2015年11月29日日曜日

蓼科だより・423号〜田舎暮らし情報

★ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー2015年11月28日(土)★
★テーマ:浅間連峰の雪、こだまホールのN響弦楽、腐る経済、
     君たちに憎しみはあげない、磊庵、下條村
★蓼科便りは,重農主義を尊重し、地域自給圏構築をめざします!
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 今朝の浅間連峰は中腹から上が真っ白でした。札幌では40センチの雪とか。妻の従姉妹が札幌に嫁いでいるので気になるようです。昨日は庭で薄氷を踏み、冬の到来を実感。立科町の観光地女神湖から白樺湖にかけての道路では既に数回塩カル(凍結防止剤)撒きの出動があったとか。今まで温かすぎたので、急に冬がきた感じです。

 昨日、タイミングよく根菜類と観葉植物の温室の整備が終り収納もできました。父が盆栽の温室にしていた半地下の細長く狭い部屋ですが重宝しています。昨年の計測では室温が0度になってしまうので、壁に断熱材を張ってみました。最低を4℃位にキープしたいのです。
 収納したのは、大根3種類とヤーコンとネギ、そして金陵辺(日本蜜蜂捕獲用の和蘭)6鉢、鉢植えのバラ3鉢、君子蘭。ネギは湿気のありそうな位置に根を地面につけて置き、大根はビニール袋に入れました。これから春まで気を使うのは換気と観葉植物の水やりです。
ーー
 11/22、上田市こだまホールにて、N響奏者による弦楽三重奏でモーツアルトの「ディベルティメントK.563」と、ピアノ五重奏曲シューベルトの「鱒」を聞く機会がありました。両曲とも生演奏で聞くのは初めてでした。
 K563は、たくさんあるモーツァルトのディベルティメントの中でもっとも人気のある曲のひとつだそうですが、華麗なバロックの雰囲気を堪能させてくれました。鱒は馴染みな曲なのでゆったりと楽しめ、最もポピュラーな第4楽章をリクエストでも演奏してくれたので熱い拍手を送りました。

 30代から40代の奏者ですばらしかったです。私にしては高めの料金でしたが、東京で聞けば倍は取られるだろうなと連れていってくれた友人と話しました。先月のイ・ムジチといい、この音楽好きの友人のおかげで、世界でも一流と評される演奏を聴くことができてラッキーでした。
 こだまホールは木造りのこじんまりした温もりのあるホールなので、室内楽やソロ演奏を聞くには最適です。

 因にディベルティメントの意味が判らなかったので調べました。
< 18世紀中頃に現れた器楽組曲である。明るく軽妙で楽しく、深刻さや暗い雰囲気は避けた曲風である。貴族の食卓・娯楽・社交・祝賀などの場で演奏され、楽器編成は特に指定はなく、三重奏、四重奏、弦楽合奏、管楽合奏、小規模のオーケストラなど様々である。また形式・楽章数ともに自由である。・・・>
ーーー田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」

 松尾さんに薦められて、「田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」」(渡邉格著講談社)という奇妙な名前の本を読みました。30才まで自分の人生を見つけられなかった学者の息子が、祖父の啓示を受けてパン作りに挑み、小麦と菌類と向き合う中で、自然界の生命力に気づき魅了され、天然酵母と天然麹菌によるパン作りを極める自伝小説。

 興味をそそるのが、修業時代に経験した幾つかのパン屋の劣悪な経営実態を、マルクスの資本論を通して考え、自分のパン屋を「腐る経済」という考え方で経営していることです。「腐る経済」とは、利益を求めない、蓄積しない経営を意味しているようです。労働者を搾取しない経営とも言えるかも。
 腐らない経済というのは、ピケティが指摘した資本家の経済、或いは市場主義経済を差しているようですが、正直言って、腐る経済とどこでどうやって線を引くのか判りません。

 私はマルクスの資本論を勉強したことがないので、おかげで資本論に触ることができました。ですが、著者が書いていることはきっと本質的な部分を扱っているだろうと勝手に想像しています。
 一見共産主義者ともとれますが、違うようです。下記の文章があるからです。
「封建主義から共産主義まで人類は今まで様々な社会システムを取り入れてきたが、資本主義が一番ましなシステムだと思う。欠陥もあるが、良い面もある。」

 資本主義の最大の特徴は資本家が生産手段を独占していること、それが生産手段を持たない労働者を搾取することになる。だから、生産手段を資本家からとりあげて国家が持てば搾取はなくなる。と考えたのが共産主義革命だということのようです。しかし、歴史的にはその試みは全て失敗に終り、未だにそれを証明できないままです。

 天然酵母と天然麹菌によるパン作りへの熱烈な取組みは感動ものです。有機栽培と自然栽培の違いも解き明かし、動物性蛋白の問題も提起しています。「ほたるの居る田んぼを創る会」の稲作りに通じるものがあります。自然耕塾@高山村で習った不耕起移植栽培の米が自然栽培の米と違うかどうか試してもらいたくなりました。

 何よりも大きく頷いたのは、生命力についての探求です。次のような記述があります。
<自然栽培で野菜を作っていた畑で、農業大学の研究者が土壌調査をした時のこと。最終的な結論は、「この土では養分が足りていないので作物はできる筈がない」というものでした。
目の前で人参や大根が実りをもたらしているというのに。そのギャップが埋められずじまい。科学の目だけでみたら不思議なことかもしれないが、そのギャップにあるものこそが生命力というものではないかと思う。>

 生きている土、つまり生命力を持った土が答えだと思うのです。私は論理的に説明はできませんし、実践もしていませんが、これを信じます。たぶん、不耕起仲間のMさんなら説明してくれると思います。
 思想的には釈然としないところがありますが、ともかくすばらしい取組みで、すばらしい奥さんと子供たちで、すばらしい経営をしていることは間違いありません。私はエコールという上田地区の図書館ネットワークからお借りしましたがお薦めの本です。

ーーー 「君たちに憎しみはあげない」

 またまた安中さんが注目すべきコメントを下さいました。

<・・・戊辰戦争の私のコメントを掲載いただき、ありがとうございます。
子供の頃、祖父から「薩長のやつばらと口を聞いてはいかんぞ」と言われました。私の先祖は、故郷の村松堀藩に使えていたそうです。きっと、祖父は、祖父の父から官軍に蹂躙された話を聞かされ、薩長に対する恨みを抱いたのだと思います。

ところが、その孫である私には、その恨みが理解できずに、鹿児島や山口の人とも付き合っています。きっと、34代経れば、恨みは引き継げないのですね。弊社の中国人の社員(28歳です)も、反日意識はゼロですし、甥の一人は韓国人の嫁さんをもらいました。だから、今の中韓の若者の多くには、反日意識などもう無いのです。
彼らの話を聞く限りですが、むしろ親日のほうが多いような気がします。

タイムカプセルの話は笑いました。過去のことなど、ほじくり返さないほうがよいということですね。・・・>


(安江)「過去は全て正しい」と言った船井幸雄さんの言葉を思い出します。「正しい」という言葉を「仕方なかった」と意訳するとスゴく判りやすくなるように思います.船井さんは、若い頃幼い子どもと奥さんを亡くしていますが、それでもそう言ったのです。戊辰戦争も日中戦争も太平洋戦争も喧嘩両成敗ではないでしょうか。

 過去を否定すると,復讐につながるのでは。肯定するということは、お互いの立場を理解することで、双方にやむを得ない事情があったことが理解できれば復讐は起こらないでしょう。それを形にしたのが条約だと思います。

 そういう意味でも勝者の復讐裁判とも言える極東軍事裁判は間違っています。しかし、それでも日本は、極東軍事裁判と2発の原発は正しかった(仕方なかった)としました。日本はアメリカに勝っているのだと思います。まともなアメリカ人なら恥ずかしさを感じているのではないでしょうか。

 安中さんの中国人、韓国人の話も「過去は全て正しい」ということを無意識に理解しているのだと思います。

 最近のパリテロ事件の首謀者達に向かって、「君たちに憎しみはあげない」と言ったフランス人ジャーナリストの次の言葉も同じ解釈ができるように思います。

<「金曜の夜、最愛の人を奪われたが、君たちを憎むつもりはない」という書き出しで始まる文章は、妻の遺体と対面した直後に書いた。
「君たちの望み通りに怒りで応じることは、君たちと同じ無知に屈したことになる」と憎しみを否定。「君たちの負けだ。(略)幼い息子の幸せで自由な日常が君たちを辱めるだろう。彼の憎しみを勝ち取ることもないのだから」と、1歳半の息子と2人で普段通りに暮らし続けることを宣言している。>
 しかし、一方で、彼は空爆を拒否するのでしょうか。難しいですね。

ーーー栃木の方がそば処「磊庵」ヘ!!

