2012年7月21日土曜日

蓼科だより・249号〜田舎暮らし情報

★ーーーーーーーーーーーーーーーーー2012年7月21日(土)★
★テーマ:キリギリス,佳境の稲作り,F1,原発と「日本的システム」
★後援:NPO法人信州まちづくり研究会
★ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー★

 夢中で次々と農作業を続けていると辺りの変化にうとくなり,ふと気がつくとガラリと環境が変化していることがあります。
今週中頃,キリギリスが勢いよくギーチョンと,それもたくさん鳴いていることに気がつきました。真夏を告げる鳴声です。昨年は,17日付のメルマガで,数日前に鳴きはじめたとありましたからきっと同時期なのだと思います。
今月は良く働きました。西日本の皆さんには申し訳ない話しですが,昨日の雨を除いたら,この1ヶ月ばかり雨らしい雨はありませんでした。お昼と夕方は汗でぐっしょり濡れた下着と半袖作業衣を全部着替えました。そして缶ビールが美味しかったこと!
ーー
稲はこの7月が一番気を使う時期です。稲穂の元ができ,その成長が始まる時期だからです。穂が眼に見えるようになる出穂(しゅっすい)の30日前にコシヒカリは穂の元(幼穂:「ようすい」と読む)が生まれると教わりました。

 出穂は8月5日頃と想定しているのですが,その20日前頃,幼穂が5ミリほどになり,穂肥を施肥する時期とのこと。ところが,ことは単純ではなく,昨秋来の施肥の量や気象により稲の成長は異なります。
 それを見分けるのは葉の色と成長具合であり,その判断により施肥量が変わるのです。私の場合,北半分は色が濃く,南半分は薄かったので,南半分に窒素量に換算して1反部当り1kgのEMボカシ肥料を散布しました。
ありがたいことに前回書きました「葉色カラースケール」があるので助かります。本当はその頃,実際に稲を抜取り,茎を切り裂いて幼穂を確認しなければならないのですが,そこまではやりませんでした。
専門家の間では,この葉色と施肥の関係には大きく二つの理論があり,不耕起移植栽培では「への字稲作」という方をとっています。私にはまだことの善し悪しを判断する能力などありませんので,今は先生の教えを忠実に実行するだけです。
最近,信州せいしゅん村の小林村長の田んぼを見せて頂いたら,やはり「への字稲作」だと一目で判り意を強くしました。緑の濃さが周りと全く違うからです。
ーー
苗が売り切れてしまい,種を採り寄せた料理用イタリアントマト「ボンジョールノ」が立派な苗になり,先週小学5年生の子供達と共に定植しましたが良く活着し,昨日誘引を終えました。

今年は種から苗を作ることを覚えましたが,大失敗したのは,昨年長崎の叔母から鞘に納まった種をもらい,すばらしく成長し実った七角オクラでした。発芽はしたのですが,1ヶ月経っても3センチばかりにしかなりません。種を差し上げた方に聞いたら,やはりダメだというのです。
結論として,交配種(F1)だろうということになりましたが,では何故去年は良かったのかという疑問が残ります。鞘に入ったのをもらったからです。今後の課題です。
参考にWebで見ると,メンデルの第一法則「優劣の法則」が出てきました。黒髪と金髪が結婚すると第一代の子供達は全部黒髪になることも書かれていました。面白かったです。

ーーーーー原発と「日本的システム」
高城剛氏のメルマガ(経済金融まぐ)に,福島原発国会事故調査報告書について下記<>内の記述がありましたが,全くその通りだと思いました。

<(報告書では)事故の根本原因について、『これまで何回も対策を打つ機会があったにもかかわらず、歴代の規制当局及び東京電力がそれぞれ先送り、不作為、あるいは自己の組織に都合の良い判断を行うことによって、安全対策がとられないまま3.11を迎えたことで発生したもの』、すなわち日本の組織を優先する考え方、そして世界標準とはかけ離れたやり方よるもの、としています。



この問題は、多面的にいくつか別の問題を内包しています。まず、原発事故の問題を日本の文化論で片付けてはいけない、ということです。かねてから、このメールマガジンや自著でも書いていますように、日本の問題は「日本式システム」にあります。


  匿名的で不透明なシステムは、なにも原発事故に限った話しではありません。年金や財政も、いつなにが噴出するか、まったくわからない上に、それを追求するマスメディアまでもが、この「日本式システム」に内包されていることが、日本の悲劇だからです。ですので、いまも今後も自浄作用は働きません。

・・中略。続いて、今回の国会事故調査報告書は、実は日本語版と英語版の一部が違っていて、英語版には権威に盲目的に従う国民性について書かれていますが、日本語版には書かれていません。

・・中略。世界に配布された英語版には、事故の根本原因が日本人に染みついた慣習や文化にあるとし、権威を疑問視しない、反射的な従順性、集団主義、島国的閉鎖性などを挙げ、それが「メード・イン・ジャパン」と日本人自らが喧伝していると、海外で記事になっています。>

(私)「日本式システム」のことは,「人間を幸福にしない日本というシステム」(ウォルフレン),「犬と鬼・知られざる日本の肖像」(アレックス・カー),満州事変(緒方貞子),「昭和16年夏の敗戦」(猪瀬直樹)等の著書に共通する結論です。
立派な皆さんの仰ることがこれだけ共通すれば,問題の本質をついているとみていいと思いますが,声高にこの「日本式システム」について論じる学者やメディアはあるのでしょうか。どなたかご教授下さい。
そして,「それを追求するマスメディアまでもが、この「日本式システム」に内包されている」とありますが,前回書きました米ギャラップ社の「2011年度世界メディア報道自由度調査」の結果がその事実を如実に表しています。
日本人の66%が報道の自由が守られていると答えているにも関わらず,世界から見た客観的自由度は64位で,台湾の17位より89位の中国の方に近いとは驚きです。
 この数値が絶対的な評価ではないにしても相対的には当っているとすれば,日本のメディアの「日本システムへの内包度」はかなり高く,日本人のマインドコントロール度は中国に近いことになります。
 しかも,このショッキングな発表を日本のマスコミは誰も報道していません。できませんよね,自己否定ですから!
 日本人の多くは中国の諸々の酷さを感じていると思いますが,もしかしたら欧米人は日本が中国を見るような目で日本を見ているのではないでしょうか!?
ーーーーーあとがき
頂いている材料はたくさんあるのですが,長過ぎるのでやめます。
来週からまた暑くなりますが,私は暑い方が好きです。
8月生まれですから。

ーーーーーブログを更新しました
いよいよ始まった,21世紀の”まちづくり”
http://shinshumachidukuri.blogspot.jp/2012/07/21.html
チャールズ皇太子の”まちづくり”
http://shinshumachidukuri.blogspot.jp/2012/06/blog-post.html

ーーーーーYoutubeアーカイブス
虫たちの夏
http://www.youtube.com/watch?v=f03wj0TRzZE

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「田舎暮らしコミュニティ」のすすめ!
http://shinshumachidukuri.blogspot.com/2011/10/blog-post_9187.html

”田舎暮らし”動画がYoutubeに300本
http://jp.youtube.com/user/takasukey

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

0 件のコメント:

コメントを投稿