2017年8月26日土曜日

蓼科だより・511号~田舎暮らし情報

★ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー2017年8月6日(日)★
★テーマ:キリギリス、トマト、えんでこ祭り、「東信自給圏を考える会」、
  長野県畜産試験場、食の問題へのコメント、奇跡の食育物語、働き方改革、
  日本で進む国際的引きこもり化、
★蓼科便りは,重農主義を尊重し、地域自給圏構築をめざします!
★発行:田舎暮らし世話人・安江高亮(090-3148-0217)
★後援:NPO法人信州まちづくり研究会
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 昨日ですが、天気が良いのにキリギリスの鳴き声が少ないなと思い、昨年の「蓼科だ
より」を読んでみると、ちょうど今頃、「キリギリス、コオロギ、アブラゼミ、ミンミ
ンゼミ等の鳴き声で騒然として煩いほどです」と書いてありました。

 やはりな、と思いました。サイレントと言ったら、言い過ぎかもしれませんが、サイ
レント・サマーという言葉が頭を過ぎりました。ミツバチを見なくなったことは以前に
も書いていますが、虫たちが間違いなく減っています。

 昨夜のキリギリスも、とぎれとぎれに「ぎ〜〜チョン」が聞こえているだけで寂しい
ものです。今までこんなことはありませんでした。私にはこの現象を科学的に論じる知
識はありませんが、私の五感は異常を察知しています。

 テレビでは毎日のように、国内外で起きている異常気象と災害についてリポートして
います。歴史的には太古の昔から異常気象はあったのでしょうが、今の異常はそれとは
異質な人為的なことが原因だと思えてなりません。

 昨年まで、墓にだけは除草剤を使っていましたが、今年からはそれも止めました。草
むしりは面倒ですし、私一人が止めたところでどれほどのことがあるのか、という反論
も湧きますが、止めました。墓掃除は、周りに原野があるので、弟と二人で、昨日半日
かかってしまいましたが、除草剤を使っていた部分の草むしりは約1時間ほどでした。
1時間は余計かかりましたが、気分はスッキリでした。

 桜前線も一週間くらいのズレはあるように、気候変動による遅れもありますから、断
定してはいけないと思いますが、皆さんは如何でしょうか?
ーー
 トマト、キュウリ、ゴーヤ、ナス、ピーマン、中辛ナンバンなどが毎日採れています。
この数日トマトの収穫量が増えています。生食用麗華(レイカ)、桃太郎、料理用イタリア
ントマト・ボンジョールノ、ミニトマト2種です。
 我が家で食べて、近くに住んでる長男家族の分が少し足りない程度ですが、トマトだ
けは足りるようになりました。
ーー
 昨日は、28回目となる立科町の「えんでこ祭り」が行われ、私も地元地区の老人クラ
ブの会長を仰せつかっている関係上接待役を務めました。町長はじめ数十人の町職員の
段取り・進行で進められますが、盛り上がりにかけます。

 理由をあげつらっても仕方ありません。地方衰退の波がじわじわと浸透して来ている
というのが偽らざる実感です。神輿の担ぎ手が減っています。若者の向都離村と高齢化
が目に見える原因ですが、本当の理由は、なぜ若者の向都離村が続くのか、にあります。

 「若者の向都離村」という言葉は、「スマート・テロワール・農村消滅論からの大転
換」の著者松尾さんが「少子高齢化」に対抗して提言した言葉ですが、理に叶っていま
す。向都離村と少子高齢化を比べれば、向都離村が原因であることが明白だからです。

 統計をみれば明らかになります。農村の出生率は2を超え、大都市圏は1を切るから
です。女性が都会に行くと子供を産まなくなるのです。つまり、農村を活性化し、若者
の向都離村を止めれば良いというのです。その方策として、自給圏構想(スマート・テ
ロワール)が提言されています。

 この便り509号でご紹介しましたが、世界でグローバリゼーションからローカリゼー
ションへの大きな転換が始まっていると主張する学者・ジャーナリスが増えています。

ーーー再掲:「東信自給圏を考える会」in 丸子

 自給圏は、農家と農業の問題ではありません。食産業と地方経済の問題だと考えるべ
きと思います。農業を市場やJAに出して終わりと考えてはいけない。食産業の一部分と
考えれば農業が違う形で見えてくると思います。地域の食産業として捉えれば、当然、
循環と連携が前提となってきます。

