2013年1月5日土曜日

蓼科だより・273号〜田舎暮らし情報

★ーーーーーーーーーーーーーーーー2013年1月5日(土)★
★テーマ:年末年始,初詣,農業への問題提起,日本の自閉症
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 今朝は晴天,最低外気温-10℃,8時の気温-5℃,ハウス内-4℃,土室内4℃,バイオマス温室のバイオマス内部温度26℃でした。順調な冬の状況です。
 暮れの29日に降った雪は日陰を残してほとんど消え,寒さだけが残っています。夜は星がすばらしく美しく,プレアデス星団(昴)も見えてます。
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 今年の元日は,地元芦田区の役員を仰せつかっている関係で,早朝6時に起きて,区が管理している愛宕神社に初詣。その神社は区の西端にある小高い山の上にあります。
 6時45分集合でしたが,100段程?ある階段を登ると,社の前では既に区長を初めとして10名位は集まっていて,大きな焚き火が勢いよく煙りをなびかせて燃えていました。
 晴天でした。たぶんマイナス5℃位だったろうと思います。皆で初日の出を待ちました。
私は,この初詣に参加したのは初めてでした。

 だんだんと東の空が明るくなり,もうすぐ登るな,と思われる頃,区長の音頭で神殿に参拝します。参拝が終ると社の丁度正面に当る方角から上がる日の出を待ち,参拝しました。
 誰かが言ってました。「天照大神が上がってきたぞ!」と。7時10分でした。

 私は,日本の神道は一般に言われている宗教とは違うのではと漠然と考えています。太陽を崇め,大自然の摂理に叶った収穫を祈念・感謝する気持ちを形にしたもの,のように思えるのです。
 それはともかく,気持ちの良い参拝でした。
 参拝の後,ビデオカメラをもって,里山と田んぼを廻り,元日の様子を撮りました。近日中にYoutubeにアップロードします。
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 大晦日は,長男家族と一緒に,紅白を見ながら年とりをしました。
 正月の間は,長男親子が来たり,弟がその息子家族と来たりして楽しく過ごしました。次男一家は,本人が帰国できないというので,家族があちらに行き,年末をカンボジアで過ごし,フライトの関係で29日には帰国したようです。
 2日には,去年から,長男の小学校4年生と幼稚園年長の娘二人と一緒に書き初めを始めました。孫のおかげで私も久しぶりの書き初めができることになりました。墨すりからやらせますが,後半は墨汁になってしまいます。(笑)

 下手な手本ですが,私が書いたものをなぞって練習しますが,孫達が楽しいと言って一生懸命書いている様子は本当に微笑ましいものです。約3時間ばかり楽しみ,最後に学校への提出用を仕上げて終りです。
 私も手本の中から「対青山依緑水」を見つけ,何回か練習し,出来のいいのを一枚書斎の壁に架けました。終った後の部屋には清々しい墨の香りが漂っていて気持ちの良いものでした。
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 今年の正月の良いことは,難しい理論は専門家に任せるとして,円安と株高が世の中を明るくしてくれているようなので,自分も何となくハイな気分になっていることです。景気は本当に気分なんだと,実感です!

ーーーーー相変わらずの農業の情報操作!

 年末に,日頃お世話になっている方にお礼のつもりでお米をお届けした際,農業に対する世論の歪みを痛烈に知らされました。その方は,畑が少しあるだけで米は作っていません。
 私は誉めてもらえるだろうと思って「この米は無農薬で作ったんです。体に良いので食べて下さい」と挨拶しました。
 そうしたら何と,「無農薬なんて机上の空論だ。そんな理想主義で農業なんかできっこない」と前置きした上で,その人の近所に起こったことやテレビ放送で知った無農薬栽培の失敗例を並べ立てたのです。「素人の戯言」と,手厳しい!

 いやはや参りました。その方は良い方なので悪気があって言ってるのではないことは判っていましたし,実際にそういうことが多かったので嘘でもありません。
 有機栽培は,私のように農楽(自給自足)であれば,無農薬による収量減も見栄えの悪さも労働集約も容認できますが,農で飯を食っている農業の皆さんにしてみれば命取りになってしまうので簡単に承諾できるものでないことは判っています。

 問題は,反対情報を持ち合わせていないこと,知らないことです。ネタを持ち合わせないのですから議論ができません。これでは進歩など望むべくもありません。

 反論すれば火に油になるだろうと思ったので,「そうですか,そんなことがあったんですか,気をつけます」という程度で逃げ帰ってきました。どうしてその人がそうなっているか。有機栽培に関する世界の情報を知らされていないからです。

 私は全面的に農薬や化学肥料を否定するものではありません。化学肥料と農薬の発展が,2度の大戦後の人類を飢餓から救ったと思っているからです。
 ですが,世界の有機栽培は確実に拡大しています。有機栽培を否定するのは間違っていることは,下でデータを見れば明らかです。問題はそれらのデータが一般には知らされていないことです。少なくともJAの資料には出てきません。

 それにしても,日本人の農薬に対する信仰は凄まじいものがあります。農水省と農薬企業とJAの完全な戦略勝ちです。この信仰は日本の農家の少なく見ても9割以上に浸透しているのではないでしょうか。その結果が単位面積当り農薬使用量世界一の酷い実績です(OECD調査)。

 情報はどこかにあるだけでは広がりません。積極的にアピールしてマスコミに載せないと広まりませんが,情報伝達のプロであるマスコミも,”村”の雰囲気を察知して横を向いているようです。戦争を煽っていた真珠湾攻撃前後のマスコミと同じではないでしょうか。

