2013年3月24日日曜日

蓼科だより・284号〜田舎暮らし情報

★ーーーーーーーーーーーーーーーー2013年3月23日(土)★
★テーマ:苗代づくり,残っている人に幸せを,素人の経済学
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  16日から始めた苗代づくりがまだ完成しません。実際にやってみると,なかなか机上で設計したような訳にはいきません。
 ビニールハウスをかける面積は7.5坪になりますが,水を溜めて苗代になる部分はたったの4坪しかない小さなものですが,土づくり,水の温め装置,漏水防止等,一通りの作業が必要です。
 現場は建設業で使った資材置場の跡なので,掘ってみたら砕石とコンクリートばかりで,田としては使いものにならず,畑の土を2トンダンプで3台ばかり搬入しました。

 畑の土だから良いだろうと思ったのですが,やはり粘土質が強くて,耕運機で何度かき回しても細かくなりませんでした。最終的には,水を入れてから耕運機かバックホーの足で掻き回そうと考えています。
 水を温めなければなりません。水温は,今日も5℃でしたが10℃以上にはしたいので,500L入る平型鉄製タンクを3つ連結して,そこで温まった水を苗代に入れる仕掛けをつくりました。うまいぐあいにそのタンクがあったので助かりました。
 水漏れ防止は再生樹脂製の畦波板を使いますが,皆悩まされているコーナーの作り方では,良い方法を見つけました。ハンドガスバーナーであぶると直角に曲げることができました。

 何れの作業も,叔父から借りたミニバックホーが大活躍です。何でも持っていて何でも直してしまう叔父なので本当に助かっています。
 近くにあるホームセンター・コメリへ行くと,こまごまとした部品や材料が何でも手に入るので,これまた大助かりです。本当にありがたいことです。

 一連の作業が完了したらYoutubeにアップロード致します。

ーーーーー「残っている人に幸せを!」という地域づくり

 今日は,長野市のトイーゴで,長野県定期借地借家権推進機構が主催した「地域の活力を生み出すまちづくり」セミナーに参加しました。NPO法人信州まちづくり研究会の理事でもある親友が活躍していますので協力しています。

 帝京大学経済学部地域経済学科の溝尾良隆教授が,交通公社や立教大学観光学部長時代の研究や実地指導体験に基づいて”まちづくり”について話されました。
 もう10年以上も前のことですが,溝尾教授には,視察研究旅行でアメリカやヨーロッパへ連れていってもらい,観光とリゾートについて様々な勉強をさせてもらいました。

 溝尾教授の話しの中で印象深かったのは,オーストリアでのお話。現地で農業後継者について尋ねると,「まず,自分の家族に当る。ダメだったら親戚や友人に当る。それでもダメだったら役場に行き探してもらう。そうすれば大抵見つかる」とのこと。
 な~るほど,と思ったのは,「農地を捨てて出て行けば,その農地と家は没収され希望者に売却される」,そして,「残っている人に幸せを!」というのが地域のコンセプトだと。すばらしい!日本とは逆ですね!これは真似るべきだと思いました。

 もうお一人は,内閣府大臣官房審議官(経済社会システム,PFI担当)渋谷和久さん。「PFI/PPPの活用で地域をもっと元気に」というテーマで,法律づくりの最先端にいる方だけあって,過去の経過を示しながら現在の取組みと今後の展望について判りやすく話して下さいました。

 PFIとPPPというのは,いずれも民間の資金と活力を採りいれた官民連携の地域開発手法で,国がこの手法の推進に注力していることがよく判りました。
 PFIはサッチャー首相が始めたと言われていますが,サッチャー首相は日本に来て日本道路公団を研究して,「これはすばらしい」として取り上げ,英国でPFIとして始めたのだそうです。

 既にたくさんの事例があるそうですが,東京国際空港国際線ターミナルや衆議院新議員会館などもPFIだそうです。しかし,全体とすれば,この制度を活用しているのはまだ全自治体の10%ほどだそうです。
 
 初めて知ったのは,「コンセッション」という仕組みで,公共施設の運営権だけをPFI事業者に売る方法だそうです。港湾や空港に始まり,自治体の持つあらゆる公共施設がその対象になるようです。私はふと,地元立科町が経営しているスキー場のことを考えました。経費が減り,サービスが向上するのではないかと!

