2015年3月29日日曜日

蓼科だより・388号〜田舎暮らし情報

★ーーーーーーーーーーーーーーーー2015年3月28日(土)★
★テーマ:籾の播種、「スマート・テロワール」、玄米給食、

     「まいみその」、
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 春の重要な作業のひとつである籾の播種(はしゅ)が、昨日無事終了しました。
 私にとっては7回目の米づくりですが、苗箱への播種は初めてなのであれこれと気をもみました。成苗用の播種機はいつもの米づくり先輩Mさんが貸して下さり、私の家まで1トントラックで運んでくれました。

 私の稲作り設計は、1坪当50株(一般は60株)とし、1株当の植付け本数は2本(一般は5本)としました。種籾の表面は乾燥させ、中は湿潤状態の籾を苗箱1枚に約70グラムで計算し、余裕を50%持たせると、1反部当り15枚となり、今年は3反歩(30アール)なので、45枚作りました。
 今年は初めてなので、かなり余裕を持たせましたが、慣行農法の半分以下の苗数でOKです。過去の経験から言って、収量は大差ありません。

 仲間がいる、中でも本物農業を目指す農業者がいるということは本当にありがたく心強いことだと、つくづく思いました。資機材は何でも持っているし、何よりもノウハウが現実的です。
 Mさんは本物農業者で、息子さんが本気で取組んでいます。そこに農楽の私と、一昨年当町に移り住み私の仲間になってくれたEさんと、やはり佐久市に移住してきた20代の青年が加わりました。皆不耕起栽培に取組んでいる仲間です。

 昨日作った苗箱数は、私が45枚、佐久市の青年が100枚、合計145枚でしたが、楽しみながらゆっくりやって午前中に終りました。馴れれば、4人で1時間の仕事です。
 これだけの種籾が実れば、約100人の1年分のお米が採れます。(日本人平均の米消費量から)
 妻の力作カレーライスで美味しく昼食。
 午後はEさんと二人で、昨年まで水苗代をやった苗間を、箱育苗用に環境整備をやり直して45箱を設置し、サーモスタットを取り付け、温床線のスイッチをオン。続いて保温用のトンネルを作り作業完了。
ーー
 一昨日、26日は私にとって記念すべき日になりました。現役時代から長年お世話になっているM社長さんが、私が最大の関心を寄せている「スマート・テロワール」(フランス語で「自給圏」の意)の著者、前カルビー株式会社社長(現相談役)松尾雅彦氏に引き合わせて下さったのです。

 M社長と私は、茅野駅前のすてきな美術館内の瀟洒なレストランで、昼食をとりながら、2時間ばかりお話しさせて頂くことができました。松尾相談役は、前日南信地区で講演があったそうで、その帰りに時間を作って下さいました。
 開口一番「あの本のどんなところに関心を持ちましたか?」と聞かれました。
 「農地のゾーニングによる米作と畑作と牧畜の均衡のとれた農地再編です」と答えました。
 「次には?」と聞かれ、
 「自給圏の構築による地域の自立と振興です」と答えました。
 更に、「真善美を目指すべきだとありましたので、立科町を『日本で最も美しい村』に加入できればと考えています」と申しあげました。

 私が一番お聞きしたかったのは官僚・政治論でした。次の質問をしました。
 「農地のゾーニングと水田の畑地転換は、且つての農業構造改善事業(水田整備)に匹敵する大事業になると思います。困ったことに、この提案は自民党と農水省が営々と行ってきた日本農業を水田整備によって立て直すという根本政策の半分を否定することになります。
 果して、自民党に、自分の過去の政策を否定するようなことができるでしょうか?」
 このお答えは控えさせて頂きますが、要旨は次の通りです。
 「この構想の基本は地方の自立です。政治も国(官僚)も頼ってはいけません。自力でやるのです。まず、近しい5〜6人で始めるのです。」とのことでした。

