取り機であり,脱穀機はスレッシャーと呼ばなければいけない筈です。バインダーは刈取り機に付いている結束機のことなのですが,何故か本体をバインダーと呼んでいるのです。
 それ見ろ,と言いたいところですが,ここは日本,それはヘリクツだと言われるのが落ちなので,自分の方を改めることにしました。しかし,日本にはこの種の誤訳がたくさんあり,おかしな現象をつくる原因になっているように感じています。

 お借りしてきたバインダーをグリスアップし,タイヤの圧力調整をし,チェーンにオイルを垂らし,ガソリンを入れ始動しました。
 そして昨日の試運転はOKでした。ところが2度目にエンジンをかけようとしたら,エンジン起動ロープが切れてしまいました。
 こういう時は地元にあるJA農機具センターが役に立ちます。日頃悪口を書いていますが,こんな時は申し訳ないなと思いながら用を足します。(笑)

 今日は,2時間ばかり,明日の作業がやり易いように段取りの刈取りをしました。ありがたいことに稲がずっしりと重くて,豊作の手応えを感じています。
 午後は,焼肉の材料調達をして明日に備えました。
 夜は,東京から明日のために来て下さったハルシステムの安中さんと会食し,日頃の思いの丈を交わしました。日頃メールで意見のやり取りをしているので,有意義で楽しくかつストレス解消になる会話ができました。

 いよいよ明日は稲刈りです。田植えにも来てくださった東京からの小さなお子様連れの一家4名と共に楽しくやりたいと思います。

ーーーーー御代田町「エコールみよた」でショパンの夕べ!

 私の姪が所属している日本ショパン協会長野支部(支部長奥村美佳)が10月5日(土)PM3時開演で,姪を含む3名の女性ピアニストが演奏します。
 華麗なるワルツ,革命のエチュード,スケルツオ第二番,他なじみの曲目を演奏致します。
 最近,軽井沢の大賀ホールで,同じメンバーを含むピアニストによる信毎主催のショパンコンサートがあったのですが,とても素晴らしくて好評でした。私の姪は,終了後来年の出演依頼も戴いたと喜んでいました。

 お近くの皆さん,お誘い合わせてお出かけ下さい。地元のピアニストを聞いてください。
 入場料は2000円です。指定席無しで,当日会場受付致します。

 ホームページは下記です。

ーーーーー天才達の「神の数式」に魅せられました!

 9月21~22日2夜にわたって放映されたNHKスペシャル「神の数式」には強く惹かれました。もちろん,数式の中身など判る筈がありませんが,天才学者達の価値観と飽くなき探求心がすばらしいと思いました。

 このドキュメンタリーのテーマは,「創造主がいるとしたら,どんな設計図に基づいてこの世を作ったのか」でした。それを表す数式は必ずある筈と信じている世界の学者達の挑戦の記録でした。
 その数式のことを彼らは,神の設計図=創造主の設計図=万物の設計図と呼んでいました。何だか科学と宗教が合体している世界のように感じました。

 一番感動的だったのは,基本素粒子の理論=ディラック方程式と呼ばれる理論を発見したケンブリッジ大学のディラック教授は「真理は美しい筈だ」という価値観からこの方程式を発見したということでした。数式の中に対称性の美学を追求した結果だというのです。
 真理はシンプルで美しい,と,どなたかが仰っていたとおもいますが,本当ですね。美しい物には論理的整合性があるということでしょうか。
 人間が求めるものはたくさんありますが,それぞれの終局にあるものは「美」ではないかといつも思っていましたが,間違っていなかったと一人納得しちゃいました。私の場合,それを”まちづくり”に求めています。
 スゴイのは,神の数式を追及していくと,答えが計算不能を意味するゼロになったり崩壊を意味する無限大になったりすることがあり絶望的になるのですが,それでも必ず神の数式は存在すると信じているのです。

 完璧な美は重さがゼロで,崩れる運命にあるとか,この世は10次元でできているとか言っているのです。 私には意味が理解できませんが,どうも本当らしいです。すごくエクサイティングでした。

 このドキュメンタリーの中に,日本のノーベル賞学者が数人登場するのも誇りに思いました。

 NHKのオンディマンドで見ることができます。

ーーーーー 特区的な政策は、今や時代遅れ!

 アクアビジネスコンサルティングの9/27付メルマガに,最近の上海について下記のような記事がありましたが,その論点は,政策に行き詰まると特区を作って目先をごまかし根本的改革をやろうとしない日本にそのまま当てはまると思いました。<>内に引用させて頂きました。

< 1.上海自由貿易区について(本日国務院から正式な通知が発表されました。)

日本の読者から自由貿易区についても意見を求められました。私の第一印象は、「何を今さら。」「要するに小香港を作りたいのだな。」と言った感じでした。
中国の地場銀行の友人に聞いたら、「まだ分からない。区内区外の外貨、人民元の出入りがどうなるのか不明。」「不動産は上がるのでは。」「高田のいう小香港を目指すというのは確かに。」という反応でした。

いつも情報交換する中国の辛口エコノミストにも意見を聞きましたら以下の通りなかなか厳しい意見でした。

(1)特区的な政策は、今や時代遅れ。上海だけというのは不公平。そういう意味で中国国内で反対も多い。本来WTOの枠組みのなかでより進んだ開放政策を取るべきではないか。
・・後略。 >


(私)例として,どぶろく特区について考えてみましょう。Wikipediaをよむと下記<>内のように書かれています。・・・は省略部分です。

< 現在は酒税法に基く酒類となっているため、醸造にあたっては関係当局への許可申請が必要となっております。・・・酒税法上の罰則規定に拠れば、製造するだけでも5年以下の懲役または50万円以下の罰金となっている。

しかし、どぶろくは日本の伝統食文化であり、これを禁ずるのは精神的自由権、職業選択の自由など憲法に違反するして酒づくりの自由化を主張したどぶろく裁判なども行われた。
・・・どぶろく特区が設置されるなど酒税法の見直しもすすんでいる。

なおフランスやドイツ、イタリアなどでは自家醸造を禁止したことはなく、かつて自家醸造を禁止していたイギリスは1963年に、同じく禁止していたアメリカ合衆国も1979年に解禁した。

