2017年7月16日日曜日

蓼科だより・508号~田舎暮らし情報

★ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー2017年7月15日(土)★
★テーマ:
「地域食料自給圏実証実験」見学会、銀座ミツバチプロジェクト、
     田んぼで餌作りの異常、『アメリカの鏡・日本』、
★蓼科便りは,重農主義を尊重し、地域自給圏構築をめざします!
★発行:田舎暮らし世話人・安江高亮(090-3148-0217)
★後援:NPO法人信州まちづくり研究会
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 福岡、大分の皆さんには心よりお見舞い申し上げます。
 異常気象が、人類がもたらした環境破壊のせいなのか、それとも長い地球の歴史が示
す宇宙的な変化の結果なのか、議論が別れるところでしょうが、私の子供時代と違って
、化学薬品や巨大な機械によって、常識では考えられないことを自然に対して仕掛けて
きたことも事実です。現実に自然界の異常を感じるので、問題意識を持たない訳にはい
きません。

 困りました。稲の分げつ(株が増えていくこと)が悪いです。今年の苗は過去最高の
良いできでした。にも関わらずです。何故か、私には原因が判りません。抑草効果を狙
って、今年は今までより深水管理を徹底しました。その深水が稲の分げつを妨げている
かもしれません。収量が狙いではないと言いながらも面白くないです。

 キュウリが本格的に採れ始めました。毎朝5〜6本採れます。ナスやナンバン、ピーマ
ンも採れ始めました。トマトが色づいてきました。ジャガイモの樹が枯れだしたので、
掘る準備をします。

ーーー「地域食料自給圏実証実験」見学会

 昨日14日、長野県農政部が自給圏構想(スマート・テロワール)実現に向けての実証
実験の内容を初公開しました。待っていた見学会です。主催は長野県農政部ですが、
催者は阿部知事から委嘱を受けた「食の地消地産アドバイザー」松尾雅彦氏です。
 我がNPOの会員にとっては、記念すべき嬉しい日でした。

 会場は、小諸駅から車で10分もかからない御牧が原(みまきがはら)台地にある長野
県野菜花き試験場佐久支場(小諸市大字山浦:長野県農業大学校小諸キャンパスに併設)。

 この実験計画は昨年4月、松尾氏がアドバイザーに委嘱されてから、農政部から発表
されましたが、昨年9月時点では「準備を進めている段階」とのコメントで、開始時期
については危ぶまれていましたが、今回、整備された圃場で、生育した作物が見られる
状態で、具体的に輪作と観測・実験の内容が明らかにされました。

 見学会は、昨年夏まで草地だっという比較的平坦で風光明媚なところにある実験圃
場で行われました。実験圃場は7,500平方米。説明場所になった僅かに高い圃場脇の道
路から一望できます。すてきな場所です。

 参加者は50名ほど。メディアによる事前告知もなかったにしてはよく集まったなとい
う数でした。農業関係者と見られる人々が多かったですが、若い人が半数近くいたのに
も驚かされました。若い人たちの関心が高いのはありがたいことです。

 開会に続いて、主催者である松尾アドバイザーの挨拶と説明がありました。10分ばか
りのお話でしたが、内容は盛りだくさん。羅列します。

 日本全体の食料自給率が下がっていること、日本人の主食が肉になってしまったこと、
その餌の大半がアメリカからの輸入であること、余剰の田んぼを畑に直して穀物を生産
すれば、家畜の餌が確保でき、現在20%ほどしかない自給率を50%にするのも夢では
ない。この実験はそのためのものである。

 この実験圃場では、まず常識の栽培から初めて5年かけて栽培技術と品質を上げてい
。その穀物を、地元の加工業者と連携し、加工し販売する。省きと余剰は畜産の餌と
して無償で供給する。畜産農家からは畑に無償で堆肥が供給される。

 大事なことは、みんなで手を結ぶ(契約栽培)こと、団体戦にすること。そうするこ
とによって、東域に食の循環の仕組みができる。王や長島の活躍も、ジャイアン
ツがあったから、セリーグがあったから、日本野球機構があったからです。

 豚肉は95%が輸入です、豚を飼って世界トップレベルのハム・ソーセージ・ベーコン
を作りましょう。浅間山の裾野に広がるこの地域は日本で最も恵まれている地域です。
今、日本一美しいと言われている北海道美瑛町をしのぐ美しい東信域を作ることが
できる筈です。

 大きなビジョンを持って実証実験を進めましょう。と締めくくられました。

 続いて、県職の方から、この実験の目的は食の地域内循環システムのモデル体系を
検証すること、実証内容は、畑作輪作・耕畜連携実証と農産物加工・地域内消費実証
の2つであること、そして5年計画であることの説明がありました。

 圃場の現場の説明は、山下亨支場長からありました。図が添付できないのが残念で
すが、7,500平方メートルが、ジャガイモ⇨小麦⇨子実トウモロコシ⇨大豆の輪作区と
連作区に分割され、更に輪作区が夫々堆肥区と無堆肥区に分割されていました。全12区
画です。これなら、連作と輪作、堆肥と無堆肥の完璧な比較ができると思いました。
支場長がはりきって取り組んでいる様子が伺えて、頼もしく感じました。

