2013年1月12日土曜日

蓼科だより・274号〜田舎暮らし情報

★ーーーーーーーーーーーーーーーー2013年1月12日(土)★
★テーマ:バイオマス温室,農水省のTPPプロパガンダ,

 西欧の近代は間違い?ステキなNPO,大前さん論説,etc.
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 昨年秋の諸作業が遅れてしまい,バイオマス温室の整備も年末になってしまいましたが,元日頃からバイオマスからの排出ガス・空気温度が30℃前後になり,その状態が続いています。温度は順調です。
 問題は,排出ガスの内容です。発明者の200m2の実験ハウスでは,CO2と空気だけです。
 その排出ガスの炭酸ガス濃度は,外気の500〜1500ppmに対して,バイオマスからのは1000〜7000ppmなので,平均外気の約4倍あります。そのCO2が植物に良い影響を与えています。

 ところが私のバイオマスからはアンモニアが混じって出てきます。粗い木チップではなく,細かい竹チップを使っているためだと思われます。アンモニアは除去しなければならないので,数日前ですが,昨年教わったぼや炭で除去する装置を設置しました。
 その装置はとても簡単で,地下のバイオマスから立ち上がっている有孔パイプ出口の上に,段ボールを丸めて作った直径40㎝高さ60センチ程の筒を置き,その中にぼや炭を詰めるだけです。そうすると地下から上がってくるガスがその炭を通る過程でアンモニアが除去されるという設計です。

 とてもうまくいって,現在は全く無臭です。熱とCO2だけが温室内に供給されています。

 この温室には,今まで家に置いてあった観葉植物を収納しますが,今後は温度管理が必要です。たとえ夜の外気がマイナス15℃になっても温室内は5℃を下廻ることはないと思いますが,日中絞めっぱなしにすると30℃を超えてしまいますので,開けてやらなければなりません。
 しかし,エネルギーゼロでこれだけのことができるのはすばらしいと思います。
 昨年末からのバイオマス温室整備の様子はYoutubeにアップロードする予定です。

ーーーーーTPPについて,山下一仁氏のブログより抜粋

(私)前回書きましたが,私のような農楽者の生産コストを含めたデータなど無意味だということが判ると思います。実態をごまかす材料になっているだけです。大規模農家の米は世界に輸出できることも判ります。これがプロパガンダでなくて何でしょう!

<農林水産省はTPPに参加すると8兆5千億円の農業生産額が4兆1千億まで減少し、食料自給率は14%まで低下する。また、洪水防止などの農業の多面的機能は3兆7千億減少するという資産を出しました。しかし、この試算は意図的に影響額を大きくしたものです。


 
第一にデータの取り方に問題があります。生産額の減少の内の半分の2兆円が米についてで、海外から安い米が入ってくると米農業は壊滅するとしています。
 日本が中国から輸入した米の内、過去最低の10年前の価格を海外の価格とし、これを国内の米の値段と比較して内外価格差は4倍以上だとしています。しかし、中国から輸入した米の値段は、10年前は60kgあたり約3千円でしたが、09年では約1万500円と3.5倍も上昇しています。

 一方で国産の米価格は1万4千円ぐらいまでに低下しており米中間の米の価格は接近しており、価格差は今や1.4倍以下になっております。

更に、日本の農家の平均的なコストと輸入価格を比較しているという問題があります。
 肥料や農薬など、米の生産のために実際にかかったコストの平均値は9800円なんですが、0.5ha未満という規模の小さい農家のコストは1万5千円で、15ha以上の規模の大きい農家の6500円と大きな差があります。
 関税が無くなって国内の米価が下がっていけば、コストの高い規模の小さい兼業農家と言われる人たちは影響が大きいでしょうが、規模の大きい農家は存続できます。>

(私)兼業農家はほとんどが自給と土地管理が目的ですから農業経済とは関係ないと思います。
下記URLより全文を読むことができます。
http://blog.goo.ne.jp/politics10/e/d8f42f875ec2cb4e31bcdd8d2c2f36d9