 その一例を紹介いたします。下記URL「世界の有機農業の現状(2)」です。
 その一部分を紹介します。

<ロンドンに拠点を置き,世界の有機農業や食品に関する情報収集・配信などを行なっている会社「オーガニックモニター」のデータによると,世界の有機食品の販売額は,USドルで2008年に509億ドル(1ドル104.23円での換算額で5兆3000億円)であった。
 1999年には152億ドルだったので,この間に3.3倍に増加した。
 509億ドルのうち,北アメリカが230億ドル(2兆4000億円),ヨーロッパが260億ドル2兆7000億円),その他が19億ドル(2000億円)で,北アメリカとヨーロッパが96%を占めていた。>


http://lib.ruralnet.or.jp/libnews/nishio/nishio172.htm

(私)因に日本の農業生産額は平成15年で約8兆円です。世界の有機農業の大きさが判ります。
 更に,上記URLの中に「表2 国別の有機農地面積とその・・・・」がありますが,それを見ると,トップはオーストラリアで,2位アルゼンチン,3位アメリカ,4位中国と続き,日本は30位に当ります。日本より国土が小さい韓国より下です。
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 私は,農業政策を,それで飯を食っている農業者と,兼業で自給自足の農楽は分けるべきだと考えています。農地を持っているという面では農業も農楽も共通ですが,まったく異質なものだと思います。
 大きな理由は,兼業と自給自足の農家は,業ではなくて,労賃はコストに入っていないばかりか計算する気も必要もないからです。こういう立場の農家をあらゆる農業統計に取り入れていることに一体どういう意味があるのでしょうか。
 
 趣味で機械やパソコンを作っている人を工業統計に加えるでしょうか。
 それだけでなく,業としてやる気のない人の経営支援をするという発想はどこから出てくるのでしょうか。だから選挙目当てのバラマキだと言われるのでしょうが・・。

 実はわたしもほんのチョッピリですが,「・・奨励金」とか「・・補償金」をもらっています。しかし,私はもちろんのこと,周囲の兼業農家を見回しても誰一人として本気で農業をやろうなどという人はいません。
 しかも,自給自足ですからコスト計算もなく,これらの奨励金・支援金がなくても誰も止めないと思います。生計費は勤めの給料で賄われており,稼ぐのが目的ではないからです。
 たとえいくらでもお金をもらえば嬉しいですが,私のような者にいくらくれても農業の振興には全くつながりません。
 しかも,兼業・自給農家は計算すると赤字になるのが普通ですが,これが家計に貢献するのです。税務申告の際,他の所得から赤字分が控除されるのです。
 サラリーマンが通勤車やスーツを買っても経費としてみてもらえませんが,業をしていない農家でもトラクターは経費になるのです。このような法律を次から次に作り,農家をとりもって農民票を集めたのが自民党です。民主党もそれを引き継ぎました。
 票が欲しいのはどの政党も同じですから,この農業改革は非常に難しいのだと思います。阿部さんもここからは逃げているように思えます。

 周囲の兼業農家から出てくる話しは「働けなくなったら止める」話しばかりです。政府がやるべき農業政策は,やる気のない兼業農家を救うことではなく,その止めた農地を買い集める農業者を支援することではないでしょうか。
 逆に,やる気のない人を支援したら,やる気のある人の大規模化を妨害することになります。

 農業はGDPに占める比率は2%未満と低いですが,専有面積でいったら林業について二番目であることは間違いありません。その大自然を管理している農業の役割の大きさは計り知れないものがある筈です。

 新年早々,長々と失礼致しました。ご批判をお願い致します。

ーーーーー岡本行夫氏「日本の自閉が進んでいる」

大晦日の岡本行夫氏(MITシニアフェロー)の産経論説「先を見通す気迫が最重要」には大きく頷いてしまいました。要点だけ抜粋しました。
<・・
 日本は,かつて自由貿易の旗手だった。今や旗ふりどころか環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加すらできない。「貿易立国」だったのは過去。輸出入総額のGDP比率を見れば,日本はOECD加盟34カ国中最下位だ。
 日本の自閉が進んでいる。ドイツのDHL社が発表する各国のグローバリゼーションの度合いでは,日本はベトナムやサウジより劣る世界第42位。もちろん先進国の中で最低である。
・・
 八方塞がりの日本だったが,新政権が誕生し,経済に明るさが出てきた。しかし自民党が正しいわけでもない。日本の後退は,財政悪化にしても,ODAや防衛費の削減にしても,すべて自民党が始めたことである。
 私がいるマサチューセッツ工科大学(MIT)は,今年,世界の大学ランキング1位になった。ここでは「国籍」は意味を持たない。MITの学生の半分は外国人。世界中の人材が個人として集まる。多様な教育や文化や価値観や思考の相克の中から知恵と競争力が出てくることが常識となった。
・・
 この時代に何よりも重要なのは,先を見通そうとする気迫だ。安倍政権にそれができるか。まずは期待して新年を迎えよう。>

(私)因に日本の大学の世界ランキングは,評価機関によって違いがありますが,平均すると20位台に東大,京大,東京工大の順に並んでいました。
 日本人の海外留学生は毎年減り続けているようです。

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無農薬で有機肥料だけで作った「たかすけのお米」の販売http://daylanbo.blogspot.jp/2012/11/blog-post.html

「田舎暮らしコミュニティ」のすすめ!http://shinshumachidukuri.blogspot.com/2011/10/blog-post_9187.html

農楽のすすめ!http://tateshinadayori2.blogspot.jp/2011/08/blog-post_26.html

”田舎暮らし”動画がYoutubeに300本以上http://jp.youtube.com/user/takasukey

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