  Oさん、ありがとうございます。嬉しいやら、驚くやら、ビックリです!さぞかし、そば屋のご主人も喜んでくれたことでしょう。そして、力強いエールをありがとうございます。

<栃木のOです。メールをいただき、昨日、時間があったので、佐久市のそば処「磊庵はぎわら」へ早速出かけ、おいしいお蕎麦を賞味してきました。

栃木からは200キロ強かかり、到着した14時でも店はいっぱいで、名物「水萌えそば」はソールドアウトでしたが、大変おいしい蕎麦をいただけました。そばの味もさることながら、お店の設えと窓から見える南アルプスの稜線が綺麗でしたね。

ついでに、佐久市内の成田山の界隈の街並みも視察してきました。ちょうど、一昨日の、上信越高速のヘリコプター事故の片道制限で、大渋滞している様を、下り方面から確認していたので帰りは3連休最終日の、旧軽井沢で時間つぶしして、帰宅しました。メルマガの情報いつもありがとうございました。

農業政策大転換時期にあって、安江さんのご奮闘、蔭ながら応援しています!>

ーーー日本の未来が見える村・長野県下條村

 下條村は、活性化モデル自治体として全国から視察団が訪れているということです。以前にテレビでも放映していた記憶がありますが、改めて調べてみました。日経ビジネスオンラインからです。

<・・・長野県南部、天竜川の畔に広がる下條村。出生率を向上させたことで全国的に知られる村である。国の合計特殊出生率は1.34。それに対して、下條村の出生率は200306年の平均で2.04人に上る。・・・この出生率は長野県下でも随一だ。さらに、村の人口4176人のうち014歳が710人を占める。人口比17%。この数字も県下一という。・・・・・・この村では中学3年生までは子供の医療費がかからない。さらに、この2年で村営保育園の保育料を20%値下げした。子供向けの書籍を中心に68000冊の蔵書がある村営図書館も村の中心部にある。・・・

・・・伊藤村長は職員に対して、民間企業の従業員がいかに厳しい環境で仕事をしているか、いかに君たちの仕事ぶりが非効率か。懇々と説諭した。・・・
それでも残りの3割は理解してくれない。またまた業を煮やした伊藤村長。実際に民間の仕事を体験させるため、職員を飯田市内のホームセンターの店頭に立たせた。・・・
・・・その結果、村長就任時に比べて、職員数は約半分の34人にまで減った。人口1000人当たりの職員数に直せば8.1人。これは、同規模の自治体に比べて半分以下の数値だ。・・・

日本の未来が見える村・長野県下條村、出生率「2.04」の必然
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090209/185533/?P=1

フッターーーーーーーーーーーー

農村消滅論から大転換
http://shinshumachidukuri.blogspot.jp/2015/01/blog-post_17.html

「スマート・テロワール : 農村消滅論からの大転換」を読んで
http://shinshumachidukuri.blogspot.jp/2015/07/blog-post_9.html

農楽しながら「”田舎暮らし”コミュニティ」を創る
(月刊『ザ・フナイ』より)
http://shinshumachidukuri.blogspot.jp/2014/11/blog-post.html

無農薬玄(白)米の販売
http://daylanbo.blogspot.jp/2013/11/blog-post.html

農楽のすすめ!
http://tateshinadayori2.blogspot.jp/2011/08/blog-post_26.html

”田舎暮らし”動画がYoutubeに300本以上
http://jp.youtube.com/user/takasukey

メルマガ「蓼科便り」のアーカイブス
http://tateshinadayori2.blogspot.com/
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2015年11月23日月曜日

蓼科だより・422号〜田舎暮らし情報

★ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー2015年11月21日(土)★
★テーマ:タイムカプセルから、メル友から、オーガニック200ha,

     自民党のTPP対策、国境なき医師団、朴正煕大統領
★蓼科便りは,重農主義を尊重し、地域自給圏構築をめざします!
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 今日、思いがけない手紙が亡き母や過去の私から届きました。立科町が30年前に設置したタイムカプセルが開かれたのです。84才で亡くなった母が64才の時に書いていました。日本社会があらゆる面で順調に行っていた時期らしく、文章は明るい夢に満ちていました。今の現実を知られなくて良かったと、胸を撫でおろしました。
 私が妻に宛てた手紙もバラ色の文面になっており、妻から「これを読んでどう思うの」と恨めしそうな目線。男は辛いよ!です。何も言えませんでした。
ーー
 前号の「混声合唱団」の記事に間違いがありました。「NPO信州まちづくり研究会に入会して頂いた奥さんがアルトを・・」は、「NPO信州まちづくり研究会に入会して頂いた会員の奥さんがアルトを・・」が正しいです。奥さん、すみませんでした。

 合唱団の関連で横浜の旧友Tさんから懐かしいコメントを頂きました。
<私も3年前から横浜の青葉区の男声合唱団に入って歌っています。シニア平均73歳の60名位が集まって楽しみ、合唱祭や老人ホームの慰問に頑張っています。また来年3月は川崎ミューザのコンサートホールで定期演奏会をします。>
 海外を跳び回っていて、最近立科町に引っ越してきた旧友Oさんからも嬉しいコメントを頂きました。
<メルマガを読んでいて、「スマート・テロワール」に強い関心を持っています。同じ思いの友人二人もいるので、次の連休に帰郷した時安江さんとお話ししたい。本も3冊欲しいです。・・・何か日本人の心が崩れてきているような気がするんです。・・・>

 Oさんは23日に私の自宅に来てくれます。5年ぶりくらいなので楽しみです。海外で働いている人の考え方は客観的に日本をみているので貴重です。
ーー
 以前に中国の作家さんが取材旅行で当地に来られたことを書きましたが、何と、不耕起移植栽培を勉強させて欲しいという依頼が飛び込んできて驚きました。韓国では既にこの農法が導入されているようですが、国際化という言葉が肌感覚になってきたような気がします。

ーーーオーガニック大豆の大規模経営を実現させた「脱固定観念」発想

 『農業経営者』の記事からです。本当に常識を覆す内容にビックリです。
 下段のURLから全文をどうぞ。下記は紹介記事です。
有機栽培は小規模経営が当たり前。こんな常識がいまでも日本ではまかり通っている。この常識を覆したのは、北海道比布町に拠点を置く(有)営農企画・今城正春だった。耕作面積は大豆だけでも70haに及ぶ。・・・>


(私)全部で200ヘクタールを栽培しています。40代半ばで、建具屋から農業経営者になった話です。一般の農家の皆さんには理解不能のお話でしょうね。
 長野県の地形では、どうやっても200ヘクタールは無理だと思いますが、水田の畑地転換を含めた耕地再整備をすれば、20ヘクタールくらいなら可能性はあるのではないでしょうか。スマート・テロワール構想を進める上で大きな課題です。

ーーー自民党、水田の畑地転換をTPP対策に盛る!

 ついに動き出したか、という感じです。日本経済新聞11/18(下段URL)に、自民党のTPP対策として政策大綱に盛り込まれたとありました。「攻めの農林水産業への転換」と謳っていますが、大きな前進だと思います。

 ある意味、農家政策から農業政策へ舵を切ったとも言えるように思います。当然、行き着くべき転換だと思います。お墨付きが出て、関係官庁もこれで農村自給圏(スマート・テロワール)構想に載り易くなると期待します。ハードウェア(農地)改造はやり易くなります。

 我々NPOの役割はソフトウェア(耕・蓄・工・商連携と循環型農業システムの構築)にあるのかも知れません。忙しくなりそうです。問題は地域の潜在力です。諦めきって農政不審に陥っている高齢の農家を目覚めさせるのは容易なことではないと思います。
 上記の今城さんのような、或いは脱公務員で当NPOの会員になってくれたYさんのような新しい血の移入が必要だと思います。

 今日、NPO法人信州まちづくり研究会の月例会があったのですが、上記の報道を踏まえて一段と熱が入り盛り上がりました。12月に入ると農作業から解放される会員が動けるようになるので、本格的に活動が始まります。

http://www.nikkei.com/article/DGXKASFS17H41_X11C15A1PP8000/

ーーー「磊庵はぎわら」の水萌えそば(どうづきそば)

 水萌えそば(どうづきそば)というギャバがあふれる美味しいそばが、信州大学の井上教授によって開発された「千本杵搗き機」によって再現されたといいます。
 佐久市のそば処「磊庵はぎわら」で味わうことができます。私が現役時代に作らせて頂いたお店だから宣伝する訳ではありません。本当にすばらしいのです。嘘だと思ったら、行って召し上がってみてください。自信をもってお薦めできます。そばのバラエティーに驚きますよ。

 佐久市R141のヤマダ電気の臼田よりですが、看板がないのでご注意。道下の見えにくいところにあります。
http://www.raian-hagiwara.com/

ーーー国境なき医師団(Médecins Sans Frontières=MSF)

