2015年6月16日火曜日

蓼科だより・399号〜田舎暮らし情報

★ーーーーーーーーーーーーーーーーー2015年6月13日(土)★
★テーマ:NPO総会、「手一本植30」、新規就農者の思い、

     農村の魅力が・・、「反戦平和」
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 この「蓼科便り」は13日付けですが、15日(月)に書いています。1日遅れは何回かありましたが、2日遅れは初めてのような気がします。
 13日には、私が事務局を務めているNPO法人信州まちづくり研究会の総会があり、夜は翌日の体験田植のための前泊客があって話しに興じてしまい、14日は「手一本植30」による体験田植でした。
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 NPO法人信州まちづくり研究会は平成13年に創られ、日本全国から100名以上の参加を得て、”まちづくり”の国内・海外視察、研究会、セミナー等を積極的に行ってきましたが、10年ほど前から、いろいろ不都合が重なり活動が中断されていました。
 活動の主なテーマはサステイナブル・コミュニティ(持続可能なコミュニティ)とエコヴィレッジ(ヒューマンスケールで自然界と調和したコミュニティ)でした。

 一旦は解散しようかという議論もしましたが、折角の研究成果を形にしないのはもったいないと思い直し、地方創生に取組もうと再スタートしたものです。一昨年秋のことです。

 ゆとりも資金力もないNPOですが、胸をはって言えることは現会員全員が高い志を持っていることです。自分の住んでいる町、地方の将来に大きな危機感をもっていて、大変なことであり、長い時間がかかる(30年!)ることを承知しながらも、取組を始めています。
 特に私の年代は、こういう社会にしてしまったのは自分達の責任だと認識している人が多くいます。

 総会には、昨年入会してくださった外資系企業で働いている方を含め2名が東京から、長野市から2名、上田市から1名、小諸市から1名、地元立科町で3名、併せて9名の方が出席してくださいました。
 東京はもちろん、長野市からでも1時間半もかかる遠距離を、我が立科町まで来て下さいます。
 しかも、このNPOは立科町の創生に取組んでいます。頂いた年会費も全部そのために使ってしまうにも関わらず、です。私が反対の立場だったら、こんなふうにできるだろうかと考えるとただただありがたく頭が下がります。

 10年ぶりの総会のテーマは、従来のサステイナブル・コミュニティに並んで、新たに「スマート・テロワール」(「美しく強靭な農村自給圏」)が加わり、活発な議論を呼びました。この二つのテーマの関係性については改めて書かせて頂きます。

 やはり、地方の危機と創生は全員の関心事であることが確認され、やるべきことも将来ビジョンも不確定であるにも関わらず、全員がこのNPOに期待感をもっていることが感じとれました。
 予算の甘さが指摘され組み直しになってしまいましたが、向かうべき方向は定まり、新たなスタートをきることができました。
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 総会散会後は、近くのそば屋「ときん亭」で懇親会。翌日の体験田植のための前泊組です。私を含めてNPO会員が3名、そこに東京から昨年も参加してくれた安中さんと、名古屋から新幹線で駆けつけたメル友女性が加わりました。
 皆さん初対面が多かったのですが、社会派ばかりのせいでしょう、様々な意見、議論が続出で楽しい懇親会でした。天ぷらと豚かつに酒、仕上げは手打ち蕎麦でした。
 4名はNPOの家で泊りました。旧国鉄の貨車を改良したワムハウスです。快適ですよ!
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 翌朝、8時半集合で、いよいよ田植です。私の家隣にある苗代(なわしろ:稲苗を育てる場所)から苗を軽トラに積み込み、家から500mにある7畝(せ:7アール=700m2)の田んぼに向かいます。

