2013年12月29日日曜日

蓼科だより・324号〜田舎暮らし情報

★ーーーーーーーーーーーーーーーー2013年12月28日(土)★
★テーマ:モーツァルトと東山魁夷,二人の青年,
猪瀬都知事の辞任,
     自由のない国の悲劇,中国の外交,韓国の歴史認識
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 朝晩,めっきり寒くなりました。日中は10℃位になるものの朝はマイナス5℃前後です。立科町のスキー場のある白樺高原では既に数回積雪がありましたが,我家の辺りでは日陰にちょこっとあるだけです。
 この20年ばかりこんな年末が続いています。正月に雨が降ったことも何回かあります。

 今年の農楽の締めくくりはすっきりしたものになりませんでした。
 お返しする田圃の復旧作業にほぼ1ヶ月かかってしまいました。そのための作業,つまり小屋の移転,ハウスの解体,測量,土の搬出等を,部分的にシルバー人材センターに助っ人を求めたもののほとんどの作業をひとりでこなしました。
 お金がないのが一番の原因ですが,建設業で育ったのでおかげで建物や土をいじることはオテノモノです。

ーーモーツァルトと東山魁夷
 もう10年にもなるでしょうか,毎年モーツァルトカレンダーを送ってくれる横浜の友人がいます。私もモーツァルトは大好きなので,机の脇に架けて愛用しています。
 複写はがきが入っていて今年のには次のような感動的な文章がありました。

< 東山魁夷の「緑響く」は,モーツァルトのピアノ協奏曲第23番イ長調K488の第2楽章から思い浮かんだ作品とのことです。この作品以後,白い馬が小さく見える風景が次々と浮かび18点の風景画による「白い馬が見える風景」の連作が生まれました。
 絵の中の白い馬について,東山魁夷は「自分自身の『心の祈り』というべきものであろうか」と語っています。
 さて,来年の干支の午は,どんな『心の祈り』を運んできてくれることか?>


(私)長野市には,晩年東山魁夷自身が作品を寄贈したことによって造られた東山魁夷館が,善光寺に隣接する城山公園内にあります。私も数回訪ねたことがあります。上記の「緑響く」もあります。
 何とも言えぬ静かで美しい自然の中に,小さく描かれた真っ白な馬がいる絵は深く心を鎮めてくれます。こんな謂れがあるとは知りませんでした。天才芸術家同士の共感共鳴の世界なんでしょうか。
 下記URLから全貯蔵作品を見ることができます。検索し写真をクリックしていくとどんどん画像が大きくなり,実にみごとです!

http://www.npsam.com/about/museum_kaii.php
ーー温泉であった二人の青年! 先週でしたが,近くの温泉に行き露天に入った時,逞しく感じの良い20台半ばと思える青年が二人入っていて,とても楽しい会話ができました。一人は佐久市出身でもう一人は東京でしたが,二人とも大道芸人(今はパフォーマーと言うのでしょうか)になるのだと言ってました。
 彼らは15ヶ国以上世界を回ってきたそうです。二人が一番強調していたのは,「自主自立の大切さ」と「世界を見てくると,日本のすばらしさが良く判ります。日本は本当にすばらしい国です」ということでした。
 もちろん彼らも日本に悪いところがないとか全てがすばらしいなどとは思っていないでしょうが,総体的に見ればということだと思います。私もそれは全く同感です。
 東南アジアを廻っている時,日本に対する感謝の言葉「日本がヨーロッパの宗主国を追い出してくれた」を聞いて感激したとも言ってました。

 大道芸人で身を立てるということは並大抵のことではないと思いますが,彼らはしっかりした社会認識と自分の考えを持ち堂々としていて実に頼もしく感じました。
 こんなすてきな青年に遭遇して世の中が明るくなりました。やはり全うな世界観を身につけるには,世界を体験することが必須のように感じます。

 私は務めてテレビを見る時はワールドニュースやワールドウェーブを見ることにしていますが,世界は戦争と殺戮とまともに日常生活ができない人々で満ちています。
 日本では平和が当たり前になっていることは悪いことではありませんが,世界ではそれは例外的な現実であることを認識した上で,平和を実現してくれている様々な力と努力に感謝しながら生活しなければと思っています。