 くれなければいいのに、私のところに国境なき医師団日本代表医師から寄付の要請が届きました。経営上とはいえ、金銭で他人に迷惑をかけた人間が寄付をするなど、偽善っぽいと思いながら捨てようと思った手紙に目を落としました。
 「たくさんの命を救ったはずなのですが、思い出すのは、救えなかった子どもの顔ばかりです」という言葉に吸い寄せられて最後まで読んでしまいました。
 「医師団の施設でできる治療には限りがあります。資金が不足しているからです。その時には助かりそうな子どもを治療し、そうでない子どもはあきらめるというような、とても残酷な決断をしなくてはなりません。」
 「体重が規定に満たない赤ちゃんのお母さんやお父さんに、入院できないと伝えるのは、医療チームリーダーである私の役目でした。資金が不足しているからです。」
 読んでいて涙が止まりませんでした。偽善っぽいと思う気持ちを封印して最低限の金額ですが送金することにしました。無産者で、お金のことで家族に迷惑をかけている身ですが、書かれている地獄のような悲惨さに比べればなんのそのです。貧者の一灯です。

 驚いたことに、この組織は政府や国際機関から支援を受けず、民間の寄付だけで運営されています。日本国内だけでも70億円も集まっています。約30万人・社の支援です。きっと私のメルマガを読んで下さっている人の中にもいらっしゃると思います。

下記はホームページからです。
<国境なき医師団は、 中立・独立・公平な立場で医療・人道援助活動を行う民間・非営利の国際団体です。1971年に設立し、1992年には日本事務局が発足しました。・・・

・・・MSFは世界各地に28事務局を設置しています。主な活動地はアフリカ・アジア・南米などの途上国です。2014年は38000人以上の海外派遣スタッフ・現地スタッフが、約60の国と地域で活動を行いました。また、2014年実績では、MSF日本から87人を派遣しました。派遣回数は計126回で、23の国と地域で活動しました。・・・>
http://www.msf.or.jp/

ーーー朴正煕大統領は実に傑出した人物であったが

 国際派日本人養成講座の記事(下段URL)からです。
 石原慎太郎と言えば右翼だと評する人が多いように思いますが、私は右翼だろうと左翼だろうと本当のことを知りたいと思っています。産経新聞のこの記事に嘘がないとしたら、すばらしいことだと思います。人間、時には嘘をいうこともあると思いますが、これは本当だと思うのですが如何でしょうか。

<・・・ある時酒の席で朴元大統領は思いがけぬ述懐をしてくれたものだった。「自分は貧農の息子で勉強をしたくてもできずにいたが、日本人がやってきて子供を学校に通わせぬ親は罰を食う、ということで親も嫌々許して小学校に通うことができた。
そこでの成績がよかったので日本人の校長に勧められ、ただで通える師範学校にいかされた。さらにそこの校長が私を見込んで、これからは軍人の時代だからと推薦されて満州の軍官学校に送られ首席となった。そして、他にもいた日本人の子弟をさしおいて卒業の際には代表して答辞を述べさせられたものだ。あれだけの事をさせる民族はあまりいないと思うな」と。
そしてまた突然私に「あの竹島は厄介なことになるよ、あれは李承晩が国際法を無視してやった線引きで、その内必ず困る火種になると思うから、今の内にお互いダイナマイトでもしかけて無くしてしまったらいい」と。・・・>
朴正煕大統領は実に傑出した人物であったが…
http://www.sankei.com/premium/news/151116/prm1511160015-n1.html
(私)先の「蓼科便り」に書いた戊辰戦争のことで安中さんから次のようなコメントを頂きました。
「戊辰戦争のこと、安江さんの仰るとおりです。我々が学校で教えられた明治維新の歴史は、勝者である薩長の視点で書かれた歴史です。先の大戦の歴史と同じです。
 前にも書きましたが、私の故郷(新潟)の藩は幕府側についたため、薩摩の大軍に攻められました。薩摩軍は、城のみならず、故郷の町を焼き払いました。その後の生活困窮の中で、多くの民が樺太へ新天地を求めて去りました。私の故郷の年寄りで西郷隆盛のことを良く言う人はいませんでした。」

 世界で起こっている戦争から見れば、日本の戦は兄弟喧嘩のようなもののような気がします。それでも見方も評価も様々です。会津と山形と新潟とで官軍の評価はまるで違いますし、我々が教わった教科書は薩長の都合のいいように書かれているのだと思います。でもこれは世界の常識なんでしょうね。
 歴代首相を見ると長州勢が圧倒していて、岩手以外の賊軍東北勢はゼロ。安倍さんも長州です。

http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/5237.html

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農村消滅論から大転換
http://shinshumachidukuri.blogspot.jp/2015/01/blog-post_17.html

「スマート・テロワール : 農村消滅論からの大転換」を読んで
http://shinshumachidukuri.blogspot.jp/2015/07/blog-post_9.html

農楽しながら「”田舎暮らし”コミュニティ」を創る
(月刊『ザ・フナイ』より)
http://shinshumachidukuri.blogspot.jp/2014/11/blog-post.html

無農薬玄(白)米の販売
http://daylanbo.blogspot.jp/2013/11/blog-post.html

農楽のすすめ!
http://tateshinadayori2.blogspot.jp/2011/08/blog-post_26.html

”田舎暮らし”動画がYoutubeに300本以上
http://jp.youtube.com/user/takasukey

メルマガ「蓼科便り」のアーカイブス
http://tateshinadayori2.blogspot.com/

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2015年11月18日水曜日

蓼科だより・421号〜田舎暮らし情報

★ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー2015年11月14日(土)★
★テーマ:不耕起栽培、現代妖怪の正体、庄内の人々、耕作放棄地問題、
     杭不正問題の深層
★蓼科便りは,重農主義を尊重し、地域自給圏構築をめざします!
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 田んぼの収穫の片付けは全て終了し、来年の準備に入りました。このところNPOの仕事が増えてきたので助っ人をお願いしています。
 来年の準備というのは、藁を全量、コヌカを1反歩当り60kg、ミネラル(私の場合は籾殻120kg分の燻炭)を散布し、浅い耕運をします。散布しているのは、全て田んぼから収奪した分です。不耕起栽培の肥料理論は単純明快で、全てを元に戻すというものです。

 戻せないのは食べちゃった白米部分だけです。それを補ってくれるのが糸ミミズという訳です.その糸ミミズのために冬期堪水が必要なんですが、私の田んぼには冬期間は水路に水がないのでかけられません。
 本来の不耕起は耕運をしないのですが、ワラやその他の材料の浮き防止と分解の促進のために半不耕起にして浅く耕運します。そして、春の雪どけ水と雨水を待って、できるだけ早く満水にします。

 先週、高山村の自然耕塾で第6期生の卒業式があり、Mさんの講演もあったので参加しました。毎年20名程の卒業生が誕生します。驚いたことに生徒の中に20代の若い人が数人いたり、半分ほどは県外から来ていたことです。岐阜、静岡、新潟、群馬等です。

 私も「スマート・テロワール」の宣伝をさせてもらい、「希望のもてる農業と地方再生のための画期的な提言です。」と言ったら、持っていった「スマート・テロワール」と「里山資本主義」7冊づつがすぐ売れてしまいました。もっと持っていけばよかったと、残念なことをしました。

 お米の味のことですが、前回あまり良くないことを書きましたが、2番目に脱穀した田圃のお米の味はとても良かったです。やはりその田圃の土が良いのです。
 全体をして味の良いとことと良くないところと半々の感じなので、お客様用にはブレンドで出させていただくことにしました。ご了承ください。正直なところ、ブレンドしても味はほとんど変わりません。良いと思います。
ーー
 今日、久しぶりに混声合唱団の演奏会を聞きました。東御市に本拠があるとうみ混声合唱団の定期演奏会でした。とてもすてきでした。つい最近、NPO信州まちづくり研究会に入会して頂いた方の奥さんがアルトをおやりになっていて、誘われたものです。会場は東御市のサンテラスホール。

 指揮をとったのは、県下唯一の小諸高校音楽科の発足に尽力された教諭高木房雄さんで、声楽出演者は東御市を中心とした近在の皆さんのようでした。会員の奥さんは我が立科町です。
 西洋音楽の発祥とされるグレゴリオ聖歌にはじまり、星野富弘さんのすてきな詩「花に寄せて」から7曲、そして、オペラ座の怪人とキャッツから名場面の曲が演奏されました。キャッツではセガワバレエアカデミーの小中学生ダンサーがとても可愛いバレーを見せてくれて大きな手拍子と拍手に沸いていました。

 手足の自由を失い口に筆を加えて絵と詩をお書きになる星野さんの展覧会を同じホールで見た記憶があったので、感慨ひとしおでした。人間の声は最高の楽器だと言いますが本当にそうですね。素敵な演奏会をありがとうございました。

ーーーこれが世界の富を食い潰す「現代妖怪」の正体だ!