なお、アメリカではワインの自家醸造は1933年に解禁されている。

韓国では1909年に日本によって自家醸造が禁止され、また戦後、・・・1992年にはコメによる醸造も解禁され、日本のどぶろくに相当するマッコリは韓国の輸出品として日本でも一般的に飲まれるようになっている。

また韓国ではマッコリの自家醸造キットなども販売されている。中国では、販売しなければ自家醸造は自由である。日本ではどぶろく作りを解禁しようという動きもあるものの、解禁には至っていない。
・・・後略

http://ja.wikipedia.org/wiki/どぶろく >

 これを読めば,日本の酒税法がどぶろく醸造を禁止しているのはいかにも時代遅れです。特区でごまかしている理由は,農地法と同じで,官僚と役人の仕事を減らさないためか,政治家を介した関係業界との癒着としか考えられません。他にどんな理由が考えられるのでしょうか。

ーーーーー銀座の蜜蜂がスゴイことになってる!

 9/27日付けメルマガに下記の記載がありました。スゴイです!
< 銀座のミツバチは残念ながら取材が多く、なかなか巣箱の中で休めない日が続いております。(笑)
本日もドイツ、オーストラリアからの取材があり、先週はフランス、ブラジル、来週にはポルトガルと海外の取材が多くなってきております。

さて、この一年の収量が1トンを超えたことを記念して一年間の総括を田中淳夫よりさせて頂きたく、メールさせていただきます。
紙パルプ会館1Fパピエにて1t記念パーティを行います。
3丁目に最近オープンしたイタリアンの名店コダマさんに銀座のハチミツを使ったスイーツの他、美味しいオードブルをご用意頂き、サッポロさんとコラボした銀ぱち酵母から作ったビール銀座ブラウンで乾杯します。 >

(私)この巣箱を見せて頂いたことがありましたが,ごく普通のものです。しかしビルの屋上で,銀座で1トンとはスゴイじゃありませんか!

フッターーーーーーーー
「穏やかな道」
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2013年9月22日日曜日

蓼科だより・309号〜田舎暮らし情報

ーーーーーーーーーーーーーーーー2013年9月14日(土)★
★テーマ:オニヤンマ,ハーベスター,嫌な殺生,

     リスクと経済性,「永遠のゼロ」
★ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー★


 初夏からず〜と大きなオニヤンマが毎日朝夕我家にきます。庭をぐるぐる廻って,何回か網戸をツンツンと突きにきて去って行きます。毎年きます。
 日本最大のトンボということです。王者の風格です。オニヤンマがホバリングしている様子は,すごく威厳があって,あの複眼の緑色の目には凄みがあります。
 そのオニヤンマをインターネットで探したらスゴイYoutube画像(下記URL)がありました。スズメバチを食べていました。一昨日のテレビで都市にスズメバチ増えているという報道がありましたが,オニヤンマを養殖して放したらどうでしょう。

 11日から田んぼの水を抜き始めました。約15㎝あった水を15日までにゼロにして,29日にはハーベスター(稲刈り機)が入れるように乾かします。そのためには,周囲に細い溝を掘って排水を良くします。
 今日は,今まで虫達の住処として残しておいた水田脇の畦草を一部を残してキレイに刈り取りました。これも田んぼを乾かすためです。

 実は,今春,仲間からハーベスターをタダで頂戴しました。そのMさんはコンバインを買ったからです。修理工場で一通り点検修理してもらってありますが,一度も使ってないので,使用予定の数日前には試験刈取りをやるつもりです。

 今のところ,私の稲は健在です。今週はじめ大雨がありましたが,心配した倒伏は全くありませんでした。しかし,今日の天気予報で大型台風18号が本州上陸の恐れがあるとのこと,非常に心配ですが,自分の稲を信じることにしました。

 9月29日予定の稲刈り参加お申込みがまだお二人です。あと3名です。刈取りは機械でおこないますので,お楽しみ頂く作業はハゼかけが主です。楽しいです。奮ってご参加ください。お申し込みは,このメルマガの返信で結構です。

ーー
 木曜日でしたが,嫌な殺生をしました。蛇を草刈り機でちょん切っちゃったのです。草の中で見えませんでした。子連れのシマヘビで,親子とも切断しちゃいました。
 目の前にちぎれた蛇がとんできた時にはギョットしました。こんなこと初めてでした。

 蛇は田んぼにも畑にいて,たまに目にすることがありますが,モグラやネヅミを食べてくれる守り神だくらいに思っていました。今まで切断するような事故が無かったのは,草刈り機は凄まじい音をたてていますから,蛇の方が先に逃げていたのだと思います。

 今回逃げ遅れたのは子供がいたからでしょうか。可哀相なことをしちゃいました。ひどい殺生をした感じで罪の意識が湧いてきました。
 そんな時ふと思うのです。ステーキやトンカツやフライドチキンを食べる時には全く罪の意識が湧きません。大きな動物が血を流している筈なのに,何故でしょう。不思議に思います。

 考えてみれば人間ほどドウモウな生き物はいません。何でも食べちゃうんですから。私は子供達には屠殺の現場を見せるべきと思っています。人間は他の命を食べることによって生かされているのだということ,動物の肉を食べる口で動物愛護を語る矛盾を知る必要があると思うからです。
 偽りのないごまかしのない事実を見る・知ることが一番の教育ではないでしょうか。

 かなり前ですが,知人の鶏飼いが,学校で子供達が飼っていた鶏を殺して,その肉でカレーライスを作って食べるという試みを指導しました。
 終ってから,感想文を書かせたのです。新聞にもでましたが,子供達が命の大切さを知ったという大きな感動を語っていたのです。私もその感想文を読ませてもらいましたが感激ものでした。

 場合によると,そんな残酷なことを子供に見せるべきでないという意見があると思いますが,それは違うと思います。私が子供の頃は,盆正月には飼っていた鶏やウサギを親が潰してそれを食べるのは当たり前でした。そうして命の大切さを自然に学んでいたのだと思います。
 今の子供達は命の大切さを知らないから,自分の命も他人の命も粗末にするのだと思います。

ーーーーーリスクと経済的利益の天秤!
 技術に100%安全は有り得ない。
 これは当たり前の話しですが,「農業経営者」メルマガ9/5に,判りやすく書いてありました。
 一部を下に引用します。

