2023年12月11日月曜日

日本が「使えるお金」は世界何位? 家計や企業などの可処分所得を国際比較

 今、経済の低迷が問題になっています。

私達の使えるお金はどうなっているのでしょうか?

考えさせられる記事・データを見つけました。

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裕福な高齢世代はもっと負担を

(文藝春秋 2023年12月号「緊急提言 日本の危機の本質」より抜粋)

 日本の借金は、世界でも群を抜いている。GDPの250%に達する債務残高は、G7でも突出したビリだ。世界の優等生、ドイツの債務残高はGDPの60%程度。仮に日本がヨーロッパの共通通貨(ユーロ)に参加しようと思っても、借金が多すぎて参加基準を満たさない。ドイツ人に言わせると、日本はヨーロッパ基準では全く信用に値しないのだ。

 一方で、国民負担率の国際比較をすれば、日本は高くはない。OECD加盟国の中では低い方の部類で約48%。ドイツは54%、フランスは70%だ。

 しかし、いくら国民負担率が低いといっても、若者世代にこれ以上の負担を求めることは厳しい。せっかく稼いだ給料も、既に保険料や税金で結構引かれているのだ。いわゆる可処分所得の水準は、昭和や平成初期とは異なる。欧州委員会が出した国際比較を見ると、2000年の水準を各国100として比較した場合、日本の可処分所得は、1980年代は欧米を上回っていたのが、2020年になると、米国は日本の2.5倍以上、欧州は1.5倍以上の水準になっている。若い世代の負担感が大きいのは当然だ。反対に高齢世代が若い頃の負担は、実はそれほどでもなかったとも言える。

 さらに、現在の高齢世代の状況はどうか。高齢世代を見るには所得ではなく資産を見る必要がある。日本の金融資産は約2000兆円に上るが、この約6割が60代以上の高齢世代に集中している。加えて高齢世代は住宅資産も持っている。日本の資産が高齢世代に偏っていることは明らかだ。もちろん個々の高齢者には、資産も少ないうえに年金も十分ではない人もいる。メディアは選挙前ともなるとそういう人の苦しい話を取り上げて政権批判を煽る。しかし、世代間バランスを公平に見れば、日本の高齢者は明らかに裕福なのだ。そんなところで政権批判をしても本質を見誤るだけだ。

 つまるところ、国際比較で日本の国民負担が低くなっている理由は高齢者だ。社会保障費であろうが防衛費であろうが、必要な財源は、高齢世代がもっと負担しなければならないのだ。


可処分所得の平均値の国際比較

難しい専門用語があります。

・可処分所得:総所得から税・社会保険料を控除したもの。
・等価可処分所得(再分配後):世帯の可処分所得を世帯員数の平方根で除して
 調整したもの(医療・介護・教育等の現物給付は含まない)

MONOist のホームページからです。https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2308/09/news003.html


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