 考えてみれば、地方自立の体制をつくるのに中央の力を借りるというのは矛盾しています。本の中にも、福沢諭吉の「独立自尊」「自主自立」のことが書かれていました。ですが、非常にシンドそうですね。
 しかし、日本各地で既に立ち上がっている町村がありますが、確かに自主自立しています。

 現実的に考えてみますと、圃場整備の済んでいる田んぼは、水路と農道は既にできていますから、畑にするには耕土を剥いで、土手を崩すだけですから、ブルドーザーの作業だけですので、それほど費用がかからないかも知れません。
 関係者が団結して立ち上がり、町村独自の補助金か融資制度を作れば可能だろうと思います。生き残るためというような悲愴な想いではなく、発展生成のために進めるべきではないでしょうか。問題は、工事費より、そこまで辿り着く合意作りと団結だと思います。

 この本の提案は、坂本龍馬の「船中八策」に相当するのではないかと思っています。米づくり、瑞穂の国体制の造り変える農業の平成維新だと感じています。明治維新が必要だったように、衰退の一途にある農業の維新を行わなければ日本の将来の姿が描けないのではないでしょうか。

 著書「スマート・テロワール」にサインを頂きました。松尾様にお会いできたことは、一生の記念になると思います。 
 M社長さん、本当にありがとうございました。

 関連ですが、日経ニュースメール3/23にすてきな情報がありました。書き出し部分を下に転載します。下段にURL。

<『住みやすい町、日本一 「究極の地方創成」はこれだ!』
 名古屋市に隣接する愛知県長久手市。人口5万人の一見何の変哲もないベッドタウンだが、「快適度」「子育てがしやすい」といった各種調査で「日本一」に輝き、今も人口流入が続いている。
人口減によって、2040年には日本の半数の自治体に消滅の恐れがあると指摘されるなか、長久手市は何が違うのか。日経電子版は創刊5周年企画として、地方創生の解を探ろうと長久手市を取材した。そこでは地方自治の常識を覆すような取り組みが繰り広げられていた。

http://mxt.nikkei.com/?4_33503_1238287_1 >


(私)この文章の中に、次のような言葉があります。
 「地方自治は民主主義の学校と言われるが、市民に力がないと成り立たない」

 地方自治は、国の問題でも政治の問題でもないということ。裏返せば、国が悪い、政治が悪いと言って、つい他人のせいにしてしまいますが、そんな市町村では自立できないということになるのでしょうか。とは言っても、厳しいですね。・・・しかし、他に道はあるのでしょうか。
 誰かが助けに来てくれるのは待ち続けるのか、それとも自ら立ち上がるか・・・・
 そもそも国がくれる「自治」ってあるのでしょうか?

 安中さんがこの問題に関連して次のコメントを下さいました。
<・・故郷新潟の農業の現実を見ていると、安江さんが書かれているとおりの状況です。全くの私の私見ですが、日本人の大半は、農業=米作りの意識しかないのだと思います。そして、この意識は、江戸時代、侍の俸給が米で支払われていたことに由来するのだと思います。

「加賀百万石」の百万石の中身は、全て”コメ”であり、野菜などの収穫高は入っていないのではないでしょうか。結果、国民の意識にも、「コメだけが農業」が刷り込まれてしまっていて、未だに解けない呪縛になっているのだと思います。農政を法律から変えない限り、この呪縛から抜けられない気がします。>

ーーー玄米給食を実践している保育園!