< 前略・・。真山氏の「黙示」は冒頭部分にラジコンヘリコプターの操縦ミスで子供たちに農薬被曝をさせてしまうという事件から話は始まります。読者の中には、「そんなことあるかよ」と反論される方もおいでかもしれませんが、被曝ではなくとも事故は存在します。

 農薬であれ原発であれ、遺伝子組み換えであれ、鉄道や自動車等など、すべての技術にとって、リスクゼロ、100パーセントの安全などということはありえないのです。
 だからこそ我々は農薬や遺伝子組み換え技術採用に関しても農薬取締法その他によってリスクを管理している。そのリスクと経済的利益を天秤にかけながら我々は技術を選んでいる。
 だから、不安に発する非科学的な情緒のみによる”反対”というだけでは私たちが求める望ましい未来は得られないのではないのではないでしょうか。

 でも、真山氏のストーリー展開は、よくある反農薬とは違います。話はさらに、農水官僚と政治家、様々な立場で農業に関わる人々を登場させて、日本の農業、政治家と官僚そして現代の日本人へと話は広がります。・・後略。>

(私)技術とリスクのことは上記の通りだと思います。私はこの考え方に賛成です。
 「黙示」はまだ読んでいませんが,本人の下記ホームページに粗筋が書いてありました。農薬のリスクの物語です。又,図書館に注文してみます。
http://www.mayamajin.jp/books/mokushi_t.html

 昨日の新聞に,昨年9/15日に反日デモで放火・破壊されたジャスコの山東省青島の店を11月から再開したが,今年8月には前年同月比10%増の売上となったとあり,ジャスコの責任者は取材インタビューに応えて,次のような納得の発言をしています。
 「反日リスクより,消費市場開拓をやめる”出ないリスク”の方が大きいと判断した」と。
 更に,「今後,山東省だけで年間2〜3店の新規開店を狙う」と。
 選択とリスクの問題は,基本的にこういうことではないでしょうか。


 我々の日常生活の中で一番大きなリスクは車です。世界大戦を除けば,戦争より大きな犠牲者を出し続けています。
 下記URLをご覧下さい。主要国の交通事故の統計です。
 このグラフから平均値を見ると,人口10万人当たり年間交通事故死者数は約10人ほどです。私の勝手な試算ですが,車社会の人口が40億人あるとすると,毎年車で死んでいる人は,40億÷10万×10人=40万人となり,毎日1096人死んでいることになります。負傷者数はその50倍〜100倍です。因みの日本の負傷者は130倍です。
 
 仮に車の歴史を50年をすると,40万×50年=2000万人死んでいることになります。負傷者の中には障害者になってしまった人が死者の10倍くらいいても不思議ではありません。
 衝突のショックは非常に大きいです。脳みそも腑も飛び出しているかも知れません。火がつけば黒焦げになっているでしょう。

 しかし,テレビでも新聞でも事故被災者の現場写真は載せません。そういえば,事故死の写真を公開しているのは原爆だけではないでしょうか。死亡事故は何れも悲惨極まりないと思います。
 しかし,人間はこの車のリスクは許容しています。車のリスク問題は”保険”で済みになっています。何故毎日千人以上死んでいるのに是認されているのでしょう。私の理解は,車の利便性が大きいということと,自分が注意すればかなり防ぐことができるということでしょうか。

 片や問題の原発の場合は,利便性がある筈ですが実感できないのと,自分ではどうにもならないということがあります。その上,一度事故が起きるとその被害数が膨大になる可能性がありそうです。一方で,科学技術がこのリスクを軽減して行くだろうという期待があるのも事実です。

 ともかく世界は,”事故リスク”と”止めるリスク”を比較して,現実とすれば大半の国が”止めるリスク”の方を採って継続・新設しているように思えます。


ーーーーー「永遠のゼロ」にコメント!

 ありがとうございます。造園家の杉尾伸太郎様から,特攻隊についてコメントを頂きました。

< 神風特攻隊の事ですが、今年の初夏にテレビを漫然と見ていたら、4歳から7歳頃にかけて、兄の様に慈しんでくれた叔父が飛行服姿でクローズアップされ名前迄放映されていました。叔父が呼んでいると感じ7月末に鹿屋の海上自衛隊にお参りに行きました。
 敷地内に鹿屋航空基地史料館があり、ここで70年ぶりに対面することができました。白いマフラーを首に巻き微笑む姿は国や家族の為、死に対面する人間として、優しく見えます。
 京城の薬専から学徒動員で志願して海軍航空隊に入り、真っ先に第一金剛隊(朝鮮半島からの志願者)として250キロの爆装零戦に乗り米駆逐艦に命中し撃沈せしめた事は昭和19年12月11日の事でした。
 12月中には海軍の将校が遺骨を納めるべき白布に包まれた箱に僅かな遺髪を捧げ挨拶に見え父母とともにに報告を受けました。出征が決まってから、私の守り刀である短刀を軍装してもって行きましたので、自分自身も共に出撃したものと思っています。
 その後終戦となり、生まれ故郷を失った私たちは昭和20年12月にボートピイプルとして着の身着のままで玄界灘を渉るのです。戦争体験等を私は他人に話す事をためらい近頃に至ってきました。私たちの世代は皆小説の題材になる激動の体験をして、間もなく消え行こうとしています。
 同窓会が毎年小、中、高、大学に応じて学年やクラス別に年中開かれるのは、せめて友人には伝えたいとの思いかも知れません。>
(私)10年ほど前に読んだ「流れる星は生きている」という満州から引き揚げの悲惨な物語を思い出しました。長野県出身で,藤原正彦の母で,新田次郎の奥様に当る藤原ていの著書です。読んでいる間,涙が止まりませんでした。
 又,お世話になった株式会社林友会長の穂苅甲子男氏の著書「シベリア俘虜記」も衝撃の本でした。しかし,両著書はあまり世には出ていないようです。何故でしょう,これではいけない気がするのですが・・。

 何れにしても,「永遠のゼロ」(百田尚樹著)がベストセラーになり映画化されたことはすばらしいことだと思います。

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2013年9月21日土曜日

蓼科だより・310号〜田舎暮らし情報

★ーーーーーーーーーーーーーーーー2013年9月21日(土)★
★テーマ:稲刈りと台風,お月様とウサギ,朝日新聞と慰安婦,

     ロスで慰安婦問題をスピーチ
★ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー★


 田んぼの水は抜け落ち,排水のよけ掘りも一昨日には完了しましたが,田面に残る藻や草,そして柔らかい土に染み込んでいる水はまだたっぷり残っています。
 これが乾かないとハーベスターは使えません。幸い晴天が続いていますし,長期予報を見ても雨が少ないのでありがたく思っています。ただ,台風20号が発生しているので気がかりです。
 よけ掘りをしていて副産物がありました。ドジョウです。10から15センチほどの大きなドジョウが数十匹採れました。無農薬の水に棲むドジョウですから最高です。もちろん,煮込んで酒の摘みにします!