 食産業と地域経済の問題と考えれば、これに関係ない人などいる筈がありません。
食産業の中で農業生産部分は約20%ほどです。残りは加工、流通、サービスであり、
これらを動かしているのは農家以外の市民です。
 一番重要なのは買って食べる消費者であり、一番お金を使っている女性の皆さんです。

 下記の要領で開催致しますので、他人事にせずにお出かけください。

・日時   8月8日(火) PM7:00~9:00
・場所   丸子文化会館 セレスホール 中会議室 0268ー42ー0001
      上田市上丸子1488番地 
案内図  グーグルマップで、「上田市上丸子1488番地」で検索

ーーー松尾さんと「長野県畜産試験場」訪問

 4日のことでした。長野県の「食の地消地産アドバイザー」である松尾さんの随行員
として、私とNPOの齋藤理事長2人が、塩尻市IC近くにある長野県畜産試験場を訪問し
ました。松尾さんの計らいで勉強させていただいたのです。

 508号には、小諸市にある長野県野菜花き試験場佐久支場において、畑作物と加工業
者及び販売業者との連携実証実験について見学会が行われたと書きましたが、畜産試験
場では畜産、特に豚の飼育と豚肉加工業者及び販売業者との連携実証試験が進行してい
ます。

 現在2年目を経過中で、今冬からこの実証のための豚の飼育が始まり、来春には加工
できるようになるそうです。松尾さんは、耕畜連携の最終目標からバックキャスティン
グで計画されたマイルストーン(中間目標)の確認に来られたのでした。

 山形大学の実証実験から1年遅れでスタートした長野県農政部の農工・耕畜連携実証
実験ですが、話を聞いていると、大学と農政部との情報交換と連携がうまく行ってるよ
うです。この実証試験は非常に大きな意味を持っていると思います。

 恐らく、農工・耕畜連携を前提とした畑作の輪作実験は日本初ではないでしょうか。
日本の農業にとって革命的な実験になると思います。県民として、阿部知事と農政部の
決断に大きな敬意と感謝を申し上げます。長野県が農業の先進地として脚光を浴びる日
がくると思います。

 畜産試験場のご紹介をします。もちろん、私も齋藤さんもこの施設を見るのは初めて
でした。無責任な感想を一口で言えば、素敵な試験場でした。
 八ヶ岳中信高原国定公園高ボッチを背にして南東向きのゆるやかな斜面に、牛、豚、
鶏の様々な用途の畜舎が区画分けされて並び、周辺には飼料用作物が栽培されていまし
た。

 地図から見た私の見当ですが、面積は16ヘクタールほど、ゴルフ場にしたら3ホール
分ほどでしょう。畜舎も堆肥舎も綺麗に清掃されていて、飼料用作物の成育も良いよう
に見えました。家畜の疫病対策でしょう、出入り車両や人の消毒による衛生管理も行わ
れていました。車が所定の場所を通過すると自動的に噴霧消毒されます。

 松尾さんは、民間畜肉加工業者との連携の重要性と、世界一の豚肉加工品=ハム、
ソーセージ、ベーコンを作るんだ、と強調されていました。来春には加工に回せるとの
ことでした。

 贔屓目でしょうか、職員の方々が積極的に取り組んでいるように感じられました。こ
の取り組みが良い結果を出すことを願いながら見学させて頂きました。

ーーー食の問題について神奈川県N様からコメント
<「食の問題」全く同感です。私の女房も多少アレルギーがあり、食の問題は、自分た
ちのこととして考えてきました。
現在、野菜は山形の全国有機農法連絡会(代表米山正)から、柑橘類は愛媛の無茶々園
から購入しております。米山さんの農場には、毎年伺っております。