 田植に挑んだ6名の内4名は初体験でしたから、丁寧に教えて、植える要領が判るまで約30分。そこで一休みして本格スタートするのですが、みなさん、だんだんと植えるのが面白くなっていくように感じられました。
 合う靴がなかった東京からの男性は、裸足で入りましたが、気持ちが良いと言って、滑らからな粘土の感触を楽しんでいたようです。作業性が悪いので私は長グツを履きますが、裸足が良いのです。この方が下記のようなメールを下さいました。

「・・田植えの田んぼに裸足で入ると、自分の足の裏から稲の生育の養分や大地のエネルギーをもらったような気分になりました。オタマジャクシやトンボを見ながらのなかなか快適な時間でした。・・

 今年から植え方を変えました。過去2年は「手一本植33」と命名して、33センチメッシュに1本植えをしました。しかし、全ての農業機械が条間30センチを基準として造られているので、それに合わせることにしました。今後「手一本植30」と呼ぶことにします。
 但し今年は、苗が余りそうだったので、実験のため半分を2本植にしてみました。どういう結果になるか、しっかり観察します。

 1本植えについては、過去2年の実績は見事でした。籾で1反歩当り10俵(玄米にすると8俵)でした。玄米で10俵採るこの辺りの標準と比べると少ないですが、不耕起栽培の教えの中ではこれで充分です。品質に拘る日本各地の米も収量を抑えているようです。

 今春は今まで一番の悩みを解決しました。除草について、昨年からの観察と研究により、ほぼ確信を得たことです。要は、水草の発芽を抑えられない浅水にせざるを得ない田植時をどう乗りきるかです。半不耕起が前提ですが、田植日を挟んだ深水除草代掻きとチェーン除草の組み合わせです。

 昼食は、家の庭で、バーベキューで楽しみました。ピットマスター(焼く料理人)は、私の長男でした。午後は皆すっかり作業に馴れて、スピードが上がり、3時半頃には全て終了しました。

 ひとつ気がかりなのは、後日腰の痛みが出る人がいないか、です。やはり馴れない作業は効くようです。
 何れにしても、参加して下さった皆さん、ありがとうございました。秋には収穫したお米をお届け致しますので、お楽しみに。

 今日、田んぼを見に行ったら、かなり成長した殿様ガエルが出てきて挨拶しました。皆さんも稲の生長とたくさんいたオタマジャクシの生長を確認に来て下さい。

ーーー頼もしい新規就農青年Yさん

 「スマート・テロワール」を読んで、信州まちづくり研究会に入ってくれたYさんが自己紹介してくれました。農業経営者を目指しています。こんな青年が今後増えていくような気がします。受け入れ態勢を急がなければなりません。

<・・出身は愛知県津島市で現在38歳です。妻と娘の三人暮らしです。5年前に前職(役人)を退職し、佐久で農家になるべく参りました。
1年間の研修を経て、現在、有機JAS認証を取得してほうれん草、ズッキーニ、インゲンを主な出荷物としています。
初年度で家族経営の限界を感じ、企業的農業経営への道を選択し、数年先の法人化を視野に入れています。40歳までに基盤固めをするべく、精進する毎日です。

スマートテロワールを読んで、目指すべき姿があると感じました。一方で、一人または一企業の力ではどうしようもないことも感じました。これまでの経験こそがそれぞれの個性であると信じ、新規就農者という立場からまちづくり研究会に関わっていければと思っていますので、よろしくお願いいたします。・・>


ーーー農村の魅力が海外の子供たちを惹きつける!

 信州せいしゅん村の小林一郎さんの活躍がすばらしい。日本の素晴らしさを海外に伝え、地元の宿泊業や雇用にも貢献する最高の日本版グリーンツーリズムだと思います。
 小林さんのfacebookから引用させて頂きました。

<インバウンド商談会:幕張メッセ・相手先が決定!
幕張メッセで616日・17日の2日間に渡って行われるJNTO(日本政府観光局)主催のインバウンド商談会のマッチングがようやく整って、商談スケジュールが正式に決まりました、とデータが届いた。・・・