 9月29日の稲刈り体験のことですが,田植えに来て下さった一家4名(お子さん二人)からお申し込みを頂きました。もうお二人くらいあれば賑やかにできると思っています。
 基本的には,私がやってる程度の稲づくりは一人でもやっています。欲と二人連れで2~3日でできます。ですが私は希望する皆さんと楽しくやりたいのです。
 ご参加をお待ちしております。
ーー
 信州に台風が来ることは少ないのですが,18号は南端をかすめていきました。その影響で雨は大したことはありませんでしたが,風で農作物が被害を受けました。
 トウモロコシと食べるホウヅキが倒れ,ゴーヤとキュウリの棚も倒れてしまいました。幸いトウモロコシは折れたり抜けたりしていなかったので,ほぼ修復でき,今日は収穫して孫に発送しました。

 食べるホウヅキは3分の1ほど樹が折れましたが他は修復できました。ゴーヤとキュウリの棚は22ミリのアルミパイプで作ったしっかりしたものだったのですが,茂った蔓と葉が壁になってしまい風に負けたようです。助っ人を頼んで2本のロープで引っぱり起こしました。樹はつる性の作物なので助かりました。
 ヤーコンも丈が2メートルもあるので45度位に傾きましたが,先輩がこの程度なら大丈夫だよと言ってくれたのでホッとしています。

 多少被害はでましたが,この地方は恵まれていると思います。九州,四国地方など台風常襲地域の農家の皆さんは本当に大変だろうなと思います。

ーーーーーお月様のウサギと帝釈天

 18号では京都に大きな被害が出ました。メル友がいますのでお見舞いを申し上げましたら,幸い直接の被害はなかったということでしたが,その直後の十五夜に因んで心に残るメールをS様から頂きました。感じ入ったのでご了解を頂き披露致します。
 私もこの十五夜は見ましたがすばらしく美しかったです。今夜も,少し欠けましたが大きな月が見えています。彼女の東日本大震災への想いにも共感を覚えました。

< 今日は十五夜 満月です
 月の見える窓辺にススキを飾り、だんごを供えて、東北の清酒をお供えしました。
 十五夜とは旧暦で8月15日今では9月半ばですね
 ♪うさぎ うさぎ なに見て跳ねる 十五夜お月さん 見て跳ねる♪

 月のウサギには多くの物語が残されていますね。若かった時分、感動のあまり、涙で文字がかすんで読めなくなった今昔物語集を久しぶりにひもといてみました。

 今は昔の物語です。或るところにサルとキツネとウサギが仲良く暮らしておりました。或るとき、この3匹の前に飢えて身体が弱った老人がやってきました。
 食べるものを恵んで元気になってもらおうと、サルは山の木の実や野菜を採ってきました。キツネは神社のお供えの米や魚や果物を持ってきました。

 ウサギの手元には何もありません。手ぶらで戻ってきたウサギはしばらく思案していましたが、サルとキツネに言いました。サルには山で柴を刈ってくるように、キツネには、その柴で火を焚くようにと伝え、やがて戻ってきたウサギは、燃えている柴の中にわが身を投じて、自らの肉を食べてくれと言い残したのでした。

 みすぼらしい老人の姿をしていたのは、実は帝釈天だったのです。帝釈天はウサギの気高い行為を讃え、世の人々がいつまでもウサギを忘れないように月に置いたのです。
 月に雲がかかるように見えるのは、ウサギが火に飛び込んで身体が焼けた煙りだということです。よろずの人は月を見るたびにこのウサギのことを思い出すようにと申されました。おしまい。

 東日本大震災は私の心に大きな爪あとを残しました。3・11を境に、日本はこのままではいけないよと天上から諭されているような気がしてなりません。何かしなくては…。私に出来ることは何?自分の出来ることを探す日々が続いています。
 キツネやサルのように自分の実力で財を調達してくる能力にはいささか欠けているし…。さりとて一身を投げ出す勇気もない。ウサギの爪の垢でも煎じて飲みたい気分です。
 死ななくてもよかった命がたくさん失われ2年6か月経った今もがれきの山、膨大なゴミとともに仮設住宅に暮らす人たちのことを思えば、遠く離れた地に居ても、東北をいつも身近に感じていたいのです。
 良寛和尚は「何も持たない自分だが、せめて自分の口にする言葉には、暖かく勇気や元気をあげれるような言葉だけを使いたいと決めている」とおっしゃったと伝わっています。
 何にも持っていなくても周囲の人に暖かく、勇気や元気をあげられるような言葉だけを使い、優しいまなざしで接することが出来たら…私の東北
 また今回の災害にあわれた方々への鎮魂になりますでしょうか。

 この災害はきっと日本人の優しい心を呼び覚ますように神様が仕組んだものでしょうね >

ーーーーーHAL通信は,慰安婦について書きました

< ★歴史は素直に解釈すべき

歴史の歪曲に関しては、韓国も負けず劣らずである。
だが、憂うべきは、日本のマスコミがそのお先棒を担いてきたことにある。
慰安婦問題はその典型的な例と言えよう。

維新の会の橋下代表を擁護するわけではないが、戦前・戦中と慰安所は存在した。しかし、何も日本の専売特許ではなく、古今東西、軍隊があるところには例外なくそのような施設は存在した。また、それが「悪い」という認識は、当時にはなかった。
売春は合法だったからである。