 松尾さんから薦められて「新自由主義の自滅」(菊池英博著文春新書)を読みました。私には経済論説を批判できるような基礎知識はありませんが、日本政府やOECDの統計などを使って、近現代の日本と世界の恐慌や景気の変動を非常に判りやすく理解させてくれます。

 単純化して論評するなら、「新自由主義者の経済政策は間違っている。ケインズ経済学が正しい。世界先進各国の近現代経済史はそれを証明している。日本も即刻改めるべきである。」というものです。確かにデータと説明は一致していました。とても良い勉強になりました。
 これが本当に正しいかどうか私には判定できませんが、感想を述べるとすれば、この本で言ってることは正しいように思えます。但し、ケイジアンとしての見方なので、マルクス学派や新自由主義学派は全く違った解釈をするんでしょうね。

 私がこの種の論説を読んだ時にいつも不思議に思うことがあります。書かれている内容は全て公開されているデータであり、説明されれば無学な私でも判るのですから、世界の専門経済学者の皆さんがそれを知らない筈はないと思うのです。
 にも係らず、この論説からすれば明らかに間違いである新自由主義が、日本を含め主要先進国で行われるのには何か重大な訳がある筈と思うからです。何故でしょう。その訳を私は知りたいです。どなたかご教授願えないでしょうか。

ーーー庄内の人々の西郷隆盛への敬慕

 NPO法人信州まちづくり研究会が取組んでいる「スマート・テロワール」の実証先進地である山形の話なので注目しました。国際派日本人養成講座からです。

< 世の中には不思議な付き合いがあるものだ。西郷隆盛と庄内藩(現在の山形県庄内地方)の人々との交流である。明治元(1868)年の戊辰(ぼしん)戦争では、庄内藩は西郷隆盛率いる明治政府軍に降伏したのだが、西郷の高潔な態度に感激し、その後、藩主自ら70余名の藩士を率いて、薩摩に赴き、西郷に親しく教えを請う。

 西郷は明治10(1878)年の西南の役で戦没し、「逆賊(天皇への反逆者)」の汚名を着せられるが、明治22(1889)年、明治天皇が正三位を与えて汚名を晴らすや、旧庄内藩の人々は西郷の語った言葉をまとめた『南洲翁遺訓』を刊行し、風呂敷包みに背負って、全国に配布して回った。

 庄内の人びとの西郷への敬慕は現代まで続いており、昭和51(1976)年には南洲神社が創設され、「財団法人 庄内南洲会」が西郷の人徳を称える活動を続けている。・・・続く>


http://blog.jog-net.jp/201511/article_2.html

(私)戊辰戦争は、一方において、長州が会津で残虐非道なことをしたという歴史があります。ひとつの出来事でも見る場所により、相手により、架けてる眼鏡により、その内容は全く違ったものになります。恐らく、太平洋戦争における日本軍のことも同様だと思います。

 生きるか死ぬかの極限状態の中では、狂気が起きても、何が起こっても不思議はありません。だからこそ、そのような状況の中で残されたものは本質であり、永遠に人々を突き動かすのでしょうか。

ーーー耕作放棄地の課税1.8倍に 移転促し農地集約

 耕作放棄地を無くすための政策だということです。日経ニュースメールからです。

<・・・農林水産・総務の両省は農地向けの税制優遇を見直す。耕作放棄地の固定資産税を1.8倍に引き上げ、税負担を重くする検討に入った。税金の安さから放棄地のままで所有する持ち主が多く、やる気のある農家に農地が渡らない現状を改善する。

一方で、農地中間管理機構(農地バンク)に貸した農地の固定資産税の軽減も検討する。環太平洋経済連携協定(TPP)の発効をにらみ、農地の集約で農業の国際競争力を高める。・・・>


http://mxt.nikkei.com/?4_41706_1351907_1

(私)かつて、作らなければ金を出すという減反政策がありましたが、それと同じ後ろ向きの政策だと思います。耕作放棄せざるを得ないような、農村から希望を奪った政策をやったのは誰なんでしょう。作れないようにしむけておいて、手放せと言っているのと同じです。嫌がらせをして追い立てをする闇の組織がやる手口と同じではないでしょうか。

 そもそも、地方の中山間地へくれば、貸したくても、ただで良いからと言っても借り手がいない農地がたくさんあります。しかも、この半世紀に税金を投入して作った農地です。このような農地は、この法律ができても動くことはないでしょう。いったい、どうしろというのでしょう。
 但し、平野部の優良農地にこの法律を適用するのは理にかなっているように思います。全てのことにTPOは必要です。

 嫌がらせをするのではなく、何故農地を生かそうとしないのでしょう。答えは『スマート・テロワール-農村消滅論からの大転換-』(松尾雅彦著学芸出版社)に書かれています。

ーーーあまりにも鈍感な建設産業
 HAL通信のメルマガからです。ハルシステム設計は福島第一原発にも関わった建設コンサルタントです。ここに書いてある通りだと思います。重大社会問題なので、長いですが引用させて頂きました。
<1
ヶ月前の本メルマガで、私は「国民の不信感の強さに鈍感な建設産業」というタイトルで、国民の不信の目に対する業界の鈍感さを指摘しました。その後すぐに、横浜のマンションでの杭工事の不正が発覚したわけです。予言をしたわけではありません。
私は、40年間、様々な立場から建設の仕事をしてきました。しかし、業界の内側しか見ていない建設産業の姿に強く危機感を抱いていたが故の警告でした。

今回の問題でも、パークシティLaLa横浜のマンションが傾いているという指摘が寄せられたのは、昨年の11月です。それなのに、きちんとした調査もせずに苦情を無視し続けていたわけです。1年近く経ってようやく問題の存在を認めましたが、記者会見で旭化成建材の副社長が「傾いたのはこの1件だけ」と発言するなど、当事者の危機意識の欠如には耳を疑いました。

その後の報道で、杭の偽装は他県にも及び、「私もやった」と発言する施工者が現れたりと、底なしの様相を見せ始めています。1029日現在で偽装が明らかになった物件は全部で4件になっています。・・・

・・・設計や施工経験がお有りの方は、杭の不正がどれほど危険かはよく分かっていますが、同時に、そもそも、多くの建物は過剰気味に設計されているし、国の基準も必要以上に過大だと感じています。この2つの感情の狭間が本当の危険だと思うのです。

私も工期や金額が非常に厳しい物件の施工を担当したことがありますが、大きな問題に突き当たった時は、やはり焦ります。竣工に間に合わなくなる、工事が赤字に陥ってしまうというプレッシャーは相当なものです。実際にそうなれば、謝ったぐらいではすみません。

工期の遅れは、お客様から損害賠償を請求されるかもしれませんし、赤字になれば、自分の評価は地に落ちます。それでも平然としていられるような精神の持ち主など、ほぼ皆無でしょう。

技術の未熟さなど、現場監督自らが解決していかなければならない問題も多いですが、多くは施工会社の姿勢であり、リスク管理の問題なのです。もっと言えば、施主を含めた建設産業が抱えている構造的問題なのです。

姉歯問題から10年、産業界の体質が少しも変わっていないことを露呈した今回の問題。市場から突きつけられている不信の重さに対し、まだまだ建設産業界は鈍感だと思います。>


(私)最後に書かれている「施主を含めた建設産業が抱えている構造的問題なのです」が本当の指摘だと思います。何か問題が起こると、担当大臣の前で深々と頭をさげる民間組織の長の姿が度々テレビに映し出されますが、この構造がダメなのだと思います。お上と業者であり、施主はお上です。

 外国人がこのテレビに映し出される様子をみたら、日本の民主主義を疑うのではないでしょうか。民法にも契約書にも発注者と受注者は対等であると書かれていますが、東大マフィアとも言うべき日本の官僚機構では全く無視されているように思えてなりません。日本ではお神でもあります。ですから全て官製ではないでしょうか。

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蓼科だより・420号〜田舎暮らし情報

★ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー2015年11月7日(土)★
★テーマ:脱穀終了、1に安全・安心、ハワイ州では自然エネルギー、
     既存住宅と中古住宅、加工肉の発がん性、戦争と平和
★蓼科便りは,重農主義を尊重し、地域自給圏構築をめざします!
★ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー★


 去る5日、稲の脱穀も終りました。特殊事情があってほんのチョッピリ残してありますが、実質的に終了です。結果ですが、予想通りでした。昨年は51袋(30kg/袋)でしたが、今年は47袋で、マイナス4袋です。玄米にすると、47×30kg×80/100=1,128kgです。

 田圃の面積は30%増えているのにです。今年からの田圃を別にすると、本当に半作でした。痛いお灸を据えられた気持ちです。要因は、まず苗作り、そして除草代掻きと田植技術です。理論的には理解できているので、実行あるのみです。

 次に気になるのは味覚です。新米を早速炊いてみましたが、残念ながら、不味くはありませんが、美味し〜いとはいきませんでした。不耕起移植栽培の栽培目標は、1に安全・安心、2に味覚、3に収量という言い訳がましいものですが、本音です。

