2011年10月1日土曜日

蓼科だより・207号〜田舎暮らし情報

★ーーーーーーーーーーーーーーーーー2011年10月1日(土)★★今回のテーマ: 苦戦した稲刈り & 浅川氏著書
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 28日(水)から一人で始めた稲刈りが今日でほぼ終了しました。
昨年は体験希望の皆さんと楽しもうと思い,土日に合わせようとして天候の具合が巧くいかず,結局1ヶ月も遅れてしまいました。今年は予告した24~25日が流れてしまったので,ひとりでやることにしたのです。
 一般的な農法であれば一人でも2日あれば楽勝ですが,昨年から有機・無農薬栽培に移行し,今年からは更に不耕起移植栽培に移行した関係で思わぬ障害に遭遇してしまいました。私にとっては全く想定外(本当です)のことでした。
以前に書きましたが,不耕起専用田植機のシステムと強粘土の適合の悪さから,植えた苗が半浮き苗状態になり100%活着にならなかったのです。私の感覚的な判定では30%位の活着だったと思います。
どうもおかしいと思い気がついた時には1ヶ月以上経っていましたので手の打ようがありませんでした。後日一部始終をYoutubeに公開しますので,今後この農法に挑戦なさる方は参考にして下さい。根を抜いて見ると昨年の3分の1位しか着いていませんでした。

結果として,分けつ(稲の茎数が増えること)が5~6本から20本(普通は20本から30本)にしかならず,成長も80%ほどにしかなりませんでした。
 おまけに,稲の生長が悪いので田面に太陽光が充分入るので草の生長が旺盛で,コナギが全田面に憎らしい程見事に生え揃いました。ホタルイは田の草取りでかなり取りましたが。
 完全に失敗です。ですが,決して不耕起移植栽培が悪いのではありません。私のやり方の問題です。原因は土が堅かったためです。対処策は決めていますので次回は失敗しません。
このために,稲刈りが難航しました。草が邪魔して機械の結束と排出が巧くいかないのです。そこで,稲刈り機の底に7センチほどのゲタを履かせ高い位置で刈り取るようにしたのです。それでも一部分機械で刈れないところが残ってしましました。
従って,稲束の状態が悪かったので,ハゼかけする時ひと束づつ不具合を直しながらかけていったので3倍程時間がかかったと思います。

一般の農法では除草剤を使いますので,田面は本当にきれいなもので何一つありません。ですから,田の草取りは不要(わたしは今年も20日以上)で,全ての作業がスムーズにいきます。
 勤め人であったり大規模に田んぼやっているのであればとても私のようなことはやってはいられません。一般の農家からみれば私のやっていることなど気違い沙汰です。
私は農園アスレチックだと思って田の草取りをやっているので良いのですが,兼業の方や大規模農家は除草剤なしには不可能だと思います。

世間に有機・無農薬栽培が理想の農業のようにイメージアップされていますが,それが実現性を持つのは全員が昔のように自給自足をする時でしょう。
もちろん私は限りなく有機・無農薬栽培を目指しますが,かと言って時間は有効に使いたいので何時までも20日以上もの田の草取りはやりたくありません。腹に策はあります。

ーーーーー農地法??
 20年程前から折に触れて農地については研究しているのですが,今回またしても奇妙なことに気がつきました。
農地法或いは農業基本法から派生する市民農園整備促進法,特定農地貸付法,農業経営基盤強化促進法等のややこしい法律がありますが,ごく一部の例外を除いて,農地を活用するに当って「営利を目的としてはならない」となっているのです。
宗教だって営利をやっています。「業」とつく産業に何故このような考えがまかり通っているのか理解できません。こんなふうに考える私がおかしいのでしょうか。どなたかご教授願えないでしょうか。

ーーーーー「日本の農業が必ず復活する45の理由」(浅川芳裕著/文春)
前著「日本は世界第五位の農業大国」をより深く掘り下げ,且つ新証言を付け加えています。ごく一部ですが要約してみます。ーーとーーの間。
ーー
 全体を通して透けて見えてくるのは,農水省が全ての統計,あらゆる分析を操作して打出す政策の全てが「自給率の向上」一つに集約されている状況です。それを裏打ちしているのが,食料に関する全分野における危機感の醸成です。
そして,全ての危機感から引き出されるのは,「だから自給率の向上をしなければダメなんだ」となっているのです。全ての規制も補助金もインフラ整備もそのためにあるのだと。
更に,外国の学者がCO2の削減のために唱えたフードマイレージ論や,水資源の乏しい国の水の有効利用を解析したバーチャル・ウォーター論を曲解して食料輸入罪悪論にまで仕立て上げて,それもこれも自給率が低いためと誘導している。
 TPP32年前大平総理が言い出したことであること,日本は世界最高の食料輸入国ではないこと,世界の水不足も農地不足もないこと,農家数の統計が全く意味のない内容であること。
更に,宮崎の口蹄疫問題の収束報告書は「宮崎県の対応が遅かった」となっているが,事実は農水省の怠慢と家畜伝世予防法の不備にあったこと,フランスは農業大国だと言われていたが国際統計ができて以来常に日本が上位にいたこと等が,文書と数値で示され論証されています。
オランダ農業の実情にも驚きです。国土は九州程度,輸出高は米国についで世界第2位790億ドルで日本の30倍,農家数はたった77千戸,農家一人当り外貨取得額14600ドルでダントツ世界一,研究が発達し化学工業から出るCO2をパイプラインで農業ハウスに引いている,
ただの批判書でないことは最期の項目で判ります。「どうすれば日本の農業はもっと強くなれるか」として,具体的な提言がなされています。
ーー 
 私はこの本の全てが真実で妥当な分析と提言であるか判定できる情報と知識を持ち得ません。尊敬する先輩から痛烈な批判も受けています。
ただ思うことは,現代世界における統制経済の破綻の事実,国際分業と自由貿易によって受けている日本の経済的恩恵を前提に考え,農業先進国の実情を知れば,大筋において間違っていないと感じることです。
地方を語る時農地のことを抜きにして語れません。農地と山林しかないからです。地方のこと農業のことをお考えの方にお薦めします。ご批判を頂ければありがたいです。

ーーーーーあとがき
今年も冬支度の季節となりました。先週から朝10℃を切るようになりました。真っ先に必要になるのが蘭の収容です。毎年悩みます。お金をかけずにどうやって春まで保持するかです。
10月はニンニクとタマネギ苗を植える月です。今年は自分で苗を作りました。
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田舎暮らし動画: 
http://jp.youtube.com/user/takasukey
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下記は昨秋ヒットした動画です

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