死の恐怖が付きまとう前線の兵隊は、どうしても原始的な欲求が強くなる。そして、人間の欲求は全て「商売のネタ」になる。特に兵士の原始的な欲求は「結構な金額の商売」になる。何しろ、マーケットが大きくて確実だから。

結果、日本人、朝鮮人が入り混じって、慰安所という名の売春宿が林立する。当然、競争が激化してくる。そうなると、慰安婦が不足し、強引な募集を行う悪質業者が出てくる。また、日本人の業者より朝鮮人の業者のほうが地の利があり、言葉も巧みである。これら悪質な業者の割合も朝鮮人のほうが多かったのは当然である。

日本軍当局は、これを座視して混乱と問題が拡大することを懸念した。それで陸軍省は、1938年3月4日に、これらの悪質な朝鮮人業者に対し、『軍慰安所従業婦等募集ニ関スル件』と題する以下のような内容の命令書を発令した。

原文 (読みづらいので省略:ご希望の方には別送致します)

要約すると、
「日本軍の名義や権威を利用し、婦女子を統制なく募集し、社会問題を引き起こす事例や、誘拐に類するような強引な募集をし、警察当局の検挙・取調を受ける事例が少なくない。
今後、慰安婦の募集に関しては派遣軍が統制し、業者の選定を周到・適切に行い、実際の募集に際しては、憲兵や警察当局と協力して、日本軍の威信を保持し、社会問題を起こさぬよう、十分な配慮を行うことを命令する」
となる。つまり、悪徳業者に十分注意し、問題の起こらないように配慮を怠るなという軍当局の厳命である。

しかし、朝日新聞は1992年1月11日の朝刊トップで、この『軍慰安所従業婦等募集ニ関スル件』を、「(慰安婦)募集含め統制」と書き、軍が慰安婦募集に直接関与していた証拠として取り上げたのである。
悪徳業者を取り締まるための軍の「良識的な関与」を、あたかも軍が「慰安婦の強制」に関与したかのように報じたのである。
これは、意図的な「事実の歪曲」である。この記事を契機に、韓国で一気に「慰安婦問題」が湧き起こった。朝日新聞は、今日に至るまで、この非を認めていない。

このメルマガに書いたことを朝日の読者は知りません。さらに、知識人(と呼ばれる人)たちの過半が朝日の読者です。つまり、「朝日新聞は高級紙」というイメージが作られました。
この図式で朝日新聞は、今も高級紙と思われています。>


(私)どの新聞も人間が書いている限り100%色がなく嘘が無いとは思いませんが,程度と質の問題だと思っています。
 日本には一応言論の自由がありますから,マイナーな組織が何を書こうと法に触れない限り良いと思います。しかし,日本を代表する大新聞が,それが真実であれば何の問題もありませんが,こと自国の尊厳を損なうような嘘を書いているというのは大問題です。
 しかも間違いによる嘘なら許されますが,歪曲による嘘は犯罪ではないでしょうか。
 日本国民の名誉を毀損していると思います。何故こういうことが許されているのかいつも不思議に思っています。問題なのは,大多数の国民が気がつかないということは,正しい歴史教育がなされていないからだと思えてなりません。

ーーーーーロスで,慰安婦問題をスピーチ!

 シツコク慰安婦問題で気が引けますが,たまたま上記HAL通信の記事と,藤井厳喜NEWS第50号に掲載されたYoutube動画が符合しました。「慰安婦は売春婦であり性奴隷ではない」と言っています。
 私の拙い聞取力では,英語そのものは半分くらいしか理解できませんでしたが,要点がテロップででましたので,ほぼ解釈できました。
 内容についてはほとんどが既知のことでしたが,アメリカでこのような講演を堂々とやることに拍手喝采です。

下記ブログにYoutubeのURLが掲載されています。
http://www.gemki-fujii.com/blog/2013/001042.html

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2013年9月8日日曜日

蓼科だより・308号〜田舎暮らし情報

★ーーーーーーーーーーーーーーーー2013年9月7日(土)★
★テーマ:米づくり,稲刈り,農業を始めるには,
     「永遠のゼロ」,ヒロシマ・ナガサキは?
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 やはり9月の虫の音はすてきです。
 キリギリスとセミの声が少なくなり,コオロギとスズムシの声が際立っています。

 8月までの虫の音はどちらかというとウルサイというくらいたくさん鳴いていますが,9月に入るとそのウルササが消え,美しく上品になります。そして哀愁を誘います。だから,虫の音は秋なんですね。
 驚くことに,たまに夜中の2時頃におしっこに起きることがありますが,その真夜中にも鳴き続けているのです。いったい虫達は何時眠るのでしょうか。
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 前回,米づくりのことで肝心なことを書き落としてしまいました。前回,収量のことに拘っている書き方をしてしまいましたが,実は,不耕起移植栽培の考え方は,第一に無農薬,第二に食味,第三に収量です。
 このことは,昨年通った自然耕塾@高山村でしっかり教えて頂きました。
 無農薬で,生物(人間と自然環境)にやさしい安全・安心なお米を作るのが第一だと。
 この無農薬で栽培するために不耕起(耕さない)なのです。そうすることによって,第二と第三は自然についてくるという考え方です。
 現実には,栽培方法を習得できれば,食味も良く,収量も平均値の確保は難しくないと思います。
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 この2週間ばかり非常に天候が不順です。テレビで放映されているヒドイ豪雨や竜巻がないだけありがいのですが,土の乾く時がなく,所作業が遅れています。
 日照が足りないので,トマトも赤くならず,野菜全般の実りが悪くなりました。食べるホウヅキも良い樹になりましたが,実が一向に色づきません。ただ,草だけはよく伸びています。
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 稲刈りは今月29日(日)の予定です。私と一緒に楽しんで頂ける方を5名募集します。現在2名お申し込みを頂いております。
 参加要領は田植えの時と同様です。下記<>内の通りです。

<募集条件は,朝9時から終るまで,終らなくとも終了は夕方5時とします。昼食はバーベキューを召し上がって頂き,10月末にはこの田んぼから収穫したお米5kgを送らせて頂きます。
 尚,服装は土に汚れてもよい作業服に長グツです。前日に雨が降ると中止しますが,当日の小雨は決行致しますので,雨具と着替えをご容易ください。>
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 前回,弘法大使を弘法太子と訂正しましたが,正しくは弘法大師です。お恥ずかしいながら,この程度です!

