2013年6月16日日曜日

蓼科だより・296号〜田舎暮らし情報

★ーーーーーーーーーーーーーーーー2013年6月15日(土)★
★テーマ:除草の困難,発達障害,米中首脳会談,
     沖縄の領土問題,ヒマラヤを越える鶴
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 6月2日に「手一本植33」の田植えをして,6月7日には第1回チェーン除草を縦方向に,8日には第2回を横方向に,13日には第3回目を行いました。

 第3回チェーン除草を行った後,効果を確認しました。アチコチに白い根のついた小さな草が浮いていて,風下の畦際にはその小さな草がビッシリと集まって浮いていました。長さは根共2~3センチでした。
 かなりの効果があったと思われますが,定かではありません。田に入って,土をそっとすくい上げて観察すると,前よりは大きく減っていましたが,ゼロではありませんでした。

 チェーン除草とは,チェーンを引きずって目を出したばかりの草を取り除いてしまおうという無農薬稲作で使われている除草法です。
 この道具は,2m程の軸(VPφ50)に長さ25センチ程のチェーンを5センチ間隔で簾のように取付けたものです。この軸の両端にロープをつけて,そのロープを首と肩に架けて田んぼの中を引きずって歩くのです。

 2年前,滑車とロープを使って,自分は畦の上を往復するだけで,田んぼに入らずにチェーン除草する方法を開発したのですが,試行錯誤の末,直接田の中を歩いてしまった方が早かったのです。
 今年は3回とも1時間以内で終了しています。16アールを50分とすると,100アール(1町歩)やっても5時間程です。軽労働でもありませがヒドイ重労働でもありませんので,2〜3町歩まででしたら十分対応できると思います。

 しかし,それ以上の規模の無農薬稲作を目指すとしたら機械力を導入するか(既に仲間が開発済),チェーン除草に頼らない除草法を確立するしかありません。この課題の克服が無農薬稲作の最も重要なところだと思います。

 ですが,私が目指している自給自足の米作りであるなら,一人分たったの10m四角ですから,何の道具がなくとも,手作業で除草が可能です。運動の範囲です。

 不耕起移植栽培の除草は,20センチの深水を維持することにより,水草の発芽を抑制するのが基本です(科学的に論証されている)。しかし,田植えの前後と稲刈りから脱穀までの間は,どうしても水位を下げざるを得ないので,その間に発芽してしまった草は取り除かなければなりません。

 農業をしたことが無い方に除草への取組みの困難さをご理解頂くのは難しいと思いますが,農業の難しさの第一関門は草退治だと言っていいと思います。昭和30年代までは「田の草」と言って,人間が炎天下の田んぼに這いつくばって手で草を採ったのです。それを最低3回はやったそうです。
 今の我々にはとても耐えられない重労働であり,それで昔のお年寄りは皆背中が曲がってしまったのです。
 そして,この過酷な重労働から解放してくれたのが除草剤です。薬剤を振りまくだけで田んぼは畳のお座敷のように草が一本もなく美しくなるのです。その結果,安定生産と多収化が進み,兼業も可能となり,日本の米作りが成立っていると言って良いと思います。

 しかし,一方に薬害問題があります。
 もし,薬害を恐れてこれを禁止するということになれば,現在の農法と常識から察すれば,99%の農家が米作りを止めてしまうと思います。この現代にあって半世紀前の奴隷のような労働に戻れと言ったら,死んだ方が良いと思うのではないでしょうか。

 ここに,薬害を恐れながらもそれを規制できない大きな理由があります。農協が,農薬と化学肥料で儲けているからだという主張も多くありますが,需要が大きいことも事実です。