 ご理解頂きたいのは、安全・安心を確保する難しさです。特に除草剤を使わないことによる工夫と困難は大変なものです。除草剤の無い時代、お百姓さんが皆腰が曲がってしまったのはそのためですし、その子供たちが農業を嫌った原因もその辺にあります。
 我々不耕起移植栽培のメンバーはそこに挑戦しているのですから、誉めてやって下さい。(笑)

 そうはいうものの美味しさは重要条件ですので、今後確保に努力致します。味覚を左右する要素は、1に土質、2に土づくり、3に肥料だと言われていますが、土質が占める割合は70〜80%になるような気がします。粘土質のお米は何といっても一番美味しいです。我が立科地区は粘土質が多いので、米の等級では最上位の特Aという格付けをもらっています。

 体験から言っても、砂質土や火山灰土のお米は確かに味覚は落ちます。当然のことながら、平坦地と山間では土質が違いますので、味覚も違ってしまうのが現実です。地元のJAで聞きましたら、立科町全域が特Aだそうで、JAに出荷された米は混ぜ合わされて出荷されます。

 私の場合はJAには出荷しませんが、私の田んぼはその中間当りにありますので、微妙な立場です。腕の見せどころとも言えますが、有機肥料だけの栽培には難しさがあることも事実です。

 販売ですが、我家の子供、孫を含めて約400kgですから、余裕をみて約600kgを販売することができそうですが、400kgほどの定期顧客がありますので、新規には200kgほどのご注文を頂ければありがたいです。5kgから5kg単位で20kgまでです。下記ホームページからご注文下さい。宜しくお願い申し上げます。


ーーー米ハワイ州では、2045年までに自然エネルギー100%を

 世界では信じられないようなことが起こっているんですね!驚きです。オルタナのメルマガから引用しました。
http://www.alterna.co.jp/16597

<・・・トヨタ自動車は10月14日、2050年に新車が排出するCO2(二酸化炭素)総量を2010年比で90%削減するなど、極めて意欲的な環境目標「トヨタ環境チャレンジ2050」を発表した。・・・

・・・サウジアラビアのヌアイミ石油相は今年5月、「我が国は2040年までに石油を放棄する用意がある」と表明した。英紙フィナンシャル・タイムズが報じた。同石油相は「将来サウジアラビアは、化石燃料でなく再生可能エネルギーの輸出に取り組む」との考え方を示した。

米ハワイ州では今年5月、全米の州で初めて「2045年までに自然エネルギー100%を目指す」新たな法律が成立した。この法律により、州の発電事業者は2020年までに30%、2040年までに70%、2045年までに100%に電力を再エネから供給することが義務付けられる。・・・

・・・だが、トヨタの今回の目標は、日本では異例の「バックキャスティング」の手法であり、筆者は高く評価したい。
オルタナ本誌15号(2009年9月号)の第一特集「バックキャスト経営を考える」に掲載した通り、「バックキャスティング」とは、遠い将来に「あるべき姿」や「意欲的な目標」を定めて、そこから現在を振り返って今何をすべきかを考え、行動に移すやり方だ。・・・>
(私)この思考方法を推奨しているのが『スマート・テロワール-農村消滅論からの大転換-』です。演繹法だと、既成概念の積み重ねなので、革新的なものは生まれないのでしょうね。

ーーー既存住宅(イグジスティン グハウス)と中古空宅(ユースドハウス)は似て否なるもの

 戸谷英世理事長が発信する住宅生産性研究会(HICPM)のメルマガは日本の住宅問題の核心をついていると思います。HICPMメルマガ00375より引用しました。

 住宅と住宅地に対する謝った価値観と流通システムのために、国民の住宅にかける費用が異常に高く、所得が高いにも関わらず生活レベルと幸福度が低い原因になっていると考えています。「人間を幸福にしない日本というシステム」(ウォルフレン著)の一つだと思います。

「既 存住宅」中心の住宅市場
欧米の住宅マーケットをマクロに見ると、毎年の総取引住宅数の中 で、新築住宅は10%程度です。新築住宅比率の高い米国においてもせいぜい20%です。

圧倒的多数を占める住宅は既存住宅(イグジスティ ングハウス)と呼ばれる住宅で、日本では中古(ユーストハウス)と呼ばれているものと考えられていますが、実は既存住宅(イグジスティン グハウス)とよばれているものと、中古空宅(ユースドハウス)と呼ばれているものとは似ていて否なるものであることを知っ ておく必要があります。

「既存住宅」は居住者に高い満足を与え、市場で需要の対象になり続けているのに対し、「中古住宅」は失望を与え続 けていて、魅力を失っているのです。

欧米の住宅は基本的に居住者の生活要求に合う形で住宅の維持管理 修繕を繰り返し、常時、現在の居住者の生活に高い満足を与えるように維持管理している住宅です。

言い換えると、現在の生活に対して高い満 足を与えることの出来る住宅と言う意味で、「既存住宅」(イグジスティングハウス)と呼ばれ、新築住宅と競合して住宅市場で取引されてい ます。欧米では、決して「新築住宅」が「既存住宅」に対して市場取引において有利とは限りません。

「既存住宅(イグジスティングハウ ス)」に居住し、居住者が高い満足し、社会的にそこでの生活を羨ましい生活であると示すことで、需要の対処になっている。
住宅市場はこの既存住宅によってリードされることになります。・・・>

(私)下記URLの図表2を見るとよく判りますが、アメリカの既存住宅流通戸数は、新築住宅戸数の6〜7倍あります。逆に日本は、良いデータが見つかりませんでしたが、私の記憶では、中古住宅は新築の10分の1でした。非常に歪な住宅市場になっていると思われます。
 その根底にるのは、住宅と中宅地に対する間違った価値観と、儲け一辺倒の住宅産業政策だと思っております。つまり、”まちづくり”ができていないのです。日本の住宅政策・産業は、大変な国家の損失を生み続けていることになります。

http://www.jresearch.net/house/jresearch/kizon/pdf/kizon08_02.pdf

ーーーソーセージ大国・独「加工肉に発がん性」に反発広がる

 毎日新聞ニュース11/5より

<世界保健機関(WHO)の専門機関がソーセージなどの加工肉に発がん性があると発表したことに、ドイツで反発が広がっている。食肉業界だけでなく、ノーベル医学生理学賞受賞者も「ずさんだ」と批判するなど、国民食に注文を付けられたドイツ人の怒りは収まる気配がない。>

▽独:「発表ずさん」…「加工肉に発がん性」に反発広がる
http://mainichi.jp/m/?CDY4n3

ーーー平和を声高に叫ぶほど「戦争の危険が増す」のではないか。

 「人間って、戦争が好き?」。余りに考えさせられる文章なので、引用させてもらいました。HAL通信10/15「戦争と平和(その12):戦争は平和より強し?」からです。
<多くの人は「平和を望んでいる」と言いながら、「戦う」という言葉を気楽に使っている。
マスコミも、煩雑に「受験戦争」とか「選挙に出陣」とかの言葉を好んで使う。我々も、違和感なく戦争用語、軍隊用語を使っている

それに比べて「平和」という言葉は、普段はあまり使わないのではないか。いや、使うことに抵抗を覚えるのではないかとすら思う。
会社の会議で、「今度のプロジェクトは決戦であり・・」との発言を聞いても違和感はないが、「今度のプロジェクトは平和的に推進したい・・」との発言を聞いたら、どう思うであろうか。
「何を軟弱なことを言ってるんだ!」と、激の一つも飛ばしたくなるのではないか

誤解を恐れずに言わせてもらえば、私は「平和」という言葉が好きでない。
どこかうそ臭くて、偽善にしか聞こえないのである。
ビジネス社会の中で生き抜いてきたせいもあるが、自分ではまず発言しない単語である。
もし、部下が「私は平和的に仕事がしたいです」と言ったら、「バカを言うな」とまでは言わなくても、心の中で「こいつはダメなヤツだ」と烙印を押してしまうだろうと思う
しかし、だからと言って、自分自身を特殊な好戦的な人間だとは思わない。
また、そのような発言をする人を好戦的な危険な人間とも思わないもちろん「戦争」という言葉も好きではないが、「平和」よりは使っていると思う。どうして、「平和」という言葉が好きになれないのであろうか。
反対の意見の人がいたら、ぜひ意見を伺いたいと思う

高校生の時に、トルストイの「戦争と平和」を読んだ。
読後の感想は「戦争と戦争」であった。米ソで映画になった2作品は、両方とも鑑賞した。
大人になっていたので「愛情が平和のことなのか」と思ったが、「戦争」のシーンのほうがより鮮明で、戦争は人生そのものであるかのような印象を持ってしまった

イメージとして、「戦争は平和より強し」なのではないか。
しかし、その思いを強く持ち続けることが「戦争を回避する」ことに繋がり、平和を声高に叫ぶほど「戦争の危険が増す」のではないか。
孫子の言う「戦が戦を止む」も同義ではないかと思う。>

(私)HAL通信
のアーカイブスができました。
http://magazine.halsystem.co.jp
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2015年11月10日火曜日