ーーーーー東京新聞1/7「年のはじめに考える 人間中心主義を貫く」を考える

 この記事の中にあった下記「」内の言葉(命題)が気になりました。

「西欧の近代は自然を制御、征服する思想。今回の大震災はその西欧の限界を示しました。」

 3.11大震災の論評の中に,他のメディアでも上記のような表現をよく目にします。「人間中心主義」という言葉が格好良いのですが,とても気になっていたので少し考えてみました。
 命題を私流に意訳すると次のようになります。

「西欧の近代科学は,自然の力を制御し,自然の摂理とエネルギーを超える技術を創りだそうとする思想である。今回の東日本大震災の被害は,自然の制御と征服などできないことを示した。西欧の自然制御と征服の思想は間違いであった。」

 という意味になりました。
 高さ9mの津波よけ大堤防をひっくり返されたこと,原発が大事故と起こしたことを言っているのだと思います。

 しかしです。
 何度も読み返してみましたが,本当にそうでしょうか?
 西欧の誰が自然を制御・征服できると言ったのでしょうか?
 そして,自然の何を制御・征服できると考えたのでしょうか?
 本当に西欧の近代思想は間違っていたのでしょうか?

 私は,この命題はどこかおかしいと感じ,次の設問を立てました。

設問1.自然の力と言えば,天候,台風,地震,四季の移ろい,津波等を考えますが,西欧の近代科学は本気でその力を制御・征服できると考えたのか?

設問2.西欧の科学技術の思想が間違っていたから,それを採りいれたから,3・11大震災の災害が大きくなったのか?


まず,Webから参考論説を見つけ出しました。

http://philosophy.hix05.com/Renaissance/renaissance12.bacon.htmlより抜粋;
<ベーコンは「知は力なり」といったが、それは知によって人間は自然を征服し、世界の主人になれるという意味を内包していた。>(私:これを根拠に「自然を征服する思想」と言ったのでしょうか)

http://www.kankyo-sizen.net/blog/2012/01/001012.htmlより抜粋;
<科学技術思想は、私権獲得を第一義とする金貸しの欲求に基づいて現実対象を矮小化→捨象する過程を経て形成されたと言えます。>
(私:これを根拠に「西欧の近代思想は金の力で動くもの」と定義したのか。原子力学者は東電の言いなりになったと。しかし,こういう面があることはあらゆることに共通ではないでしょうか。)

『考察』 一応なるほどですが,これらの論説を読んで次のように考えました。

設問1.自然の力と言えば,気候,台風,地震,四季の移ろい,津波等を考えますが,西欧の近代科学は本気でその力を制御・征服できると考えたのか?

(私の答え)違うと思います。彼等が言った「征服」という言葉は,「解明できる」という意味ではないでしょうか。今まで原因不明の諸現象や,判らなかった物質の中身を解明できる,正体をあばくという意味ではないでしょうか。事実,人類は解明を進めてきました。

 そもそも,「征服」という言葉の翻訳を間違えているのではないでしょうか?
 上記の文章を読む限りでは,「知によって人間は自然を征服し、世界の主人になれるという意味を内包していた。」と言ってるのは,ベーコンではなく訳者です。
 私は,工学書の中にも誤訳があり,そのために日本がそのことの概念も政策も間違えてしまった実例を幾つか信頼できる先生方から教わっています。同じことが起こっているのではないでしょうか。
 どう考えてみても,日本語でいうところの「征服」など,大自然に対していえる人間が地球上にいるとは到底思えないからです。
 科学嫌いな,或いは特定な思想を持った集団が敢えて歪曲し,虚構の論理を作り上げたのではないでしょうか。どなたかヘーゲルの原文を読まれる方がいらっしゃいましたらご教授願えないでしょうか?

設問2.西欧の科学技術の思想が間違っていたから,それを採りいれたから,3・11大震災の災害が大きくなったのか?