ーーーーー猪瀬都知事の辞任

 12/19日午前,猪瀬都知事が遂に辞職しました。長野市出身ということもあり,すばらしい著書も数多く,正義感と情熱を持って行政改革に携わってきた人であり,期待していたのに本当に残念です。
 あれほどの才覚と情熱を持った人をして,お金に負けたのかと,つくづくお金の魔力は恐ろしいと思いました。

 最近の南京事件を扱っているブログに,猪瀬氏の著書「昭和16年夏の敗戦」の記述にいい加減な間違いがあると指摘されていました。
 こうなるとあることないことが堰をついて出てきて,元々そういう人間だった,なんてことになるのでしょう。傲慢で憤懣やるかたなしの人物などとも言われています。

 弁護する何物もありませんが,極端に持ち上げたり落としたりは良くないと思っています。どんな人間にだって良いところも悪いところもあると思っています。
 マスコミの書き方も,良くも悪くも短絡的な偏向が多過ぎるように感じています。

ーーーーー自由のない国の悲劇

 共産主義も社会主義もその他の独裁も,自由を大きく制限した思想と社会制度による点において全体主義のひとつだと思っています。北朝鮮と中国は言うまでもなく,自由・資本主義への転換後のロシアも未だにそこから抜け出せていないように見えます。

 素人の論ですが,全体主義というのは非常時の思想と体制であって,国の発展と国民の幸福の増進のためにはマイナスの主義だと思っています。その一番の理由は,構成員ひとり一人の自由を奪ってしまっているからだと思います。
 人はあらゆる場面で,自分で何をするか判断し行動していますが,その判断の時に自分の意思で決められるかどうかが全体主義と自由主義の分かれ目だと思います。
 自由がなくなり,体制に逆らえば命さえも危ない状況に置かれた国民がとる行動は,ひたすら保身であり,そのためには社会正義など吹っ飛んでしまい,統治機構は保身の虚偽情報で固められ機能しなくなるのではないでしょうか。
 中国の大気汚染問題や食品の安全問題などはその象徴だと思います。政府にまともな情報が届かず,コントロール不能になっているように思えます。毛沢東にすがるしかないようです。下記産経のロシアについての論説もその証明です。下記のような衝撃的な記述があります。
<ロシアでジャーナリストが客観的な報道に従事するのは命がけだといってよい。実際、過去20年間で341人の記者が殺害され、いまだに1人の犯人も捕まっていない。>
【正論】露ノーボスチ通信が消えた日 北海道大学名誉教授・木村汎
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131218/erp13121803090001-n1.htm

ーーーーー中国の外交は未熟!

 アクアビジネスコンサルティング高田勝巳氏より”なるほど”の中国論を頂きました。

<1.前回のコラム「防空識別圏の騒動をみていて感じること。」についての読者からの反応について
 前回のコラムについて、読者から以下のご意見をいただきましたので、ご参考までに共有させていただきます。

(1)貿易会社社長(日本人):
1)尖閣問題については、中国側の海洋権益のための野心という一面もあるとは思うが、中国人がなぜそこまで感情的になるかということに関しては、日本人として考えるべき点があると思う。
2)私は、日本を取り巻く現在の国際社会は、日本の敗戦という事実を前提、又出発点として成り立っていることだと考えている。
3)しかしながら、日本は敗戦といわず終戦という言葉を使うことからも垣間見れるが、敗戦という事実を忘れてしまっているかのような、政治家の発言、行為が目立つので、それに対して、反発する気持ちがあるのではないかと考えている。
 この点においては、米国も認識を中国と共有しているはずで、日本はその辺の自分のポジションを見極めながら、自国を律してゆく必要があると思う。

(高田のコメント)同感です。私が、日本側のより成熟した歴史観の確立が必要と考えるのも、同じ観点であると思います。
 中国も、最近は海洋権益のための野心の部分が多く感じられますが、日本との摩擦を避けたいとの考えも同時に持ち合わせており、

 有名なウラジオスットックでの胡錦涛主席と野田首相の立ち話で、主席が尖閣の国営化を踏みとどまるように求めたとされるのも、善意に解釈すれば、それをやったら、中国国内の歯止めが利かなくなるから頼むからやめておいてくれ、という訴えであったとも考えられます。
 日本のテレビ映像で見たその時の胡主席の真摯な表情がいまでも印象に残っています。