ーーーーー農業を始めるには!

 不耕起栽培仲間のメーリングリストより反骨精神溢れる前向きなお話を引用します。

< 米農家で起業するには、設備で5千万円,建物で同じだけ掛かるように思います。新規認定農業者に指定受ければ、無利子での借り入れが可能ですが、不耕起の無農薬農家には、残念ですがびた1文支給は期待できません。
 
 そのことが幸か不幸か。友人が教えてくれた逸話。
 北海道の牛飼いの農家は補助金で作った暖房付きの最新式の牛舎で、息子は大きな外車に乗って優雅に暮らしていたが、借金は返済不能になって減少の一途だ。
 一方、脱サラ組みは、支援を受けられずに,電柱製の吹きさらしの牛舎なのにも拘らず、一頭当たり飛躍的な乳量を絞り出して、利益を出して生きている。>

(私)日本の農政(食糧・農業・農村基本農,農地法,JA)は,「永遠のゼロ」に描かれている軍隊と重なって見えてきます。何のため,誰のため農政なのでしょうか。

ーーーーー「永遠のゼロ」(百田尚樹著)を読みました

 今年12月には映画公開が予定されているこの著書のことをWikipediaで見ました。下記<>内です。

<『永遠の0』(えいえんのゼロ)は、百田尚樹による日本の小説、およびそれを原作とした漫画・映画作品。
放送作家として『探偵!ナイトスクープ』などを手がける百田の作家デビュー作であり、2006年に太田出版から書き下ろしで発表された。
 本作の執筆にあたっては、太平洋戦争中に出征した著者の父親や親族が影響を与えている。
 2009年に講談社文庫から文庫化。2012年10月15日付『オリコン“本”ランキング文庫部門』で歴代13作目のミリオンヒット作となり、2013年には文庫化から3年9ヵ月を経て初の首位を獲得するロングセラーとなった。2013年8月、実売部数は文庫本で257万部を突破し、湊かなえ著『告白』(2008年・双葉社)を超える歴代1位を記録した。>

 もうだいぶ前に読んだよという知合いが何人かいました。わたしはかなり遅れてるな,と実感です。(笑)
 きっと,特攻に関する本はたくさんあるのだと思いますが,私は読んだことがありませんでした。ですが,Wikipediaにある記述から思えば,やはり卓越した著作なんですね。

 読んでいて何度も涙を拭きました。
 一番感じたのは,無謀で無益と思える作戦に出撃せざるを得ない無念さを心の奥に押し込んで,それでも愛する人,お国のためにと信じて死に赴く潔さです。敵艦に近づくこともできない状況が判っての出撃です。私にはそれがたまらなく虚しく感じられました。

 何が虚しいといって,どこかに書かれていましたが,特攻の全滅も戦艦大和の撃沈も,勝つためではなく軍のメンツのためだったのだと!こんなヒドイ話しがあるでしょうか!

 では,特攻と大和の死は無駄だったのか,というと決してそうとは言っていないのがこの本です。

 この小説のテーマは,「生きてへ帰る」という妻との約束にこだわり続けた男が,なぜ特攻を志願したのか?ですが,そこに至るまでの帝国海軍の無惨な戦歴描写を背景に,主人公の生に執着した生き様が描かれています。
 別な表現をすれば,特攻の死をどうやって受入れたかがテーマとも言えると思います。

 この小説はフィクションですと最期に書かれていますが,著者は記録を丹念に調べあげた上で書いていると思いますので,登場する人々はフィクションでしょうが,ことは全て事実なのではないでしょうか。
 もとより,私自身それを検証する術がありませんが,如何でしょうか?

 私の解釈は,著者は,無謀で無責任で人道にもとる軍のやり方を暴くと同時に,無謀で過酷で虚しい戦場においても,主人公が貫き通した隣人愛,人間愛を書きたかったのではないかと思いました。
 そういう意味では,「海賊とよばれた男」の求めたものもやはり主人公の家族と国家をへの愛情だったと思います。

 特に強く印象に残った言葉をメモりました。・・・は中略です。

・国のために命を捨てるのは,日本人だけではありません。・・・そして実は我々日本人もまた天皇陛下のために命を懸けて戦ったのではありません。それはやはり愛国の精神なのです。

・どんな過酷な戦闘でも,生き残る確率がわずかでもあれば,必死に戦える。しかし,必ず死ぬと決まった作戦は絶対に嫌だ。

・1943年,アメリカ軍はヒットラーとナチスを倒すために,昼間爆撃をやめませんでした。そしてアメリカ軍の兵士たちも戦闘機の護衛無しに勇敢にドイツの空に突入しました。B17の搭乗員の戦死者は5千人を越えているのです。この数は神風特攻隊の戦死者4千人を上回るものです。これが戦争です。

・特攻は十死零生の作戦です。アメリカのB17爆撃機搭乗員たちも多くの戦死者を出しましたが,彼らには生きて帰れる可能性がありました。だからこそ勇敢に戦ったのです。

・最初は死を受入れることができなかった。こんな不理尽なことはないと思っていた。しかしそれが徐々に死を受入れる気持ちに傾いていった。これは決して時代に流されたものではない。また易々と死ぬことを決意したのではない。
 ・・・しかしこれだけは言える。私たちは熱狂的に死を受入れたのではない。喜んで特攻攻撃に赴いたのではなかった。あの時ほど,真剣に家族と国のことを思ったことはなかった。あの時ほど,自分がなき後の,愛する者の行く末を考えたことはなかった。

(私)どこかに書いてありましたが,戦争末期の無謀な作戦にはどこか殉死の思想が漂っています。
 何れにしても,このような本がベストセラーになり,映画化されることはすばらしいと思います。私たちは余りにも現代の事実を知らなさ過ぎるようにように思います。敗戦から60年以上経って,やっと冷静に振り返ることができるようになったということでしょうか。
 阿部首相には,学校教育における近現代史の充実を是非やって頂きたいと思っています。

