2015年3月3日火曜日

蓼科だより・384号〜田舎暮らし情報

★ーーーーーーーーーーーーーーーー2015年2月28日(土)★
★テーマ:ミツバチ、塩水選と浸種、栽培工学研究会
   信州まちづくり研究会、近現代史を語れない日本
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 今日で今年の6分の1が終ります。オリオンもかなり西に傾きました。日時のことが気になるのは年のせいなんでしょうか。

 前回、日本ミツバチの採蜜のことを書きましたら、信州せいしゅん村の小林村長(むらおさ)が農薬害についての情報を下さいました。ミツバチの大量死の原因だと疑いが濃厚な欧米では禁止されているネオニコチノイド系の農薬のことです。
 ただ、私のミツバチがたくさんの蜜を残したままいなくなってしまったのは、農薬を使う時期が過ぎてからなので、不思議に思っています。

 日本ミツバチ飼い先輩の従兄弟は、籾殻燻炭の煙りのせいではないかと教えてくれました。しかし、考えてみたら、昨年秋は燻炭を焼きませんでした。
 長年日本ミツバチを飼っている仲間に聞いても、よく判らないという返答でした。それにしても、1グラムにも満たない小さな虫が、半年足らずの間によくあんなに蜜を溜めるものだと、本当に感心します。
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 去る木曜日に、先にノギとりしてあった籾の塩水選(えんすいせん)を行い、浸種(しんしゅ)しました。塩水を使って不良な(軽い)籾を取除く作業です。稔りの悪い籾は浮いてしまうので、それを取除きます。
 慣行農法の塩水比重は1.13だそうですが、不耕起栽培では1.15にします。塩の真比重から計算すると、水7リットルに対して2.24kgになります。

 この作業に昨年まで疑問がありました。この比重で籾を入れると大部分が浮かんでしまうからです。これでは100倍もの量を選別しなければなりません。たぶん、籾の中に空気が入っているのではないかと想像したので、いつも教わっている稲作りの先輩、宮下さんに聞いてみましたら、やはり思った通りでした。
 そこで、1時間ばかり籾を水に浸けてから塩水選を行ってみると、10%位が浮かぶようになり、程よい不良率ではないかと自己満足しています。ですが、何故かこのことはどなたの教科書にも書いてありません。何故でしょう。今後の課題です。

 塩水選の終ったものを浸種(しんしゅ)と言って、冷たい流水(私の水は4℃)に約1ヶ月漬けます。慣行農法では数日しか行わない作業ですが、不耕起栽培の基本です。こうすることによって強い苗を作ると教わっています。
 ほんの僅かな沢水を使っていますが、今年は取水の仕掛けを造り変えました。水の湧く位置が変わってしまったからです。その様子は、Youtubeにアップロードしましたのでご覧ください。
 ノギとり同様、今年は仲間が一人増えたので、作業の楽しさが増しました。

塩水選と浸種・蓼科田舎暮らし日誌390号
https://www.youtube.com/watch?v=R0uoYQAjmkM
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 水曜日には、宮下さん(ほたるの居る田んぼを創る会)の主催で、上田市武石の公民館で「栽培工学研究会」という超真面目な勉強会が開催されました。
 お知らせ文書には次のような主旨が書かれていました。
「今年の作業に入る前に、イネの成長原理を学び、種子の仕組み、光合成の所以などを通じて、生命は酵素に依って生きていけることを知り、その原理原則に従った栽培を心がけることにより、身体にやさしい農業や食生活あるいは生き方を進めることができると信じ、皆様と一緒に勉強したいと思います。」

 彼は、学者肌で、私には読みこなせない専門書を読み解いて、私たちに判りやすく話してくれます。何故、稲は種だけの力で2.5葉まで育つのか、稲の命はどうやって成長を始めるのか、酸素と太陽光の役割は何か、特に生命の営みと酵素との関わりについて深く研究しています。

 これらの生命の営みの中に化学物質が入り込むとどうなるのか。今回の研究会ではその点を説明してくれました。最近、テレビ等でも酵素が話題になっていることが多いように感じますが、どうも酵素というのは全ての生命現象に関わっているようです。

 農薬に含まれている化学物質はもちろんですが、その何万倍もの量が投入される化学肥料の化学物質が問題のようです。それらが酵素の働きの阻害要因になる。彼は味噌や酒も作っていますから、発酵の様子の違いからその阻害要因がよく判るようです。彼の無農薬米で作られた日本酒が大好評だったのも頷けます。

 数日前に、クローズアップ現代で、腸内細菌のことをやっていましたが、腸内にはまだ未知の細菌がわんさといて、非常に大切な働きをしているようです。電子顕微鏡でも見えないような世界で働いてくれている細菌や酵素の世界に、無機な化学物質が送り込まれたら、異常が起こりうるであろうことは容易に想像がつきます。
 肥料とは何か、窒素、リン酸、カリとは何か、妄信から科学への転換を志しています。ただ、彼は言います。「この研究会は、在来農法を批判することが目的ではありません。真理を探究するためです。本当に人間にやさしい農業を極めるためです」と。

 若者たちの精子、卵子の異常、異常者の増加、認知症の蔓延等々、毎日報道される理解不可能な凶悪事件を見ていると、食の汚染が人間(生物)の異常をもたらしているのではないかと思えてなりません。