(2)欧米での留学経験のあるコンサルタント(中国人):
1)高田も日本も中国外交の本質がよく分かっていない。
2)高田は、中国は外交上手というが、自分からみると、中国の外交はまだ未熟で、現代外交の本質、妙をまた完全に習得していない(中国の最初の外交官は軍人でソ連に行って一般的な外交儀礼を学んだ程度で現在の外交官もそれと大して変わりない)。
 したがって、中国の対外的な動きに対し、一つ一つ几帳面に反応する必要はない。

3)防空識別圏の問題も同じで、日本として一番よい対応のしかたは、反応しないこと。いったん出した以上、引っ込めることはできないが、反応すれば反応するほど、頑なになって動きにくくなる。
 反応しなければ、その内、みなの意識が薄まってきて、中国が自分なりに落としどころを見つけてくるもの。日本が国会で決議までするのは逆効果。

4)また、そもそも、防空識別圏は領空の外に設けるもの。尖閣諸島が防空識別圏の中にはいることは、暗に自分の領空でないと求めることになってしまい、尖閣諸島を自己の領土とする主張と矛盾してしまうということを、指摘している中国の識者もいる。
 そもそも、その程度のものだから、日本は必要以上に反応しないほうがいい。

(高田のコメント)なるほど、そういう見方もありますか。
(私)こういう考え方もあるんですね。神界では真実はひとつなんでしょうが,人間界では人(国)の数だけ真実があるように私には思えます。その中で真実を確立するものは他を圧倒する軍事力を持った国ということになるのでしょうか。

 このパワーゲームに人間の理性と叡智が働くことを真面目に願っていますが,日本から非武装中立論が消えてしまった状況を考えると,軍事力の方に軍配を上げる人が多いように思えます。
 65年前のことですが,「太平洋戦争の真実」を決めたのは東京裁判であり,圧倒的な軍事勝者であるアメリカでした。しかし,時代は明らかに違ってきているように感じます。65年前のやり方が今後も続くとは思えないところに希望をつなぎます。

ーーーーー韓国の歴史認識の怪!

 HAL通信12/16より引用します。

< 韓国は、日本に「正しい歴史認識を」と執拗に要求する。大統領に至っては、無関係なヨーロッパ諸国との首脳会談でも、この告げ口外交を繰り広げる。いささか異常である。

 では、韓国がいう「正しい歴史認識」とは何なのか。一言で言えば、自己に都合の良いように過去を粉飾した「韓国の韓国による韓国のための歴史」なのである。
 韓国の日本非難を聞いていて、いつも奇異に感じることがある。それは、「韓国は第二次世界大戦の戦勝国」という言い方である。たしかに韓国は、戦後、日本から独立して国家となった。しかし、それは米英ソ中(蒋介石の中華民国)のヤルタ会談で決めたことである。(ヤルタ会談は記録を残さなかったので、公式文書はない)
 その後、ポツダム宣言を経てサンフランシスコ講和条約で、正式に独立が決まった。それを、韓国の教育では「日本に対する独立戦争」で独立を勝ち取ったと教えている。「どこでそんな戦争があった?」なのだが、韓国の学校ではそう教えている。

 韓国が、自らを「戦勝国」の列に加えているのは、この「ありもしない歴史」が根拠なのである。韓国が教科書で教えている「大韓民国臨時政府」なるものは、中国・上海に確かに存在はしていた。しかし、その臨時政府を承認した国は一国もなく、資金支援していた当時の中華民国(蒋介石総統)ですら政府として承認していなかった。

 当然、ヤルタ会談にもポツダム宣言にも加わっていない。この臨時政府なるものを「戦勝国」に加える歴史は、韓国以外に全く存在していない。これを「正しい歴史認識」というのであろうか。
 こうした歴史認識の延長線上で、日本に「慰安婦問題」を認めろと要求し、諸外国に触れ回っているのである。>

(私)今年も一年お読み頂きありがとうございました。
   良いお年をお迎え下さい。

フッターーーーーーーーー
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http://daylanbo.blogspot.jp/2013/11/blog-post.html

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農楽のすすめ!
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