2015年9月18日金曜日

蓼科だより・412号〜田舎暮らし情報

★ーーーーーーーーーーーーーーーーー2015年9月12日(土)★
★テーマ:東日本豪雨、川より低い町、黒小豆、ペンキ塗り、
     住みたいまちの作り方会議、命からがらの脱出、
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 今回の東日本豪雨の凄まじさは、水の力の凄さと防災政治の難しさを思い知らされます。
 被災された方々とご関係のある方が大勢いらっしゃると思います。
 心よりお見舞い申し上げます。

 今夜のテレビニュースで、様々な悪条件が重なって、広範囲な線上降水帯が長時間にわたり鬼怒川沿いに停滞し、大水害になってしまったと解説されています。鬼怒川上流では、500ミリ~600ミリ降ったとか、長野では想像のつかない雨です。ですが、数年前に紀伊半島で3日で800ミリとか、なかったでしょうか。
 でも、今回の豪雨を見ていると、他人事ではないなと感じています。

 基本的には、温室効果ガスによる地球温暖化により海水温が上がり、水の蒸発量が増えて雨量が増えるというごく判りやすい理論で説明されています。気候現象の過激化も温度上昇に関係あるのでしょうか。

 地球温暖化に対する懐疑論もあり、原発業者の陰謀だとする説もあったようですが、CO2の元凶と攻撃される石油業界も人為説への批判をしなくなり、「近年は温暖化への人為的影響を否定する国際的かつ公的な学術組織は無い」とWikipediaに記載がありました。地球温暖化説がほぼ固まっている感じです。

 川より低いところに家や町があるところは日本中にたくさんあるようですね。インターネットで少し調べましたがデータがありませんでした。ところが面白いデータを見つけました。「川に働きかけて、今の国土はできたんだ」(下にURL)に次のような記述がありました。

<・・国土交通省によれば、わが国では国土面積の約 10%にすぎな い洪水氾濫区域に約 50%の人口、約 75%の資産が集中しています。洪水氾濫区域とは洪水の危険にさらされている土地なのです。・・・

・・・沖積平野はもともと地盤が軟弱で、堆積 した土自体の重みでもすこしずつ地盤が沈下し続けている。そこで大量の地下水を汲く み上げると沈下はずっと大きくなる。越後平 野でもそのために、地盤沈下が起こり、海面より低いゼロメート ル地帯が約 180km2 もある。・・・

・・・東京湾、伊勢湾、大阪湾におけるゼロメートル地帯の面積は 577km2、そ こに住む人口は 404 万人。全国の総面積では 925 km2 にもなる。そうい うところでは降った雨は、巨大なポンプ場によって毎日 24 時間ポンプで 汲み上げて海へ排水している。・・・>


(私)中学だったでしょうか、「エジプト文明はナイル川の氾濫によって栄えた」と教わったような気がします。「毎年上流から肥沃な土砂が耕地に堆積し、豊かな農業が栄えた」と。
 もし、川より低い場所が全部農地だとすれば、エジプトのようになるでしょうか。
 それとも、だんだん大きくなる自然災害に対して、限りなく堤防を高くし続けるのでしょうか。
 この両者のどこかに、ベストミックスがあるのではないでしょうか。
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 昨日は、久しぶりの青空に、気持ちがパア~と晴れやかになりました。畑の野菜たちも山の木々も悦んでいることでしょう。成りが悪くなっていたキュウリとトマトの成熟も進むでしょう。
 余りの長雨のため、黒小豆が枝についたまま発芽していたり、ふやけて大きくなったりしていました。黴が生えて鞘が真っ黒になってしまったものもありました。かなりハブキがでそうです。長岡式酵素玄米に入れるための黒小豆です。一年中のものがあるように、去年の3倍ほど作りました。市場にはほとんど無い品物です。
ーー
 長雨が続いたため、昨日やっと自宅屋根の下塗り(錆び止め)が終りました。今日から、上塗りをかけようと思ったら、6月に塗り始めた部分がゴミと汚れで酷いことになっていました。屋根なんて、雨で洗われていつもきれいになっているかと思いきや、汚れるもんですね。

 農楽で使う動力噴霧器が活躍しました。1万円で先輩から譲ってもらった機械ですが、非常に具合良いです。農楽でEM活性液や水の散布をしたり、墓石の掃除もできます。約1時間ばかりで大屋根の半分をきれいにしました。明日から塗ります。

ーーー「住みたいまちの作り方会議」上田 8月30日

 上田中心市街地にある「Hanalab.unno」(ハナラボ海野)という不思議な倉庫のような会場で、素敵な会議でした。里山資本主義の藻谷浩介さんが講演し、地元の起業家達とパネルディスカッションが行われました

 上田はダメな町だとこき下ろす人も多いですが、立科町や佐久市と比べると、やっぱり上田は進んでるな!と感じるイベントでした。そして、活躍している中年達はよそ者がほとんどなのにも驚きです。

