2011年9月11日日曜日

蓼科だより・204号〜田舎暮らし情報

★ーーーーーーーーーーーーーーーーー2011年9月10日(土)★
★今回のテーマ: 農地法の怪!つづき
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 9月に入ったあたりから蓼科の里は,キリギリスとコオロギの声が小さくなり,澄んだスズムシの音が草むらを支配しています。やはり,スズムシの音は一番です!だから虫の音は”秋”なんですね。
12号が去った後,天気が続いて久しぶりに畑に水やりしました。ダイコンとタマネギの発芽が順調です。稲の熟成がイマイチで,まだ黄金色にならないのが気になります。盆すぎの低温と長雨が影響しているのだと思います。
台風12号の影響で,和歌山県の南東の地域で,5日間で1800ミリの雨を記録とテレビで放映していました。1日に360ミリです。こんな雨,想像がつきません。
私が住んでいる信州東信地域は日本でも最も雨の少ない地域で,年間に1200ミリ前後です。たった5日間でこの1.5年分です。たまったもんじゃありません!それこそ想定外ですね!
100人以上の犠牲者と報じられていました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
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 もう一回農地法について書きます。メル友から「農家の相続も同じですか?」という質問を受けました。実は,農家の子供は農家の資格があるということで,面積制限がありません。
 たの産業にはこのような差別はありませんが,やはり食に関する産業だというので特別扱いになったのだと思います。
しかし,配給はとうの昔に終り,農地を特別扱いする時代は終ったのではないでしょうか。
私は農村にいます。約8000人の町に,指で数えられる程の専業農家はありますが,2000戸以上あると思われる農家の90%以上が兼業です。役場・農協か通勤可能範囲の会社に勤務して給料を稼ぎ,土日と朝晩に作業するのです。

家庭菜園と言ってもいい人が大部分です。しかも面積が過小なのに機械を使い,売上はほとんどないので赤字になります。ですが,その経費は所得から控除されるので赤字になっても苦にならない仕組みになっているのです。経費を一切認められないサラリーマンがこのことを知ったら何と思うでしょうか。
 そういう農家の子供達は農業をやったことがない人が大半です。基本的に務めていれば他のことをやる時間はありません。少し前までは田植と稲刈りくらいは手伝ったものですが,今はその手伝いも,大型機械の導入或いはレンタルで,半日もかからずに片付いてしまいます。農業を全く知らない子供達がほとんどです。
片や,非常に稀ではありますが,農業をやりたいと思っている非農家(サラリーマン)がいます。”田舎暮らし”にきて家庭菜園を持ちたい人もいます。その人達は前回書きましたように5000m2の農地を一度に取得或いは借りなければ農に従事することができません。全く非現実的だと断言できます。
ここで考えて頂きたいのです。農家に育ったけど農業を知らずやる気もない人と,農家ではないけれどもやる気の人と,どちらが農業と農地を守ってくれるのかということです。
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 前回300坪の畑を買ったけれども登記ができないで困っているという話を書きました。ですが,その方はその畑を使っています。実は法律違反です。しかし農業委員会も町当局も見ぬ振りをしています。こんな人は全国至る所にいると思います。
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もっと根本的な問題があります。農地法で5000m2の制限をしながら,一方において特区申請をすれば1000m2まで下げられると言ってます。
また,サラリーマンが家庭菜園もできないなんておかしいじゃないか,という批判をかわすために「市民農園法」とか「特別農地貸付法」という法律をつくり,所有はできませんが使えるようにしました。農地は50〜150m2に分割できます。
 それらの法律により,立科町にもクラインガルテン15戸があります。しかし,基本的に自治体と農協しかできない仕組みになっています。民間でもできることにはなっていますが,実質的にできないようにややこしくできているのです。つまり民間にはやらせないが,役所がやるのであればどんなに小さくしても良いとなっているのです。
これって,おかしくないでしょうか。見て見ぬ振りをしたり,1000m2でも良い,50m2でも良い,というのであれば,何故5000m2の制限を廃止しないのでしょうか。これを”怪”と言いたいのです。
この農地法と市民農園法のために,地方・中央で,書類を机に積み上げてどれだけ大勢の役人が飯を食っていることか,全く不毛だと思えてなりません。誰のための農地法なのでしょうか。
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農水省のホームページで「2010年世界農林業センサス結果」(下記URL:5年前との比較)を見ました。北海道では30ha以上の農家が増えており,100ha以上などは28.7%も伸びています。30ha未満は減り続けています。
それを,都道府県で見ると,5ha以上が伸びており,30ha以上は142%も述びています。要は,零細農家(農業とは言えない家庭菜園クラス)は減り続け,大規模農家が猛烈に増えているのです。これって,良いことではないでしょうか。
農水省は農業就労人口減を問題視していますが,零細農家が減り大規模が増えている訳ですから当然の流れです。しかも,世界的に見るとまだまだ就労人口が多すぎるのです。(浅川芳裕氏の主張)

田舎の耕作放棄地も,昔の使い勝手の悪い小さな工場と同じで,効率が悪すぎて使えない土地なのです。(これも浅川氏の主張であり,私もそう思っています)
 つまり,我々は農水省の大本営発表で騙され続けているように思います。ですから,上記のような内容を農水省はニュースや解説で流していないように思います(調査していませんが)。ホームページには載っていますが,一般の人はそこまで見ないのではないでしょうか。

 農水省は,いろんな規制をかけている理由に,大規模農家の育成をあげていますが,わたしは詭弁だと思っています。
工業,商業でそのような政策をとったことはありません。しかし,世界のトヨタ,世界のセブンイレブンを生みました。政府がやったことは規制を外しただけです。
農業は,ロシアと中国で失敗した統制農業をやっているから伸びないだけだと思っています。農水省が一切の干渉をやめて,現在使っている予算を本当の農業振興に使えば,たちまち世界一の農業国になるのではないでしょうか。
誤解を恐れずに言えば,農業も産業の一つであり,経済原理は他の産業と同じだと思います。
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今回,原発問題も溜まっていて添付したかったのですが,長くなってしまったので次回に致します。一つだけ,ハルシステム設計ホームページに下記シリーズが掲載されました。
第17回 福島第一原発の原子炉事故を考える(繁栄か滅亡か3)
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<わたしのサイト>・リンクを貼って頂けませんか?
田舎暮らし情報館(蓼科より): http://tateshinadayori2.blogspot.com/
田舎暮らし動画: http://jp.youtube.com/user/takasukey
  「夏の蓼科牧場」をアップロードしました。
186号以前のアーカイブス: http://archive.mag2.com/0000200505/index.html


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