 こういう現実を認めながらもそれを良しとする訳にはいかないので,我々「NPO法人ほたるの居る田んぼを創る会」は,不耕起移植栽培(無農薬)に取組んでいるのです。

 農薬と発達障害の関連性の疑い,ネオニコチノイド系農薬と蜜蜂異変の関連性の疑い,何れも欧米の方が対策が進んでいます。
 欧米と日本の大きな違いは,前者は「疑わしきは採用せず」,後者は「害が立証されない物は規制しない」です。
 私はこの世界に「疑わしきは罰せず」の原則を適用するのは違うのではないかと思っています。この原則は「第三者に罪をきせる時」に使われるのであって,「第三者を救う時」には「疑わしきは採用せず」でなければおかしくないでしょうか。

ーーーーーS様より発達障害についてコメント

 <農業の事、原発の事、慰安婦の事全て納得ですが、発達障害の事には異論が在ります.前にも家内がメールした孫の男の子について、数ヶ月前迄担任の先生、教頭先生から発達障害児で困っているとさんざん言われていたのですが、担任の先生がいなくなった後1週間で元気に成りました。

 先日孫に聞いてみたら当時は学校に行くのが嫌だったとの事でした。疑問に思う事を何でも、とことん聞く子供だったのが疎まれたのでしょう。1年前に私が教えた将棋も4級になり、私は敵わなくなり将棋教室へ行っています。
 空手、ピアノも、しっかりやり1年から一人で遠くの学校にも通っています。全て先生の都合の良い生徒だけが優良児で、他は発達障害児で切り捨てる公立学校のやり方、或は日教組の方針なのでしょうが、どんどん発達障害児を増殖させているのだと思います。
 私も小学2年のとき半年京城の国民学校で不登校生になりました.今の基準から見て発達障害児でしょうね。>(6月12日)

(私)コメントをありがとうございます。こういうこともあるかと思います。先生方が軽率だと思います。先生方の方にも問題ありと思っている一人なので,教師の質の向上が急務だと感じています。
 私自身も子供たちを見る時に気をつけなければいけないと自戒しているところです。

ーーーーー農薬と発達障害

唯臥独村さんよりコメントを頂きました。

 <ミツバチ大量死事件とネオニコチノイド系農薬や発達障害の問題については、既に『蓼科だより・272号』で述べられていましたね。その後の、『蓼科だより』でも何度も言及され、『275号』では、『脳の発達と化学物質・子どもの脳が危ない』を紹介されています。
 私の子供の頃(昭和30年代まで)は、「発達障害」の子供は一人もいませんでした。当時は農薬などはほとんど無く、パラチオンなどの農薬が問題にされ始めたのは、もっと後のことだと思います。
 残留農薬と発達障害は科学的にハッキリと証明されたわけではありませんが、以上のことからも、私は何らかの因果関係があると言わざるを得ないと思います。
 ダイオキシンの問題も含め、一刻も早く何らかの手を打たないと、外からばかりでなく、内部から日本民族が滅んでしまいます。
 文科省や教育界は、この問題をどう捉えているのでしょうか。>

(私)ありがとうございます。発達障害の子供は厚労省の発表では小中学生だけで60万人となっています。もし薬害が原因として考えられるとすれば,むしろ農薬を激しく使った昭和30年代から昭和60年代にかけて育った世代にもっと多いのではないないでしょうか。

 オーム真理教事件に関わった者達,誰でも良いから殺したかったと言いながら無差別殺人をした者達等は皆そうではないでしょうか。更にカウントされていない小学生未満を加えると恐ろしい数字になるような気がします。
 残念ながら発達障害が脳の欠陥であるなら,脳の異常は直らないと聞いています。もしそうであるなら,社保庁は障害者としてカウントしなければならない筈ですが,やっているのでしょうか。
 これからの若者は,我々高齢者だけでなく彼らも養わなければならないのです。
 日本は大丈夫なんでしょうか。