(私の答え)これも違うと思います。むしろ逆で,西欧の思想通りにやらなかったから災害が大きくなったのではないでしょうか。

『私の結論』
 この命題は,「3・11大震災の災害が大きくなった」原因を,自分達から西欧へ責任転嫁しているのだとしか思えません。そして,ひたすら世論に迎合し原発に反対している振りをするために,西欧をダシにした論理の捏造ではないでしょうか。


ーー安中さんに上記の検証をお願いしご返事を頂きました。

<安江さんの仰ることに100%同意します。
「西欧の近代は自然を制御、征服する思想。今回の大震災はその西欧の限界を示しました。」
 私も、この解釈は全くの間違いだと思います。

 安江さんも仰っておられるように、西欧文明の下敷きはキリスト教です。かのアインシュタインは、最後まで「不確定性原理」を認めようとはしませんでした。その理由は、「神は不確定なものなど作るはずは無い」でした。

 そこにあるのは、「神の作った摂理を知りたい」という宗教的探究心です。
 彼ら科学者に、自然を制御・制服する考えはなかったと思います。

 今回の大震災が「西欧の限界」というなら、「東洋思想なら防げた」とでも言うのでしょうか。震災以降の日本は、科学技術を否定し、お題目思想に浸されています。
 経済より安全,電気より命,鎮魂等の甘〜いお題目を冠にして世論におもねっています。鬼畜米英を書き立てた戦前や,非武装中立論を主張した戦後のマスコミと変わりないのではないでしょうか。

 このような記事を書かせているのは国民そのものです。マスコミは、国民の不安や妬みといった「負の感情」に乗っているのです。狭い意味での「民族主義」とも言えます。
「悪いのは日本」と叫ぶお隣の国と事情は変わらないのです。

 人間は、この災害を乗り越えて復旧し、さらなる進歩を遂げていくことに意義があると思います。そうしなければ、津波の犠牲になった約2万人の犠牲者は浮かばれません。>

ーー
(私)も安中さんも決してアメリカの手先でも原発業者の手先でもありません。大前さんも岡本さんも違うと思います。アメリカといつも対立しているフランスも原発大国ですが,アメリカの手先ではないと思います。
 原発を進めるのがアメリカの手先であると言うなら,原発開発を進めている中国,北朝鮮,イランはアメリカの手先ですね!
 何だか,アメリカや西欧をダシにしてコトを論じるのは卑怯に感じられませんか。

ーーーーーーメル友からステキな子どものためのNPO!
このホームページを見たら,きっと第二,第三の山中教授が出るだろうと思います!

NPO法人「おもしろ科学たんけん工房」
おもしろ科学たんけん工房は、小学4年~中学2年を対象に横浜市・藤沢市内で科学実験,手作り理科工作,自然観察など『おもしろ科学体験塾』を開催しています。

ーーーーー「大前研一ニュースの視点」KON448

 書かれているアベノミクスの論評に大きく同感です。
下記URLから全文を読むことができます。

ーーーーーおたや祭と山車の由来
 長和町の古町(旧長窪古町)に所在する古町豊受大神宮の伝統の祭は、通称おたや祭として知られています。山車は5場所,スサノヲノミコトと八岐大蛇,真田幸村夏の陣,源義経の壇ノ浦です。
開催期間 : 2013/01/14 ~ 2013/01/15 
見頃は1/14日午後から。
開催場所 : 古町・豊受大神宮
詳細は下記URLよりどうぞ。
http://www.town.nagawa.nagano.jp/life/dtl.php?hdnKey=1738


ーーーーーYoutubeに新動画!

元日の立科町 2013・田舎暮らし便り322号(蓼科より)
http://www.youtube.com/watch?v=gBlX-_1p-c4

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無農薬で有機肥料だけで作った「たかすけのお米」の販売
50kg追加しましたので,後20kgです。
http://daylanbo.blogspot.jp/2012/11/blog-post.html

「田舎暮らしコミュニティ」のすすめ!
http://shinshumachidukuri.blogspot.com/2011/10/blog-post_9187.html

農楽のすすめ!
http://tateshinadayori2.blogspot.jp/2011/08/blog-post_26.html

”田舎暮らし”動画がYoutubeに300本以上
http://jp.youtube.com/user/takasukey
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