蓼科だより・419号〜田舎暮らし情報

★ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー2015年10月31日(土)★
★テーマ:稲刈と玉ねぎ植え、信州まちづくり研究会、
産学連携支援情報、
     中国の作家と信州せいしゅん村、世界で初めて人種差別撤廃
★蓼科便りは,重農主義を尊重し、地域自給圏構築をめざします!
★ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー★


 体力増強月間のプログラム通り、今日までに稲刈と玉ねぎ植えも終りました。今年の稲刈りは、2回も予定日を変更したので、遠方からの助っ人は無しで、いつものEさんと私の長男と友人が手伝ってくれました。

 稲刈をすると今年の出来具合がよく判ります。最終的には籾にして袋の数で計らないと判らないのですが、残念ながら、昨年から新規に始めた3枚の田圃では半作だと感じました。今年から始めた1枚だけは平均値に届く感じです。トータルで昨年の収量に届かないかもしれないと心配しています。結果は脱穀の後です。

 半作の原因は、苗作りの不良と、今春農家から頂戴した2条植え田植機の調整不良、そして、補植を怠ったことだと反省しています。まあ、7年目の馴れが生んだ手抜というところでしょう、生きものは正直に反応します。

 タマネギは、ネオアースと泉州中甲高の2種類で、9月5日に種蒔きした苗約500本を、予め土づくりしマルチしてあった畝に定植しました。Eさんに手伝ったもらいましたが延べで7時間でした。凍上が心配なので少し深植えにしました。来春こそは、妻に「良くできたね」と言わせようと、有機肥料を多めに想いを込めて土作りしたので、結果が楽しみです。

ーーーNPO信州まちづくり研究会の活動から

 実は、10月23日の信濃毎日新聞に、我々NPOが提言書を出した長野県総合戦略が正式決定され発表になりました。県のホームページには全文が掲載されていますが、原案とほとんど変わっていませんでした。下段にURL。
 正直なところ、読んだ時はガッカリしました。自給圏という言葉がどこにも無かったからです。しかし、よく考えてみると、農村自給圏(スマート・テロワール)構想を言葉にするには準備が不足していているだろうと察することができますし、余りにも唐突で実証性に欠けます。

 また、発表になった決定文書のままでも、我々NPOの計画を推し進める上で矛盾しないと考え直しました。基本方針の3にある「地域資源を徹底的に活用し、地域で消費するものを地域で生産する『地消地産』の推進により地域循環経済を拡大し、人口減少下での経済活力の維持向上を図ります。」という文章があるからです。

 田圃と荒廃地と森林は地方最大の「地域資源」であり、「地域で消費するものを地域で生産する」は自給率の向上を意味し、耕畜連携、農工連携、美食革命は「地域循環経済」を意味するからです。

 問題は目標が労働生産性と就業率の向上にあることです。これが悪いというのではなく、これを置換(他所から買っている物を地域内生産物に置換える)と自給率の向上という高い目標に置き換えることだと考えます。特に輸入率が高いエネルギーと穀物類です。

 「Ⅴ施策展開」の項を見ると「(1)経済構造の転換」に、農業の競争力強化があります。そこに、農地の集積・集約化が載っていますが、余剰田圃の畑地転換には触れていませんし、想定もしていないと思います。ほとんどが輸入に頼っている穀物生産のことにも触れていません。ですから、耕畜連携も出てきません。

 しかし、我々NPOが考えていることは、県の戦略である「基本方針」には合致しています。そして戦術もほとんど合致しているように思います。違うのは戦術の中身である手段です。ですが、基本方針が合致しているのであれば、手段の変更は難しいことではないように思いますが如何でしょう。

 我々NPOの役割はこのへんに潜んでいるように思います。


ーーーうれしい「農林水産・食品分野の産学連携支援情報」

 今春5/22日、霞ヶ関ビルにて、コーネル大学アクリー教授による「信州・甲州ワインバレーを巡って」講演がありました。新品種産業化研究会(松尾雅彦会長)の主催でした。私もその視察の段取りで少しお手伝いした経緯があり、その講演にNPO理事長と二人で参加しました。
 その会場で名刺交換した農水省のIさんから、筑波産学連携支援センター(新設)のオープンセミナー(下記URL)と本人が企画・編集しているメルマガのご案内を頂きました。拡散依頼がありましたので、掲載致します。

食文化のゲートウェイ香港
~文化を越えた日本食と炊飯器の半世紀~
http://sto.affrc.go.jp/event/seminor/20151124semi

○○○ 農林水産・食品分野の産学連携支援情報 ○○○
筑波産学連携支援センター
http://sto.affrc.go.jp/
 メルマガの方に、「国立研究開発法人など、つくば市に集積する研究機関との連携や共同研究をご検討の際は、お気軽に御相談ください。」とあったので、早速本人に電話してみました。
 農村自給圏のための「実証展示圃」(実験圃場)が、独立行政法人家畜改良センター茨城牧場長野支場(佐久市駒場公園)でできないかの相談です。検討してみるので資料を送れというので、早速メール添付で内容の判るものを送信しました。
 茨城牧場は特に豚の研究が進んでいるようですので、耕畜連携には役立つのではないかと期待します。
 相談窓口 農林水産省 筑波産学連携支援センター コーディネーション推進課
        電話番号 029-838-7136

ーーー中国の作家さん、続き・信州せいしゅん村

 高田さんのメルマガから引用しました。
3. 日本のアグリツーリズムのパイオニア、小林さん宅での民泊と農業談義。
小林さんは、上記の安江さんと同じ機会、確か5年くらい前に知り合い、私のビジネスコラムも読んでいただいている方です。今回、長野県の農村を旅したいとがどこがいいかと安江さんい相談しましたら、それなら小林さんのところがいいだろうといことで改めてご紹介、連絡いただきました。

小林さんは、信州せいしゅん村(http://www.murada.com)  を運営されている方で、海外や都会からの農業体験と農家でのホームステイを受け入れる農家を組織して、運営させております。ご興味ある方はご紹介しますのでご連絡ください。

 小林さんとは、作家も交えて、夕食、朝食の時間、また、村を散歩する時に、色々と意見交換することができました。とても興味があったのは、以下のお話でした。安江さんのお話とも通じるところがあります。

(1)家族四人が、農業だけで生計を立てられないということは、いずれ農村は荒廃するということ。農村が荒廃すれば東京も存続できなくなるはず。反対に農村が豊かになれば、日本はまだまだ成長の余力があるはず。

(2)日本の農業所得に占める補助金の直接支払の割合は15.6%、米国が62.4%(販売価格は安いが、農家には生産費に見合う水準までの不足分が直接支払される。米・小麦・トウモロコシ・大豆等)、フランスが90.2%と農業大国の農家は全て政府の補助金で成り立っている。

補助金がいいことかどうか別としても、外国と比べてこれだけの差があることは、いかにもアンバランス。放ってけば、日本の農業の成長の足かせになることは明らか。TPPの話でこうしたの補助金がどのような話になっているのでしょうか、日本のメディアではそのような論点は目にしておりませんが、ご存知の方がおられたら教えていただきたいです。

もし、米国のの産物の輸出でこれだけで補助金が出続けて、それを日本が関税なしで輸入するのでしたら、それはあまりにもアンバランスですね。

ただ、中国の農業は、日本よりもっと厳しい状況に置かれているかもしれないと、中国の作家はもうしておりました。 >

(私)補助金の問題はややこしくてよく判りませんが、参考に「世界の農業補助金」で検索すると下記URLのデータが出てきました。しかし、特殊な言葉が多くて正確な意味が判りません。どなたか「PSE(Producer Support Estimate、生産者支持評価額)」の意味を教えて頂けませんか?

http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/0308.html

ーーー世界で初めて人種差別撤廃を提案

 Pride&History10/31より引用しました。

<世界で初めて人種差別撤廃を提案し、世界的に差別されていたユダヤ人をもっとも助けたのは、私たちのおじいちゃん、おばあちゃん世代の日本人です。
このような素晴らしい先人の偉業は、きちんと知るべきだと思いませんか?>

先人の偉業について詳細はこちら
http://you.prideandhistory.jp/nirk3_sp1/ 

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2015年11月2日月曜日

蓼科だより・418号〜田舎暮らし情報

★ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー2015年10月24日(土)★
★テーマ:体力増強月間、県への提言書、私と中国の作家さん、
     ロボットのような人間、
★蓼科便りは,重農主義を尊重し、地域自給圏構築をめざします!
★ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー★


 10月は長い冬に備えて、体力増強月間です。アスレチックジムは青空の田圃と畑です。プログラムは主なもので6コースあります。既に終了したのが、黒小豆収穫、ダイコン蒔き、ニンニク植。実行中が大豆の収穫と稲刈で、今月中にこなす予定がタマネギ植です。

 21日からは、刈る、運ぶ、くい打ち、架けるの全身運動となる「稲刈」。ただ、今の時期は寒暖の差が大きいせいでしょうか、朝露が多くて11時頃にならないと刈取りができないので、正味一日のトレーニングになりませんが、年間で一番ハードなプログラムです。

 1反歩(1枚)の田圃を一条刈りのバインダーで刈ると約2時間ですが、ハゼ掛けは8時間かかりました。今日は、いつものEさんとSさんという助っ人と共に2.5枚まで終らせました。明日、残りの1.5枚をこなします。何でもそうですが、仲間がいると一層楽しいですね。

 秋の陽射しでもしっかり動くと汗をビッショリかき、昼には着替え、夕方冷え込んできても身体にホテリが残ります。5時には暗くなるので、6時には晩酌して夕食。酔いが廻って眠気がさすころ、風呂に入ってちょっとうとうとすると疲れがすっかりとれます。
ーー
 秋野菜は虫がいないのでとても良くできます。ダイコンはまだ成長の最中ですが若いのを間引いて食べるととても美味しいです。コカブ、春菊も毎日食べられ、トマトは2日に一度になりましたが良い実が採れます。
 春たくさん実をつけ、たくさんジャムを作ったラズベリーが秋も少ない実をつけます。これは誰にもあげずに完熟させ、私が側を通る度につまみ食いしますが、それはすばらしい!