ーーーーー米中首脳会談について

表題について,「アクアビジネスコンサルティングの6/12メルマガ」より納得の日米中の関係論だと思いました。

<米中首脳会談についての日本のメディアの報道を見ていますと、米国は、日米同盟よりも、米中関係の方を重視していること(少なくとも首脳会談の時間では間違いなく)に対する懸念に満ち溢れていますね。
 何か、日本と中国で米国の寵愛を争っているかのような錯覚さえ感じさせられます。なかには「密約」があるはずとかいう報道もあります。

 あるに決まってますよね。「密約」は、外交にはつきものだし、キッシンジャーの北京訪問のときからあるそうですから。なんで今さらそんなに心配なのでしょうか。冷静に考えれば、米中はかつてよりお互いに仮想敵国という側面と、日本に対する戦勝国としての立場と両方あるわけですよね。
 経済的には、第二第三の中日ですけど、片や中国は核武装もしている軍事大国であり、更に米国国債の最大の債権者であるのが中国ですから、米国の対応が違って当然のことではないでしょうか。
 我々日本人はそうした現実を当然のこととして、平然とした態度で自分の立ち位置を考えればいいのではないかと思うのですが。
・・後略。>


(私)全部掲載できないのが残念ですが,発行者高田さまのご許可を頂いておりますので,ご希望がございましたら別メールで添付致します。
 日本のメディアでは読めない視点からみた論評だと思います。
 下記URLからこのメルマガ(ブログ)の配信を申込むことができます。
ーーーーー中国が沖縄の領土問題

 正直なところ沖縄の歴史はほとんど勉強していませんでしたが,「国際派日本人養成講座」の下URLに概要が書かれていました。その一部に下記のような記述がありました。
<沖縄の歴史が明瞭になってくるのは、12世紀頃からだ。源為朝が沖縄本島南部の豪族の娘との間にもうけた舜天(しゅんてん)が王となり、沖縄を統一したと言われている。沖縄の旧家の長男に「朝」の字が多いのは、「為朝」にあやかりたいという願望からだと言う。
・・中略。
 慶長14(1609)年、薩摩軍が約3千人の部隊をもって琉球に進攻した。慶長5(1600)年の関ヶ原の合戦以降、外様となって財政難に陥っていたこともあって、琉球王国の朝貢貿易に着目したのである。>

ーーーーー「ヒマラヤを越える鶴」

メル友T様より感動の下記Youtubeをご紹介頂きました。
テレビでも放映されたそうですが、素晴らしいです。
この詩の和訳も頂きました。
ご希望の方には別送致します。

http://www.youtube.com/watch?v=_skh3a-h_uA
以下はインターネットにあった解説です。
Demoiselle crane or Mongolian common crane

<鶴は何千・何万という群れとなって、たった数日間だけしか吹かないという上昇気流を捉えて、9000メートルの上空に巻きあがり、みごとな隊列を組んで、その年にシベリアで生まれた雛鳥も隊列に入れ、越冬地のインドに向かってヒマラヤを越えていくのです。先頭を飛ぶリーダーの鶴を後ろの鶴が励ますように鳴き交わします。
お念仏を称え、称えしながらみんなで力を合わせて、誰をも落伍させることなく向こうに連れて行ってやるとヒマラヤを越えてゆくのです。リーダーの鶴が疲れると後ろに下がります。するとまた別の鶴がリーダーとなって飛ぶのです。
カメラがとらえたその姿の懸命さとけなげな息遣いは、こちらにまで伝わってくるような感動でした。>

ーーーーーフッター

新しい国づくりの考え方「公と私」
http://shinshumachidukuri.blogspot.jp/2012/01/blog-post_28.html

「田舎暮らしコミュニティ」のすすめ!
http://shinshumachidukuri.blogspot.com/2011/10/blog-post_9187.html

農楽のすすめ!
http://tateshinadayori2.blogspot.jp/2011/08/blog-post_26.html

”田舎暮らし”動画がYoutubeに300本以上
http://jp.youtube.com/user/takasukey

メルマガ「蓼科便り」のアーカイブス
http://tateshinadayori2.blogspot.com/
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