 川崎市の事件も、何故殺したか、殺されたかではなく、何故あのような子供を育ててしまったのかを極めるべきと強く思います。真の原因を見つけ対策をとらない限り、この種の事件は限りなく増え続けると思います。加害者だけを裁いてもことが解決するとは思えません。

 本当に良い勉強になりました。宮下さん、ありがとうございました。

ーーー信州まちづくり研究会の活動

 前回、長野大学で行われた「International Open Data Day」のことも書きましたが、私はNPOの事務局として参加しています。
 昨日も、立科町商工会の主催で、『「地方創生」政策下における小規模町村の対応戦略』という研究発表があり、聴講しました。その研究員であり講師を務めたのも長野大学の相川陽一助教でした。

 長野大学には度々お世話になっていたのに、大学について良く知りませんでしたが、昨日の商工会長の挨拶で、長野大学と立科町商工会は連携協定を結んでいることを思い出しました。そこで、ネット探ってみると次のことが判りました。ネットから引用します。

<長野大学は、1966年に公設民営大学として開学し、上田市塩田の地に50年地域と共に歩んで参りました。
本学は、「地域貢献」を大学憲章のひとつに掲げ、今日も「地域に根ざした大学」を目標に様々な地域貢献活動を行っており、その結果、日本経済新聞社産業地域研究所が行っている「大学の地域貢献度ランキング」において、私立大学部門4年連続第1位(2010年〜2013年)にランクインしました。
これからも地域に根ざした大学としてみなさまとともに取り組んで参ります。・・>

 そして、相川助教の立科町の研究結果も非常に多くの示唆に富んでおり、とても勉強になりました。
 国の地方創生政策は良いことではあるが、「やはりトップダウンであり、東京の持続可能性を求めているようにも思える」として、「地方として多いにその政策を活用すべきだが、振り回されないようにしなければならない」と注意を促していました。
 立科町の現状についてもかなり高い評価をしていましたが、「移住者の仕事の確保はどうしたら良いか」という経済的自立については、口を濁していました。答えが難しいということでしょう。

 全ての施策も、やはり経済的自立無しには完結しません。少し前に紹介しました『スマート・テロワール-農村消滅論からの大転換-』(松尾雅彦・元カルビー社長著学芸出版社)を読んでいますが、すばらしい思想と現実と可能性が書かれています。

 藻谷さんの里山資本主義も含まれていますが、もっと包括的な、副題である「農村消滅論からの大転換」論だと思います。松尾さんは世界をよく見て研究し、自分の事業に適用し実践している方です。NPO法人「日本で最も美しい村」連合を立ち上げたお一人でもあります。
 立科町も「日本で最も美しい村」連合に加盟できないか考えてみます。

 地方の自立と日本の再生をお考えの方は是非お読みになって下さい。私にはこれしかないのでは思えます。次回このことを書きたいと思います。

 ひと言だけ引用します。
<世界の工業で成熟した国には、農村だけに成長余力があり、事実そうなっています。日本だけが逆になっています。食と農は、どんなに社会が変転しても、人が生きている限り存在し続ける産業だからです。食と農で日本型の成功を得られれば、同じアジア・モンスーン地帯に生きる人々の先導者たりうるのです。>

NPO法人「日本で最も美しい村」連合

ーーー近現代史を語れない日本(JBpressより)
 私もその一人なので、この記事を掲載するのは憚られるのですが、たまたま中條先生の話しを聞く機会が2度もあり、長野県の出身でもあり、何よりも内容がすばらしくて、その本(『
おじいちゃん戦争のことを教えて―孫娘からの質問状』)も感動と共に読んだ記憶があります。
 この記事の著者は次のように語りながら日本の近現代史を語っています。
「「資本主義から社会主義への発展は必然」というマルクス主義の理論は、人類解放の理論として私を強くとらえた。共産党に入党することは、歴史の「必然的」な発展に寄与するというのだから、そこには強烈な使命感が付与されるのは当然であった。」
 この記事は、40年間共産党員として生き、国会議員にまでなった筆坂秀世氏が書いているところがスゴイと思います。そして、「だがこれからの私の立ち位置は、保守である。左翼とは、きっぱり縁を切った。」と語っています。私はこの方の立ち位置と価値観に100%同調します。

近現代史を語れない日本はまともな国なのか?
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42985

フッターーーーーーーーーーー

農楽しながら「”田舎暮らし”コミュニティ」を創る
http://shinshumachidukuri.blogspot.jp/2014/11/blog-post.html

団塊世代の地方移住が日本を救う
http://shinshumachidukuri.blogspot.jp/2014/11/blog-post_10.html

無農薬玄(白)米の販売
http://daylanbo.blogspot.jp/2013/11/blog-post.html

籾殻燻炭の販売
http://daylanbo.blogspot.jp/2012/02/blog-post.html

農楽のすすめ!
http://tateshinadayori2.blogspot.jp/2011/08/blog-post_26.html

”田舎暮らし”動画がYoutubeに300本以上
http://jp.youtube.com/user/takasukey

メルマガ「蓼科便り」のアーカイブス
http://tateshinadayori2.blogspot.com/
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