2012年11月19日月曜日

蓼科だより・266号〜田舎暮らし情報

★ーーーーーーーーーーーーーーーー2012年11月17日(土)★
★テーマ:初雪,冬支度,アメリカ視察,日中関係論,東京裁判
★蓼科便りは,”田舎暮らし”と地域(長野県東信地区)の情報をお伝えします
★発行:田舎暮らし世話人・安江高亮
★後援:NPO法人信州まちづくり研究会
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  15日の夜更けに雪が散らつきました。すぐ雨に変わり融けてしまいましたが我家の初雪でした。しかし,標高1500mの蓼科の観光地ではもう2度も除雪出動がありました。

 冬支度に気ぜわしいこの頃です。晩秋の数少ない植付け・ニンニクとタマネギの定植も終りました。今シーズン最後の収穫はダイコンとヤーコンですが,来週の予定です。
 ビニールシートで防寒したトマトも,未熟なトマトをたくさん残したまま,数回の霜と雪の寒さでついに葉がダメになってしまいました。青いまま残ったトマトはピクルスする予定です。
 食べるホウヅキは,かなり弱ってはきましたがまだがんばっています。案外寒さに強い植物です。驚くのはラズベリーです。今のところ健在です。来年はもっと増やそうと思います。

 先週から始めた田んぼの不陸(高低)直しがまだ終了しません。雨が降ると2日ほど入れないからです。このような作業が実際の稲作りより多くの時間がかかっています。何でも軌道に乗せるまでが大変です。段取り八分とか苗八作とか言いますが本当です。
 昨日は,春から秋まで楽しませてくれたキュウリ,ナス,ピーマン,シシトウ,ゴーヤ等の樹を全て抜き取りました。だんだん野菜造りのコツが判ってきて,何れの野菜も昨年より良いものがたくさん採れました。70点と自己評価しています。

 一番の自己評価は完全無農薬・無化学肥料で育てたことです。大した病気も出ずに良いものが採れたのはEM(Effectve Microoganismus:有用微生物)の効用があったのではないかと考えています。私の土作りは,腐葉土と籾殻燻炭とEMボカシと草堆肥+EM活性液が基本です。
 特に主食の米が無農薬で作られるのはすばらしいと思います。10年以上も不耕起移植栽培を続けている先輩方の話しではアトピー等の病気が改善された,直ったというような話しも出ています。こういう話しは眉唾に思われるかも知れませんが本当です。

ーー「たかすけのお米」をお買上げください!
 詳細を,「デーランボー」のホームページにアップロードしました。僅かばかりで恥ずかしいですが,ご注文をお願いいたします。
 100kg販売予定のところ,出荷したのは現在まだ20kgです。普通のお米より高いですが,内容はあるつもりです。主食は無農薬で!
 詳細は下記URLをご覧下さい。
http://daylanbo.blogspot.com/

ーーーーーアメリカへ視察に行きませんか?

 私の”まちづくり”の恩師戸谷英世先生の企画・コーディネイトしている質の高い視察です。
 内容が盛りだくさんですが,私が強調したいのはフェニックス(アリゾナ)の「農業と住宅を一体にしたアグリトピア」と,ラスベガスのインターナショナル・ホームビルダーズショー(毎年一回)の視察です。

 下記URLからこの視察企画をご覧下さい。申込みもできます。その際,「安江から聞いた」と告げて頂ければ幸いです。
http://www.hgkk.co.jp/new/201210291864.html

 アグリトピアについては,NPO法人信州まちづくり研究会のホームページに説明を掲載しています。判りやすく書いたつもりです。下記URLからお読みください。
アグリカルチュラル・アーバニズムの実践

 インターナショナル・ホームビルダーズショーについては下記を:
National Association of Home Builders (NAHB)

ーーーーー在中国日本人の刮目すべき日中関係論!

(facebookにも掲載しました)
 NPO法人信州まちづくり研究会斎藤理事長のご縁で,緊迫している日中関係について,(株)アクアビジネスコンサルティング 代表取締役社長高田勝巳氏より, 現実的で斬新で高邁な論文を頂戴しました。
 多くの皆さんにお読み頂きたいと思います。賛否両論あると思います。ご本人もご意見を頂きたいと述べておりますのでお願いいたします。
「今後の日中関係について」

 ごく一部分を引用します。 
<日本では、今回、2010年の漁船の衝突事件で、中国側が一方的に挑発をして来たという意見も根強いようですね。仮に本当にそうだとしら、それは反日的な保守的な勢力の仕業かもしれませんし、本流のリーダーたちが、日本に対して報復したい衝動を抑えられなかったのかもしれません。だとしたら、何なのでしょうか、挑発されたらすぐに反撃するのが唯一の毅然として態度なのでしょうか。挑発したい勢力をうまくいなすのも、同じく毅然とした態度ではないでしょうか。日本は、過去の日米開戦において、米国に挑発されて真珠湾で仕掛けた結果、米国の思うつぼになったのでないのでしょうか。二度と同じ過ちを起こすことのない様に肝に銘じたいと思います。>