ーーー県への提言書(農村自給圏構想)

 前回の記事で長野県人口定着・確かな暮らし実現総合戦略への提言書をブログに掲載しますと書いたまま、すっかり遅れましたが、今日信州まちづくり研究会のブログ(下記URL)にアップロードしました。
 面白いものではありませんが、ご興味のある方はお読み下さい。農村自給圏(スマート・テロワール)構想を推進するための具体策が書かれています。

「長野県人口定着・確かな暮らし実現総合戦略」への提言

上記の文章の末尾に「スマート・テロワールの根幹」という言葉がありますが、その内容も続いてアップロードしました。

 松尾さんから頂いている情報によりますと、山形県の置賜地区では、山形大学で「実証展示圃」をやる計画が進んでいるようです。

 22日でしたが、信州まちづくり研究会の会員(私を含む3名)と佐久地方事務所の担当課3名との第一回話合いが行われました。初回だったので深く立ち入りませんでしたが、知事が公約通り、恊働を実践していることを強く感じた嬉しい会談でした。

 10月になって、折に触れて、牧場、畜産業者、味噌屋等を訪問し、自給圏構想に絡む原料や資料や販売について話をお聞きしていますが、TPPの影響による悲観的な話ばかりで、打開策は皆無といっていいでしょう。
 本を読んでもらっている方には自給圏構想の話をすると、加工原料や飼料の契約栽培に前向きな返事があり、まださわりではありますが、手応えを感じているこの頃です。ですが、「実証展示圃」による検証やゾーニングによる畑地整備が前提です。

ーーー私と中国の作家さん

 416号に「中国の作家さん」のことに触れましたが、その取材旅行をプロデュースした高田さんが私のことをご自身のメルマガに書いて下さいました。自己宣伝のようで気が引けますが、常識外れな私を知って頂くのに良いかな、と思い引用させて頂きました。

< 安江さんは、現在72歳で、もともと土木、建築、不動産開発をされていた実業家です。現在は引退されて、田んぼを借りて有機不耕起 農法で稲作をされています。私も、昨年から美味しくて安全なお米を安江さんから譲っていただいております。安江さんは、私のコラムを読んでいただいており、よく質問やご意見もいただいております。
私は、安江さんのメルマガ「蓼科便り」http://tateshinadayori2.blogspot.com/  の読者でもあります。

不耕起 農法とは、水田を耕さずに苗を植え、水を深めに(20センチ)溜めてある意味ほったらかしにして稲を育てる方法のようです。水が深いので、除草剤をまかなくとも、雑草はあまり生えないそうです。たまに出てくる雑草は手で抜けばすむ程度だそうです。化学肥料は使わず、酵素を使った有機肥料をつかっているとのことです。
結果、丈夫な稲ができ、隣にあった通常の田んぼの稲は風で倒れている稲が目立ちましたが、安江さんの稲は一つも倒れていませんでした。子供を育てるのと同じそうです。甘やかすと弱くなると。

収穫量は、通常の農法よりは少なめだけど、価格は有機米ということで通常の三倍なので、これを事業としてやれば全く採算とれるということです。安江さんは、ご家族と知人たちに配るために作っているので、これ以上大掛かりにするつもりはないようですが。

そんなに良いなら、なぜ周りに人はしないのですかと聞きましたら、ほとんどの農家は兼業農家で高齢化しているから、全く違う農法を今から取り入れようとはしないそうです。
安江さんも1年間、毎月不耕起 農法の先生のところに通って勉強したそうです。若くてやる気のある人が事業としてやるつもりなら十分有望だそうです。

安江さんは、同時に有機の畑もされており、自宅で食べる野菜の他、枝豆や小豆なども生産されています。枝豆をいただきましたが、その味の濃さ、美味しさにみな驚いておりました。玄米と黒い小豆を炊いたご飯もいただきましたが、 このご飯は70度の電子ジャーで一週間以上持つそうで、時間が経った方が味がよくなるそうです。
今回いただいたのはその日の朝炊いたものでしたが、おかずがなくともそれだけで十分美味しいものでした。

最初に、安江さんが手配してくれました地元の鯉料理の料理屋でお昼を取りながら話をしました。安江さんは、メルマガで、日本の農業と社会に対してもいろいろと提言をされている方ですので、今回、そのような話を中国の作家にも話していただきたいとお願いしておきました。

安江さんは、中国のこともよく研究されておりますので、中国も日本と同じ問題を抱えているはずだと、最初に語られ、作家もその通りだと応じておりました。そこで安江さんは、元カルビー株式会社社長の松尾雅彦氏しが書かれた「スマート・テノワール」という本を紹介してくれました。

このままでは日本の農村が消滅してしまう、もし、農村が消滅したら東京も消滅すると安江さんはおっしゃいました。その処方箋として、農村を周辺の複数の地域をまとめて自給圏を作り、農業と経済を活性化する方法をこの本は説いております。簡単にいえば以下の通りです。
(安江註:ここでスマート・テロワールの基本主張が書かれているのですが、何度も書いているので省略します。食料自給率、余剰田圃、エネルギー、雇用、出生率等)

なるほど、これは、実現できればアベノミクスの第三の矢よりもいいかもしれませんね。ただ、米国の権益ともぶつかるので高度な外交力も必要ですね。TPPとの絡みではどうなるのでしょうか。またこうした論点は、中国の農業、経済問題とも重なり、十分問題意識を共有できそうな問題です。

作家もこの話を聞いて、すぐにでも中国語に翻訳し、中国でも出版したいということで、まずは私がサマリーを作って彼に見せることにしました。

この時作家から提案があったのは、前日に話題になたマクロ経済政策ばかりでなく、日本はこのように中国にとっても参考となる経験、情報が山済みになっているので、このような日本の財産を中国に翻訳紹介するために有志で少しずつ資金を集めてファンドを作りたいということでした。
同時に、双方向で、中国の情報も日本に伝えたいということです。今後実現化する過程でみなさんにも協力をお願いするかもしれませんので、その時は宜しくお願いいたします。

その後は、安江さん水田と畑を見せていただき、安江さんのお宅で美味しい玄米と枝豆とご馳走になり、宿泊する、武石の農家、小林さんのお宅に向かいしました。・・>

(私)この後、信州せいしゅん村の小林さんのところで農村体験宿泊をされました。作家さんは奥さんと小学生くらいの子供さんを連れていましたが、良い体験になったことでしょう。次回、小林さんとの話をご紹介します。

ーーーふえている ロボットのような人間
 マニュアル人間とか、これ、実感します。http://www.kase-hideaki.co.jp/magbbs/magbbs.cgi 

(私)この数年とても気になることがあります。役人が気持ち悪い位言葉遣いが丁寧すぎて、卑屈ささえ感じます。学校の先生方が生徒に対するのもそうです。全部ではありませんが大勢を占めているように思います。へりくだるということと敬意を払うということは違います。
 全ての言葉尻に「宜しいでしょうか?」がくっつく。卑屈さが漂うその影に良くない何かがあるような気がしてならない。敬語さえ使っていれば親切しているような、責任を果たしているかのような何か・・・。

フッターーーーーーーーーーー

農村消滅論から大転換
http://shinshumachidukuri.blogspot.jp/2015/01/blog-post_17.html

「スマート・テロワール : 農村消滅論からの大転換」を読んで
http://shinshumachidukuri.blogspot.jp/2015/07/blog-post_9.html

農楽しながら「”田舎暮らし”コミュニティ」を創る
(月刊『ザ・フナイ』より)
http://shinshumachidukuri.blogspot.jp/2014/11/blog-post.html