 世界を跳び回って,国連本部へも赴き「The winds of Got.」(神風)という自分で作った映画を上映して歩いている人もいます。これもすばらしいです。下記URLから見ることができます。

ーーーーーアメリカさん,ヒロシマ・ナガサキは?

 facebookのN様の記事をコピーさせて頂きました。

< 世界120カ国以上に事務所を持つロイター通信が米国務省定例記者会見においてシリア化学兵器使用疑惑問題を巡り鋭い質問を行った。
 8月29日の会見で国務省副報道官はシリアの化学兵器使用を断定し国連決議無くとも軍事介入する可能性大と発表。「シリアのアサド政権は化学兵器を使い多数の市民を無差別に殺害した」のは国際法違反になると強調。

 これに対してロイターの記者が「アメリカは核兵器を使用し、広島、長崎で大量の市民を無差別に殺害した事は、あなたの言う同じ国際法への違反だったのか?」と質問。副報道官はコメントを避けた。
 私は現実的な平和主義者故にアメリカは大事だと思っています。でも日本人として許せないものは許せない。やっと、この様な質問が出る様になったのかと嬉しかった。
 「ロイター通信よ、よくぞ言ってくれた」と感謝の想いも湧いて来た。>


(私)この内容も,上記「永遠のゼロ」のことと符合しますね!日本人からなかなか言えない言葉を世界のローターが口にてくれたことは歴史的発言ではないでしょうか。
 実は,以前に紹介致しました『Mirror for Americans: Japan』 (アメリカの鏡・日本/ヘレン・ミアーズ著)は,マッカーサーの部下だった米軍の女性将校が書いた本ですが,その中にもチラットですがこの記述があったと思います。

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2013年9月1日日曜日

蓼科だより・307号〜田舎暮らし情報

★ーーーーーーーーーーーーーーーー2013年8月31日(土)★
★テーマ:逞しい稲,百田尚樹に感銘,日本人の英語力,
     全国学力テスト
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 全会の蓼科便りに書きましたように出穂数が少ないのではと心配だったので,今日田んぼに入り,数カ所穂数を数えてみました。岩澤先生の本によると,既に出穂期は終り登熟期(とうじゅく:籾の中に米が満杯になること)にはいっていると思ったからです。

 改善していました。少ないのは1株当り15本の株もありましたが,多いのは25本もあり,これなら平均20株,つまり反(10アール)当り10俵(600kg)はいけるかな,と捕らぬ狸の皮算用!

 雑草の様子も観察しました。量は,昨年と比べると5分に1位の感じでした。現在あるのはホタルイだけです。深水管理は,ホタルイ以外にはほぼ完璧に近い効果を発揮しています。ヒエは,今日4株採りました。以前に5株ほど採ったことがありますが,問題の内には入らないと思います。

 私の米づくりは「手一本植33」を命名しました。手植えで縦横33センチ間隔で,1本植えとする。これが「手一本植33」です。今年は除草目的で半不耕起(浅い代掻きをする)ですが,基本は不耕起移植栽培です。

 今日も稲の姿をみながらその逞しいな生命力に想いを馳せました。たった一本の苗がどうしてこんなに逞しく数を増やすのだろうと。慣行農法の株を見ると,4~5本植えてあっても20本前後です。
 ただ慣行農法は,省力・機械化のための農法ですから,単純に数字を比較しても意味がありません。

 問題は結果である収量です。慣行農法ではしっかり反当り10俵を確保しますから問題ありません。比較して欲しいのは品質です。私どもは有機肥料で無農薬です。これをどう評価するかがポイントです。
 何れにしましても,私が目指しているのは農楽(業ではなく)です。自給自足の米づくり,野菜作りです。ですから,私の言ってることを農業者(それで飯を食ってるプロ)に聞かれたら,きっと馬鹿にされると思いますが,それは承知の上です。

 特に私の場合は自給自足を考えている人達に,人並みの体力があれば,機械がなくてもできますよ,ということをアピールしたいのです。しかも,健康と安全とやりがいがついてきます。
 私は今,そのお世話をする自信をつけているところです。

 稲刈りは今月29日(日)の予定です。私と一緒に楽しんで頂ける方はお知らせ下さい。参加要領は田植えの時と同様です。下記<>内の通りです。
<募集条件は,朝9時から終るまで,終らなくとも最終は夕方5時とします。昼食はバーベキューを召し上がって頂き,秋にはこの田んぼから収穫したお米5kgを送らせて頂きます。>
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 今週は,ダイコン,玉葱,ニンニクの種蒔き・植付け準備をしました。昨年お借りした新しい畑にしました。今までの場所(自宅の目の前)は,自然環境は抜群ですが東西に小高い山があり大木が生い茂っているので日照時間がかなり短いのです。今までの不作をそのせいにしているところがミソですが!
 ですが,今年は土づくりを1ヶ月前にやり,ここで床作りしたので,今までと比べると大きな改善です。立派なダイコンと大きな玉葱を妻に見せてやらなければなりません!
ーー
 最近雨が多いので,野菜と草が良く育ちます。
 孫の家に週一位野菜を届けることができます。孫から「おじいちゃん,美味しかったよ」と言われるのを期待して!
 私の期するところは無農薬の効能です。しかしこれは経年結果をみないと判りませんが,必ずあると考えています。
ーー
 前回のメルマガで重要な間違いがありました。「即身成仏」のところで,弘法大使と書いてしまいましたが,弘法太子の間違いです。お詫びして訂正致します。誤字脱字はいつものことでお恥ずかしい限りです。

ーーーーー百田尚樹に取り憑かれました!