 コワーキングスペース(ハナラボ海野・他)の経営者と、地域通貨・蚕都上田くらぶ・ま~ゆの代表は名古屋生まれ、太陽光パネル相乗りくん事業を運営しているNPO法人上田市民エネルギー理事長は広島県生まれ、と、イベントの主要メンバーは皆よそ者でした。やっていることもすばらしい。それにしても地元の中年達は何をしているのでしょう。

 「”まちづくり”は、馬鹿者、よそ者、若者」とよく言われるのは本当だな、と実感。立科の農業も新規に始めているのはよそ者ばかりです。しかも、都会から、全くの素人が挑んでいます。それを冷ややかな目で監視しているのが田舎の若者たちです。「失敗して、今に逃げ帰るに違いない!」と。

 イベントの内容を全部書ききれないので、藻谷さんの常識を覆す話の中から幾つかピックアップします。
・日本が貿易で稼がせてもらっているのが、欧米とアジア、特に米国と韓国はお得意様。
・その稼ぎの大部分を、中東の産油国と他の鉄鉱等の資源国に貢いでいる。
・東日本大震災の2011年以来、原発が全部止まっていても石油輸入は増えていない。
 省エネと自然エネルギーの普及が原因。
・年間一人当たりのエネルギー使用量は50万円。このお金はほとんどが外国に行ってしまう。
 その1%5000円を地元で買い物すれば、上田市の人口を15万人とすると、7.5億円。
 すると、一人300万円の年収で250人分の雇用が発生する。
 全て里山資本主義の内容です。石油輸入の話、凄いですね。メディアの触込みと違うと思います。こういう話を聞くと、本当に原発は無くてもやっていけるかも知れないと思えてきます。政治色のない検証をお願いしたいですね。

 「里山資本主義」と「スマート・テロワール」は地方創生(日本創生とイコールと思ってます)の必読書だと思います。何れも重農主義に基づき、地域社会で相互の関係性を重視する非市場経済を導入し、地域内で必要なものを移入(輸入)にから地域内生産に置換する、という共通の思想を持っています。

 これでは判らないと思います。気取っていたい訳ではありませんが、松尾さんと藻谷さんの感化を受けて難しいことを言ってますね、(笑)。下に解説します。

 松尾さんの本によると、重農主義とは、国を豊かにする上で、農業を重視する政策であり、18世紀にフランスの経済学者ケネーが唱えた経済思想です。詳しくは下記URLをどうぞ。

 非市場経済とは、本「スマート・テロワール」85ページからありますが、オーストリアの人類経済学者カール・ポランニーが提唱したシステムです。グローバル市場主義の限界を補完する考え方として、再配分、家政、互酬の3つをあげていますが、ここでは説明しきれません。本をお読み下さい。
 下記URLもどうぞ。「社会統合のパターン」のところに記載があります。私が松尾さんから読むように薦められた本は、「市場社会と人間の自由」(カール・ポランニー著)でした。
https://ja.wikipedia.org/wiki/カール・ポランニー

 勘違いしてはいけないのは、決してグローバル市場主義と資本主義を否定している訳ではありません。

 置換とは、松尾さんから薦められた本「発展する地域 衰退する地域」(ジェイン・ジェイコブス著)にある「地域が自立するための経済学」の言葉です。実は、私もまだ読み切れていませんが・・。
 でも、答えは明快です。「地域内で必要なものを、移入(輸入)に依存していれば「衰退の地域」となり、地域資源を活用して域内の供給に転換(置換)し、域外へ移出できれば、「発展する地域」となる。」
 外に出してしまったお金は戻って来ないが、地域内で廻せばみんなの富みになるということです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ジェイン・ジェイコブズ

ーーー命からがらの「脱出 」
 
これを読むと、日本と世界の違いがいかに大きいか判る気がします。JBpressのメルマガからです。

ドイツに国境を開けさせた幼いシリア難民の死
知性と教養、人間性が問われる問題に日本人も直面している [伊東 乾]http://miu.ismedia.jp/r/c.do?qUB_D5y_LE_sds

フッターーーーーーーーーーー

農楽しながら「”田舎暮らし”コミュニティ」を創る
(月刊『ザ・フナイ』より)
http://shinshumachidukuri.blogspot.jp/2014/11/blog-post.html

団塊世代の地方移住が日本を救う
http://shinshumachidukuri.blogspot.jp/2014/11/blog-post_10.html

無農薬玄(白)米の販売
http://daylanbo.blogspot.jp/2013/11/blog-post.html

籾殻燻炭の販売
http://daylanbo.blogspot.jp/2012/02/blog-post.html

農楽のすすめ!
http://tateshinadayori2.blogspot.jp/2011/08/blog-post_26.html

”田舎暮らし”動画がYoutubeに300本以上
http://jp.youtube.com/user/takasukey

メルマガ「蓼科便り」のアーカイブス
http://tateshinadayori2.blogspot.com/

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