 下記は締めの文です。
<最後に、日本の皆さまにご理解いただきたい事があります。それは、東日本大震災の日本人の勇気ある行動を見て、多くの心ある中国の人たちはすでに十分日本人の芯の強さ認識し、尊敬しているということです。
 強い日本を再認識した、だからこそ、日本が誤った方向に進んでしまうと大変なことになると誤解して、過剰反応してしまうところもあるのだと思います。
 どんなに中国が経済、軍事大国になろうとも。ですから日本人も絶対に焦ってはいけないと思います。真の強さとは何かを考え、もっと自信をもっていきたいものです。>

高田氏については下記ホームページをご覧下さい。

(私)の友人である中国人女性(日本人と結婚して上田市に住んでいる)も下記のように書いてきています。<ありがとうございます。私もそう信じています。テレビのニュースに出ている中国人はすべての中国人の代表じゃありせんし、大体そういう人は生活に不満があって、ただ自分の不満を発散したいだけです。日本に友好的に思っていいる人が本当にほとんどですよ。>

ーーーーーすごい本を読みました:「東京裁判」!

 戸谷英世先生からご紹介いただいて,初めてこんな重い本を読みました。
「東京裁判ー第二次世界大戦の法と秩序の追求」(戸谷由麻著:みすず書房)です。 456ページの文字ぎっしりの単行本です。近所にはなくて,長野県立図書館から借りました。(インターネットで申込むと往復の送料図書館もちで貸して頂けます!)
 
 私は「東京裁判」に関する他の書物を読んでいないので,比較することなどできませんが,浅学を顧みず感想を述べさせてもらえば,非常に冷静な目で,偏らず,裁判の証拠書類と賛否両論の諸論文を解析・論評しています。しかも,その判断の価値観が私には公平・普遍に思えました。
 よく話題になるパール判事のことも検証はもちろん,近年のアメリカ世論がパール判事の反対意見に近いことなども冷静に分析し,功罪両面を詳細に論評しています。

 私が今まで東京裁判について漠然と疑問に思っていたことのほとんどの謎が解けました。
 事後法論争の経過,天皇の戦争責任はどうなったのか,平和と人道に対する罪とは,共同謀議とは,原爆は虐殺ではないのか,連合国側には戦争犯罪はなかったのか,朝鮮と台湾の植民地統治が何故とりあげられなかったのか等々です。

 著者は,戸谷先生の娘さんです。
 2005年カリフォルニア大学バークレー校で博士号取得(歴史学専攻)。ハーヴァード大学エドウィン・O・ライシャワー日本研究所を経て、ネヴァダ大学の歴史学部助教授。2008年からハワイ大学の歴史学部助教授。(みすず書房ホームページより)

 膨大な裁判記録と証拠書類,諸論文を検証してこの本は書かれています。内容については,余りにも多岐にわたり膨大すぎて,短い文章の中でとても書けるものではありません。

 著者が結果として『まとめ』の中に下記のようなことを書いていました。(私が意訳しています)
<ニュルンベルグ裁判と東京裁判は,人道主義の思想を現実的な国際法として発展させていく過程に貴重な遺産を残したのであり,この事実は積極的に評価されていくべきであろう。>

 この本を読むと上記のことが納得できます。ただ,これだけ読むと東京裁判を無条件に肯定しているように感じられるかと思いますが,そうではなくて,東京裁判には負の部分もあるとして,それらも詳細に論述しています。
 下記は安中さんから頂いたのですが,ニュルンベルグ裁判と東京裁判の歴史的位置付けが大局的に理解できます。
<ニュルンベルグ裁判と東京裁判は、戦争の後始末を、初めて裁判という形で行った画期的な試みと評価しています。
 それ以前の処理方法は、領土の割譲と賠償金でした。日清・日露戦争、第1次世界大戦の処理を見れば明白です。
 さらに、それ以前の時代は敗戦国のリーダーの斬首、さらに以前は、敗戦国の国民の奴隷化でした。
しかし、第1次世界大戦後、多額の賠償金に苦しめられたドイツがナチスを産んだことを反省し、第2次世界大戦の処理には裁判が用いられたわけです。>

 戦争裁判は,人類史上初めての試みだったんですね。こんなことも知らなかったと恥ずかしい限りです。

 私の読後感は,近現代史の重要性,特に第二次世界大戦の敗北とその処理について理解することの重要性に気がついたということです。全て我々の親達がやったことです。
 このことは,今の日本人の出発点であり,自分の立ち位置を知る座標軸の原点なのではないかと思うようになりました。

 近年,日本の漂流とか,アイデンティティの喪失とか,政治の混迷とか,若者の無気力とか,いろいろ社会不安を憂えることが言われていますが,この座標軸の原点を認識していないために起こっているのではないでしょうか。

 またしても,難しいことを長々と書いて恥さらしをしましたが,大勢の人にこの本を読んで欲しい気持ちでいっぱいです。
 どなたかこれを読まれた方,或いはこれからお読みになる方は是非ご感想をお聞かせください。

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「田舎暮らしコミュニティ」のすすめ!
http://shinshumachidukuri.blogspot.com/2011/10/blog-post_9187.html

農楽のすすめ!
http://tateshinadayori2.blogspot.jp/2011/08/blog-post_26.html

”田舎暮らし”動画がYoutubeに300本以上
http://jp.youtube.com/user/takasukey
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