・・・私の相手先は中国16、ベトナム1、フィリピン1、台湾2、インドネシア1、韓国1。さあどんな成果が出て来ますか、楽しみです。

そう言えば今日中国から7月に12本のツアーが訪問したいと連絡が入った。インバウンドは確実に増えます。期待が高まりますね。(6232425日と3日間、台湾での教育旅行商談会に参加します)>


(私)本当に地道な努力を重ねて、「スマート・テロワール」への道を進んでいるように思います。今の動きに、農業改革が加われば正しく「スマート・テロワール」になると思います。

ーーー私も「反戦平和」派です。

「私の友人Kさん」より素敵なコメントを頂きました。

< 私も「反戦平和」派です。安江さんと同じく戦争をしたがっている人はいないと私も思います。
ただ、子どもたちと接していて、暴力的行為が以前より増えてきているように感じ将来への危惧を感じることがあります。

「コミュニケーションより力」という感じです。暴力的な子もしっかりと話を聞いてあげるだけで暴力的な部分が収まってきます。つまりはコミュニケーションが取れていない、取り方を知らないという現実なのかと思います。

戦争やいさかいは全てコミュニケーション不足から発生していると感じています。そう考えると、今の子たちは戦争を起こしやすい人間になってしまうのではないかと…

自衛隊の人が一番平和を望んでいると私も思っています。だからこそ海外派遣者の自殺者が多いのではないかとも安倍総理が「我が軍…」と口を滑らせあわてて訂正しましたが、実情がどうであれ自衛隊を軍隊という位置づけにしてはいけないと思います。

我が自慢の息子は、先日の日記(添付データ)に心が熱くなるようなことを書いていました。彼は真の平和主義者です。このまま成長を見守りたいと思います。

『ぼくの、しょうらいのゆめはじえいたいにはいることです。なぜかと言うと自えいたいにないって日本をまもったりせんそうがおきないようにするためです。だから、今のうちにたくさん勉強していい大学とかに行きたいです。がんばります。』 >


(私)これを読むと、俗に言う反戦平和主義者からは「軍国の親子」と評されるかもしれませんが、Kさんは決してそんな人間ではありません。ご自身で書いておられるように「真の平和主義者」です。

 更に、メル友Eさんから下記のようなコメントを頂きました。
<反戦平和主義という言葉の特異性!記事に賛同します。
私もかねがね、反戦平和が「左翼の専売特許」になっているのはおかしいと思っていました。おっしゃるようにみんな反戦平和主義です。平和維持の近道が「抑止力」なのか「話し合い」かの認識の違いだけです。

外交は昔から膨らんだ風船を皆で押し合ってバランスをとっています。つまり、ひとりが力を抜いて引いてしまったら、そこに誰かが力余って押しこんで来るのが自然で、危険を呼び込む行為です。

主に保守側の宣伝下手によると思われますが、左翼はメディアを 使い、「現政権は戦争をしたい」というイメージを植え付けることに成功しつつあり危惧しています。>

(私)「膨らんだ風船」とは巧い譬えですね。判りやすいです。

フッターーーーーーーーーーー

農楽しながら「”田舎暮らし”コミュニティ」を創る
(月刊『ザ・フナイ』より)
http://shinshumachidukuri.blogspot.jp/2014/11/blog-post.html

団塊世代の地方移住が日本を救う
http://shinshumachidukuri.blogspot.jp/2014/11/blog-post_10.html

無農薬玄(白)米の販売
http://daylanbo.blogspot.jp/2013/11/blog-post.html

籾殻燻炭の販売
http://daylanbo.blogspot.jp/2012/02/blog-post.html

農楽のすすめ!
http://tateshinadayori2.blogspot.jp/2011/08/blog-post_26.html

”田舎暮らし”動画がYoutubeに300本以上
http://jp.youtube.com/user/takasukey

メルマガ「蓼科便り」のアーカイブス
http://tateshinadayori2.blogspot.com/
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