 質問させてもらいました。
 「観光地や商店街で,放置され見るも無惨な施設や家がたくさんあり,残って頑張っている人達が困っています。地域振興を考える時,街並の美化は最低限の条件です。
 しかし立科町では,町長から『個人資産なので,本人が始末してくれる以外には方法はない』という回答しかなく途方にくれています。このような場合,放置された建物と土地は没収し,適切な処置をとれるように法整備をするべきではないでしょうか?」
 
 渋谷審議官から,「全く同感です。実は私もそのように考え法案を作りました。しかし,法制局で『個人の財産権を侵害してでも公共の福祉を実現するための優先順位からすると,街並景観は100位近くと低いのでこの法案は対象にならない』として却下されてしまいました」との回答でした。

 地域振興が課題だ,問題だとこれだけ叫ばれている時に,街並景観整備の順位が低く,法整備ができない。裏返せば「必要ない」ともとれる価値観はおかしくないでしょうか。
 一緒に行った鹿教湯温泉の友人も「国の考えがこれじゃどうしょうもないよ」とぼやいていました。

ーーーーー素人の経済学!

 今週はじめ,テレビのクイズ番組で「東京都の物価高は世界第3位」というのをやっていました。私は日本のデフレ問題で常々疑問に思っていたことがあり,この話しを聞いてやっぱりそうだ,と思いデータを探してみました。

 かつてバブルの崩壊で日本の土地価格が暴落した時に,「世界標準に近づいているだけ」と言ってた学者・評論家がいましたが,国立国会図書館「リサーチ・ナビ」に掲載されている日本不動産鑑定協会による下記データを見ると,その通りになっています。
 11ページにある図3「東京を基準とした主な都市の戸建住宅地の価格の推移(購買力平価による)」を見ると2000年から2009年までロンドンが最高で,日本は二位です。
 平成2年にバブルが崩壊して以来下がり続けた結果が世界第二位。この現実はどう解釈したら良いのでしょうか。下がってもまだ高いのです。これを崩壊とか暴落と言えるのでしょうか。

「世界地価等調査結果」
http://www.fudousan-kanteishi.or.jp/japanese/material_j/pdf/tikatyousa_h21.pdf

 同じことを物価デフレで考えました。デフレなのではなく,世界標準に近づいているだけなのではないでしょうか。デフレではなく,日本の高価格システムの変革現象と見るべきではないのでしょうか。

 Wikipediaによると,日本のデフレは1995年頃から18年続いているそうです。しかしです。18年間デフレが続いた結果が,「東京都の物価高は世界第3位」なのです。下記URLをご覧下さい。データが事実を物語っています。
 ただこのデータは80円/ドルの頃ですから,現在100円/ドルだと仮定すると,海外の価格を0.8で割り戻す必要があります。尚,購買力平価を使ってないようなので,疑問が残ります。それを考えたにしても日本の物価が世界より安いとは思えません。

各国の物価水準(日本の物価との比較)
http://www.jcif.or.jp/docs/prices/08010002012004.pdf

 結果が,世界標準と同じか,まだ高いという現象がデフレなんでしょうか。
 私は何だか判らなくなりました。どなたか優しく教えて頂けないでしょうか。

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「田舎暮らしコミュニティ」のすすめ!
http://shinshumachidukuri.blogspot.com/2011/10/blog-post_9187.html

農楽のすすめ!
http://tateshinadayori2.blogspot.jp/2011/08/blog-post_26.html

”田舎暮らし”動画がYoutubeに300本以上
http://jp.youtube.com/user/takasukey

「街並づくり」の理念にご興味のある方は
http://www.youtube.com/watch?v=nn5OVYAwJnQ

メルマガ「蓼科便り」のアーカイブス
http://tateshinadayori2.blogspot.com/
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