 致知出版社の「人間力メルマガ」より転載致します。下段URLの「保育実践内容」をご覧ください。抜粋は「致知」に連載されたこの園長さんの文章です。

< 昭和43年の園創立の頃から食に関心を持っていた私が玄米給食を始めたのは、約20年後の平成元年。皮膚がジュクジュクになったり、喘息になったりする子が増え始めた頃のことでした。

いまでこそアレルギー症状であることが明らかになっていますが、当時は原因も分からず、多くの園でそういう子が受け入れてもらえないという事態にまでなっていました。専門医や保護者と関わり続ける中で見えてきたのが食生活との関わりでした。

高脂肪、高タンパクの洋食が増え、冷凍食品や出来合いの総菜が広く普及するにつれて、これらの症状も急増していたのです。私たちは食について勉強会を始め、それまで与えていたお菓子をやめ、白米を玄米に切り替え、野菜も調味料も無添加のものにしました。

いまのように自然食が知られていない時代でしたが、私たちの熱意が通じたのか、保護者からの反対意見は聞かれませんでした。それどころか、アレルギー症状が軽減した園児が1人、2人と増えるにつれて、地元はもとより遠方からの入園希望者が相次ぐようになりました。

アレルギー症状だけでなく、年少児の「かみつき」も確実に減っていき、先生の話を聞く姿勢も明らかによくなってきました。そして、何より嬉しかったのは、園でのこの取り組みが家庭に、そして地域社会に広まりを見せていったことです。

食を躾けられた園児たちは家でも和食を好んで口にし、添加物は無意識に遠ざけようとします。それは家族を感化し、お母さんと一緒に調理をするようになった子も増えていきました。・・・

※この続きは『致知』2015年4月号 P94~P95をご一読ください。>

高取保育園のホームページ

ーーー『まいみその』の証明!

 上田市武石の米づくり先輩宮下氏の下段ブログからの引用です。無農薬の力が判ります。
<・・・栽培工学ですからトヨタの大野哲学を導入しました。カンバンでは出来ませんが、『次工程はお客様』

当社では、まいみそのを主力製品にしようとしています。そこで、コメつくりの次工程に、糀出しを目標にしました。「糀が深く食い込むお米を生産すること」を目標に研究を重ね、ついに糀活性の高い米の生産に成功しました。

『まいみその』がその証明です。どの味噌よりも、甘く美味しいのは糀の活性化が寄与しています。どの程度か?甘酒を作るには、60℃6時間が通常ですが、当社の糀を使いますと、60℃3時間で強すぎる甘さの甘酒が出来ます。

糀活性と呼んでいますが、それの高いコメを作った結果、このコメを使って作った日本酒は、糀活性が高いために、だれでも醸造が簡単に出来るようになり、狙った味に仕上げることができています。

1昨年、酒米の新種での栽培に失敗して、恥かいたことが研究心を呼び起こし、糀活性の高いコメに向かわせました。どう栽培したら良いか?それがわかったのです。品種は『いのちの壱』『美山錦』『コシヒカリ』どれも糀最適米になりました。

新しい日本酒、もうじき発売になりますが、凄いことになっているようです。
ここでも、失敗が動機になって、予期せぬ成功を呼んでいるような気がします。・・>


無農薬のススメ

(私)「まいみその」も酒も本当に美味しいです。下記URLの再下段にある「問い合わせ」から様子を聞くことができます。

無添加ジャムの美ヶ原ベリー園

フッターーーーーーーーーーー

農楽しながら「”田舎暮らし”コミュニティ」を創る
(月刊『ザ・フナイ』より)
http://shinshumachidukuri.blogspot.jp/2014/11/blog-post.html

団塊世代の地方移住が日本を救う
http://shinshumachidukuri.blogspot.jp/2014/11/blog-post_10.html

無農薬玄(白)米の販売
http://daylanbo.blogspot.jp/2013/11/blog-post.html

籾殻燻炭の販売
http://daylanbo.blogspot.jp/2012/02/blog-post.html

農楽のすすめ!
http://tateshinadayori2.blogspot.jp/2011/08/blog-post_26.html

”田舎暮らし”動画がYoutubeに300本以上
http://jp.youtube.com/user/takasukey

メルマガ「蓼科便り」のアーカイブス
http://tateshinadayori2.blogspot.com/
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