 大先輩から薦められて「海賊とよばれた男」を読み,現在「永遠のゼロ」を読んでいます。両著とも 百田尚樹著で,すごい感銘を受けています。
 他に先に読まなければいけない本も仕事もあるのですが,読み始めたら取り憑かれてしまいました。

 日本の近現代史の一番重要なことがらが書かれていると思いました。
 「お前が今まで勉強してなかっただけのことだろう」,と言われればその通りですが,反発するなら,我々は(たぶん今でも)自国の近現代史を教わっていないと言いたいのです。
 現状は,戦争でも事業でも,命をかけて闘った人々に対して正しい評価をしているとは思えないのです。
 同和教育は暴露の嵐でしたが,戦争と戦後については欺瞞と隠蔽が続いてきたように感じています。ありのままの事実を知りたいと思っています。私ごときが書く事柄ではないと思いますが,率直な想いです。

 両著とも大筋については旧知のことでしたが,その内幕と現場描写は鮮烈でした。
 この両著で語られていることは,大きくいえば,国家とは愛国心とは何か,人間の罪と罰とは何か,戦争とは何か,歴史とは何か,というような根源的なことだと思いました。
 戦後日本社会でタブーとされてきたことが真っ正面から語られていると思いました。

 国のため,社会のため,人類のため,自然のため等のきれいな言葉が頻繁に使われていますが,真にこれらを守ろうとしたら命がけであることがよく判ります。この両著はそれをやった人々の記録です。
 私のような人間にはそれができないために妥協に妥協を重ね目先の利を求めて顧客と社会に迎合してきました。それでも巧く行かず失敗しました。結果として良い方向に向かう訳がありません。

 「海賊とよばれた男」(百田尚樹著)のモデルは,出光興産の創業者出光左三(明治18年生,昭和56年95才で没)だそうです。
 石油は第一次世界大戦の時「油の一滴は血の一滴」と言われたそうです。太平洋戦争(大東亜戦争)は石油を求めて始まり,石油の枯渇で負けたと本の中にありました。その通りだと思います。
 戦後は「油は産業の米」と学校で教わりました。この本を読むと,日本の経済発展のエネルギーとなった油を守ったのは出光左三だと言えると思います。

 長編大作なので一部分を抜粋しても意味が無いようにも思いますが,昭和48年のオイルショックの翌年,東京新聞の取材に対して次のように述べています。89才の時の言葉です。

「ガソリンがなければ,車に乗らないで,歩けばいい。終戦後は長い間,冬は事務所でも外套を着ながら仕事をしている人がいくらでもいた。終戦直後の数年間の苦しみは,こんなものではなかった。あれを経験した者にとっては,今度の石油ショックなどどうということはない。
 たしかに今後,インフレも起きるろう。しかし経済というものは数年周期で,好不況がめぐってくる。今度のはそれが少しばかり大きいだけの話だ。それでも戦争に比べれば,何ほどのことはない。何,この騒ぎもまもなくおさまる。
 いちばん大事なことは日本人の誇りと自信を失わないこと。それさえ失くさなければ,何も恐れることはない」

 この通りだと思いました。日本人の誇りと自信,果して今どうなんでしょうか。誇りと自信が持てるよな教育をしているでしょうか。すごく不安を感じます。

ーーーーー日本人の英語力についてコメントを頂きました

 前回,TOEFLについて国際派日本人養成講座の記事を引用しましたが,そのことについて,通訳案内士のKN様から次のようなコメントを頂戴しました。スペースの都合で,後半を割愛させて頂きました。

< 私の通訳ガイドとしての勘では、、TOEFLの成績が日本と北朝鮮と同程度言われるとハテナと思います。先進国の大学や大学院に合格するのに、クリアーしなくてはならないTOEFLの最低点数が設定されています。
 受験者は主にその理由で受けるはずですし、受験料も高いです。円高の日本では、海外留学がそれほど難しくなく、普通の家庭の子弟でも可能ですが、北朝鮮で誰が受験しているのでしょうか? 私には超エリートとしか思えないのです。明治期の日本と同様に。

 国民が飢えに苦しんでいると言われる北朝鮮ほどではなくても、他のアジアの国でもやはりエリートクラスではないでしょうか? 平均的な国民が受験しているわけではないでしょう。(といっても、私はTOEFLの受験者の内訳に関してデータをもっているわけではないのですが!・・・これが発言する際に問題です・・)
 統計は対象を同じに設定しないと、あまり意味をなしません。

 現在、日本でも国際ビジネスが盛んになってきました。
 海外に出向く日本ビジネスマンは当然ながら、現代の国際語である英語を使います。私の世代では(50歳台後半)、最初海外に出た時、英語が得意だと思っていても、聞くことも話すこともままならないのがわかって、日本で習った英語は何だったのか?と憤ることが多かったようです。
 ところが、リスニング・スピーキングと格闘すればだんだんその方面の能力は伸び、そうなると英語の文法やリーディング・ライティング能力が高い人は強いです。自分の主張をより正確に伝える基礎があるからです。
 日本の英語教育が水準がいいとは決して思わないのですが、私は今では学校で英語を教えてもらったことを感謝しております。そこで足りなかった部分は自分で勉強し、その後も子育ての中でも少しの時間を使って勉強してきました。・・後略 >

(私)プロのな~るほど,ですね!通訳さんが仰っていますのできっと正しい見解だと思います。統計の見方・読み方は難しいですね。ただ欲を言えば,日本の一般人は北朝鮮のエリートに負けて欲しくないですね。

ーーーーー「全国学力テスト」は福井県と秋田県がトップクラス!

国際派日本人養成講座8/26より

< 平成19(2007)年に始まった「全国学力テスト」で、福井県と秋田県が3年も続けてトップクラスを維持した事に、大手進学塾の栄光ゼミナール広報室室長、横田保美(やすみ)さんは、こう驚きを語った。
 「・・・一番ショックだったのは、福井県、秋田県が上位を占めたということです。東京では、小学生の5人に1人以上が受験をして中学校を選ぶ時代。塾に通うのは当たり前になっています。
 だから、東京をはじめとする関東圏がトップクラスに入ると思っていた。それなのに、通塾率の低い福井と秋田が上位を独占。そういう意味では大きく期待を裏切られた結果でした。

 受験だとか知識を身につけさせる教育が先進的だと思っていたけれど、実は見落としていたことがいっぱいあったのでは・・・と思い知らされました。>

(私)全文を載せられませんが,これを読むと,塾に行こうと行くまいと要点は「本当に勉強しているのか?」という一点にあるように感じました。
 福井県から東大に入って学生が次のように言っているのが印象的です。
「大学に進学して驚いたんだけど、有名私立校出身の子とか予備校に通っていた東大生の話によると、合格するために毎日10時間くらい勉強していたんだって。自分はそんなに勉強時間(2時間ほど)は長くなかったなあって。」

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