 説明が終わると、圃場内自由見学となり、作付けや育ち具合など見て廻りました。
小麦は既に昨年秋に蒔かれていて、その他の3つの作物も既にかなりの大きさに育っ
ていました。

 最後に、クボタほか2〜3のメーカーによるGPS機能を備えたドローンによる薬剤散
布や葉色観察の説明実演が行われ終了となりました。数十ヘクタールの圃場或いは牧草
地を管理するにはこれは必要だと感じました。

 この自給圏のための実証実験は、やはり松尾さんの指導で、山形県鶴岡市にある山形
大学農学部では1年前からスタートしていて、去る5月には大学の畜舎で育てた豚肉加工
品の試食会が行われ、1000人近いお客が訪れ非常に好評だったと報告を受けています。

 今回の見学会については、当NPOには通知が頂けず、危うく見逃してしまうところで
した。我々は招かねざる客なのかな、とちょっと拗ねた気持ちもありますが、本当にす
ばらしいことが始まったのだと実感しました。松尾さんに、阿部知事に、農政部の皆さ
んに感謝の気持ちです。

 是非成功させていただきたいと祈る気持ちです。

 尚、山形と長野の自給圏実証実験のリポートは、月刊誌『農業経営者』に毎月掲載さ
れます。私はメルマガ購読をしています。とても素敵な農業誌だと思います。

ーーー銀座ミツバチプロジェクト

 白坂亜紀さんからの銀座の便りです。
 このプロジェクトはすばらしいです。
 ビルの屋上で、1回に200リットルもの蜂蜜を絞るなんて想像できますか!
 飛んで行きたい気持ちですが、残念です。
 お近くの方々、お楽しみください。

★銀座ミツバチプロジェクト  http://www.gin-pachi.jp/ 屋上での養蜂作業は毎週土曜日朝9時~
 ※正会員・賛助会員募集しています

★日本料理 穂の花  http://www.ginzahonoka.com/ 7月のイベント「鱧しゃぶと鱧づくしコース」
 719日~22日  御一人様 12000円(税・サービス料・飲み物別)

ーーー餌作りにロータリーや田植機を使っていることの異常さ

 月刊『農業経営者』メールマガジンからです。この月刊誌は常に日本農業の本質的な
の問題を取り上げ特集していると思います。

<・・もちろん、様々な条件から水稲作業の技術革新に取り組めないでいることは承知
しています。しかし本当にそうなのでしょうか。

考えてみてください。稲作のある先進国で直播というよりロータリーで耕うんをし、代
掻きをしている国があるでしょうか。フランスやイタリアといえども、水の溜まる場所
で水稲作が行なわれています。でも、そこでは当たり前にディスクプラウやボトムプラ
ウで耕し、駆動式の代掻きハローなどは使いません。かの国と日本とのコメ生産コスト
差が圃場規模や経営規模の違いとしてばかり語られますが、こうした技術体系の違いが
指摘されることはまずありません。

我が国の圃場区画のあまりの小ささが障害になっているのは事実だとしても、水稲作に
おける慣行水田作業体系から畑作技術体系への転換は、長期的にはコメ市況の低迷が想
定される中で必須のことです。

今後、米価上昇を政治・政策的に求めていくことに無理があることはどなたも理解して
いるはずです。コメ市況を高値維持するために高額の交付金をばら撒いて飼料米作りを
勧める水田政策はやがて国民の支持を得られなくなります。ましてや、交付金で成り立
つからと、餌作りにロータリーや田植機を使っていることの異常さに気付くべきでしょ
う。・・>

乾田直播 できない理由探しはもう止めよう
http://agri-biz.jp/item/detail/4559
(私)「ましてや、交付金で成り立つからと、餌作りにロータリーや田植機を使ってい
ることの異常さ」。これは余剰田んぼの畑地転換の大きな理由の一つです。 

ーーーマッカーサーが発売禁止にした『アメリカの鏡・日本』

 致知のメルマガからです。このことは、以前に2回ほど掲載していますが、是非読ん
で頂きたいほんです。戦後、GHQの占領下にあった日本で米軍の女性将校が書いた本
です。欧米帝国主義国を批判したこんなすごい本を他に知りません。私はその内容が正
しいと受け止めています。
 日本では発売禁止にしましたが、アメリカでは発売を認めました。アメリカを批判し
ているのに、そこがアメリカのすごい側面です。

★フッターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー★
農村消滅論から大転換
「スマート・テロワール : 農村消滅論からの大転換」を読んで
http://shinshumachidukuri.blogspot.jp/2015/07/blog-post_9.html

農楽しながら「”田舎暮らし”コミュニティ」を創る
(月刊『ザ・フナイ』より)
http://shinshumachidukuri.blogspot.jp/2014/11/blog-post.html

無農薬玄(白)米の販売
http://daylanbo.blogspot.jp/2013/11/blog-post.html

農楽のすすめ!
http://tateshinadayori2.blogspot.jp/2011/08/blog-post_26.html

”田舎暮らし”動画がYoutubeに300本以上
http://jp.youtube.com/user/takasukey

メルマガ「蓼科便り」のアーカイブス

http://tateshinadayori2.blogspot.com/
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