無農薬玄(白)米の販売
http://daylanbo.blogspot.jp/2013/11/blog-post.html

農楽のすすめ!
http://tateshinadayori2.blogspot.jp/2011/08/blog-post_26.html

”田舎暮らし”動画がYoutubeに300本以上
http://jp.youtube.com/user/takasukey

メルマガ「蓼科便り」のアーカイブス
http://tateshinadayori2.blogspot.com/
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蓼科だより・417号〜田舎暮らし情報

★ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー2015年10月17日(土)★
★テーマ:稲刈り、放棄農地、NPOの臨時総会、松尾さんのTPP論、
     HAL通信のアーカイブス
★蓼科便りは,重農主義を尊重し、地域自給圏構築をめざします!
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 明日の予定をしていた稲刈りが今日の雨で又延期になってしまいました。3週続いて土曜の雨です。ハゼ掛けの天日干しの場合は、やはり乾いた稲を刈り取りたいで2日ほど待つことに決めました。

 この辺りの稲刈りの様子を見ると、やはりハゼ掛けが目立ちます。ということは、ほとんどが自家用米田ということです。量産しているのであれば、とてもこんな手のかかることはやっていられない筈です。
 コンバインで刈り取られているところは、大規模にやっている人か、年でできなくなってしまった人の田圃でしょう。8割くらいは刈取りが終っています。今年も私が一番最期になるかも・・・。
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 私の家の周辺に広がる中山間地と呼ばれる、田圃が小さくて土手が高くて草刈りが大変な地域の深刻なお話をひとつ。
 そんな田圃を8枚ほど借りて稲作りをしていた専業農家が、昨年限りで耕作をやめ一括返済してしまいました。全部では10町歩(ヘクタール)以上やってる米づくり専業農家です。問題なのはその後借り手がいないことです。このような状況が地域全体にじわじわと広がっています。

 放置したらどうなるのか考えてみました。草が生い茂り、3年も経つと木が育ち始め、10年もすると林になり、20年もすると森になるでしょう。しかし、田圃は湿気るために良い木が育たないし、切り出そうにも土手が作業効率を落とします。まず使い物にならないと思います。
 どうしょうもない、手の付けられない荒廃森林になってしまうと思います。

 なぜ、こうなってしまったのか、責任はどこにあるのか、解決するにはどうするべきかを考えますが、この原因と責任をその地主個人に持っていくことには無理があるように思います。宅地の活用と違って、農地や森林の活用は、一個人の判断を越えた国家的・地域的制約に左右されるからです。

 今回のTPPなど良い例です。そう考えると国の農業政策に90%の責任があると言えると思います。しかし、過去を批判してもことは解決しませんし、ありがたいことに、この問題を解決する方法を提示してくださった方がいます。後述します。
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 今年の一大事業だったペンキ塗りが終ったことを書き忘れていました。6月に始めて、終ったのは今月の6日でした。塗り終わって、少し離れた場所からピカピカに光る柿色の屋根を見た時、よくやった、と自分を誉めてやりました。
 アカシアの花が散る時期と農繁期と真夏は避けて、断続的にですが平均90分くらいで35日ほどかかりました。実は今の時期は落葉が降り始めたのでダメです。ですから良いタイミングで終りました。初挑戦でしたが、無理しないでやりましたので楽しい仕事でした。
 何よりも、ペンキ屋の見積りと照らしてみると、自分の時間給を2000円で計算しても3分の1ほどだったのが嬉しいです。その上、私は無給ですから、自分でやれば如何に安くできるかが判り驚いています。
 空いてる時間を活用して新しい何かをやる時は、手間の原価はゼロだよ、とは付加価値経営の基本だったことを思い出しました。松尾さんは農業の経営改善の話の中で、よくこのことを仰っいます。今やってる仕事の能率をあげて余暇を作り、その余暇で新規事業をはじめれば、その労務費はゼロになる、と。

ーーーNPO法人信州まちづくり研究会の臨時総会開催

 春の通常総会では具体的に提示できなかった新規事業計画ができたので、意思確認と体制づくりのために開きました。その事業名は「東信スマート・テロワール研究会を立ち上げる」です。
 「スマート・テロワール」(自給圏構想)の意味につきましては、以前にもご紹介しましたが、このメルマガのフッターに二つの紹介記事(農村消滅論から大転換、「スマート・テロワール : 農村消滅論からの大転換」を読んで)を添付していますのでお読み下さい。

 目的は、「スマート・テロワール」(自給圏構想)の考え方を東信地区の住民の皆さんに知ってもらい、実現に向かっての活動を推進するためです。
 なぜ、こんなことをするのか、何の得があるの、と疑問を持たれるでしょう。こういうことを考え始めた原因は、上述した放棄農地の拡大であり、明確な地域の衰退であり、消滅の危機です。私はこの現実を大勢の人に確認しましたが、皆異口同音に危機を訴えていました。しかし、対案はどなたにもありませんでした。

 どうしたら良いのか策が見つからず考え続けていた時、この課題を解く仮説が書かれた2つの著書を知りました。一つは昨秋発刊された「スマート・テロワール」(松尾雅彦著)で、他の一つはその30年前に発行された「発展する地域 衰退する地域」(ジェイン・ジェイコブズ著)です。

 今までに、当NPOで本「スマート・テロワール」を150冊ほど販売しました。多くの賛同者を得、20名ほど入会をしてくれました。NPOの会員達は、この考え方に則り、東信スマート・テロワール研究会を立ち上げる事業計画に賛同しました。これで、本格的にスタートすることになります。

 折しも、今週始め、先の阿部長野県知事とのランチミーティングで、知事が約束してくれたこの課題の担当者が決まりました。佐久地方事務所の職員です。来週、第一回の打合せをすることになりました。そして、佐久広域連合長柳田佐久市長も協力方法を検討して下さっています。

 私が言うのはおかしいのですが、それにしても、会員の皆さんはよく、このような雲を掴むような話のために遠くから来て下さるな、と感心しています。一円の得にもならない話です。お金に裕福な人はいませんが(失礼!)心の豊な人達ばかりです。

 「NPOは奉仕活動団体じゃいけないんだ」と会員の一人も言います。その通りです。しかし、ない袖はふれないし、お金にならななければやらないという会員もいないのが不思議です。
 一方で、今日決まった資金計画では、当NPOにしては大金の賛助会員(寄付)をお願いしなければなりません。このメルマガ紙面を使って読者の皆さんにお願いすることも考えております。ご迷惑な話ですが、その時は耳と懐を傾けて下さい。宜しくお願い申し上げます。

 去る15日、長野県知事に、パブリックコメントを募集していた「長野県人口定着・確かな暮らし実現総合戦略」について、提言書を提出しました。
 選択したテーマは、基本目標の③「地域の資源・人材を活かした産業構造を構築することにより、仕事と収入を確保します。」です。やはり「スマート・テロワール」の考えを軸に様々に展開しました。衰退からの脱却はこれしかないと考えています。
 この提言書は明日、下記ブログに掲載致します。県も後日公開することになっているようです。

ーーー松尾さんのTPP論

 安江さん、TPPの参加国を見てください。農村のないシンガポールと日本だけが食料輸入国です。他の国は「食料の輸出で生きている国」ばかりですから、手玉に取られています。また、工業国は見当たりません。工業製品の輸出を増やすためには犠牲者は避けられません。

 重商主義の定めです。自由貿易は、既に限界が出ています。EUの「共通農業政策」が参考になります。米国はそれに手を焼いているのです。産地認証制がEUの得意技です。米国には見るべき地域ブランドはありません。(米国ブランドはワインぐらいです)

 日本の主要食糧は、コメ以外自給率は15%そこら、輸入が85%ですから、輸入を1割増加すると自給率は15%は、6,5%に落ちますから、その低下を10年位に緩和措置を講じますが農業を破壊することには変わりはありません。
 彼らの計算(上から目線)では、農業分野は1,5%産業ですから、お金で片を付けるつもりか、大企業の農村進出を推進するのでしょう。スマート・テロワールは、1,5%を15兆円上積みし、23兆円にすれば5%の産業になります。
ーーーHAL通信のアーカイブスができました!

 安中さん、待ってました。おめでとうございます。
 皆さんも、早速開いて見てください。


フッターーーーーーーーーーー

農村消滅論から大転換
http://shinshumachidukuri.blogspot.jp/2015/01/blog-post_17.html

「スマート・テロワール : 農村消滅論からの大転換」を読んで
http://shinshumachidukuri.blogspot.jp/2015/07/blog-post_9.html

農楽しながら「”田舎暮らし”コミュニティ」を創る
(月刊『ザ・フナイ』より)
http://shinshumachidukuri.blogspot.jp/2014/11/blog-post.html

無農薬玄(白)米の販売
http://daylanbo.blogspot.jp/2013/11/blog-post.html

農楽のすすめ!
http://tateshinadayori2.blogspot.jp/2011/08/blog-post_26.html

”田舎暮らし”動画がYoutubeに300本以上
http://jp.youtube.com/user/takasukey

メルマガ「蓼科便り」のアーカイブス
http://tateshinadayori2.blogspot.com/
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