また、その他の食品も生活クラブから、添加物のない、生産者のハッキリした安心安全
なものを購入するようにしてます。

ところで、「食の安全」と同じように、私たちは「電磁波の影響」を憂慮してます。新
築した際、オール電化にしたため女房が電磁波アレルギーにやられ、ガスに引き直しま
した。
そのため、テレビ、パソコンの利用も最小限に止め、スマホは使わず、携帯もPHSです。
ここ十年来、子供を中心としたいわゆる「キレる」といった現象は、電磁波が大きく関
係していると考えいるからです。

ーーー「子どもたちを救った奇跡の食育物語」 

 大塚貢先生のすばらしいYouTube動画を見つけました。長いですが、是非ご覧ください。
食が全てを解決するといったらオーバーだと思いますが、物作りをする時に当然素材が問題に
なりますが、考えてみれば、食は人間の素材ですよね。食べたものでしか体はできないからで
す。

 この当たり前のことが判れば、全てを解決すると言っても良いような気がします。

「子どもたちを救った奇跡の食育物語」 『給食で死ぬ
!!』 大塚貢先生https://www.youtube.com/watch?v=_wGRrL_dFh4
ーーー
「働き方改革」について
 JMM
メルマガの『冷泉彰彦のプリンストン通信』より引用します。筆者は、アメリカ
の大学で教員・作家等の活動を続けている冷泉さんのメルマガです。外から日本を見る
と良く判るようです。私の好みの論説です。
 私は日本の悪口を聞いて喜んでいる訳ではありません。自給圏構想を勉強したおかげ
で日本の農業の実態を知ることができました。驚くことばかりでした。もっと驚いたの
は農協の職員も地元役場農政課長も私と同じだったことです。

 ということは、私を平均値と考えれば、日本人の大部分が日本の実態を知らないこと
になります。これでは、正しい世論の形成も、まっとうな政治家を選ぶこともできませ
ん。いつまで経っても文明国になることができず、福澤諭吉に笑われてしまいます。

 下段に関係のURLを添付します。

<・・・日本の一人あたりGDPは低迷しています。では、引退した高齢者が増えたか
ら「一人あたり」が下がったのかというと、そうではなくて、「現役の勤労者一人あた
り」で計算しても数字は悪いのです。

ここで最新の数字を確認しておきましょう。IMFによる2016年の「一人あたり
GDP」の数字では、日本は38917ドルで22位。ところが、こちらは世銀のデ
ータになりますが、「勤労者一人あたりのGDP」になると、日本は72618ドル
で37位まで下がります。これはEUの平均値(82028ドル)より悪く、シンガ
ポール(141226)の約半分という水準です。この「勤労者一人あたりGDP」
の7万ドルという水準ですが、ギリシャ(72584ドル)や韓国(70011ドル)
がほぼ同等となっています。

これだけでもショッキングですが、仮に「労働時間の一時間あたり」という統計が可
能となったとすれば、時間内プラス時間外の労働時間に、有給消化率やバカンスを加
味していくのであれば、恐らく日本の場合はもっと順位が下るでしょうし、数字とし
ては完全に途上国の水準になってしまうと思います。

つまり、日本の「働き方」というのは完全に破綻レベルであり、国家は破綻していな
くても、個々の職場における生産性というのは失敗レベルにあるわけです。このこと
は「働き方改革」を考える上の大前提ではないかと思います。ということは、まず3つ
の点に留意する必要があります。・・・>
(私)3つの点というのは、1労働生産性、2は働いても稼げない仕組みの改革、3
は仕事の進め方・成果の出し方の改革、だと指摘しています。上記の続きで、この3
つの問題を具体的に細かく指摘しています。ご興味のある方は下記URLからお申し込
みください。この論説は非常に具体的に解析されており、すばらしいと思います。

ーーー日本で進む国際的引きこもり化、

 DIAMOND online
から。この種の論評が増えています。本当なんでしょう。

<・・目先の得や損ではなく、将来のビッグサクセスへの投資として、「体験」は必要
なものだと筆者は考えている。日本人が今後もこのまま「内向き」ならば、やがて「国
際的引きこもり」になってしまうかもしれないと、筆者は少し不安に感じている。>

日本で進む国際的引きこもり化、http://diamond.jp/articles/-/137184?utm_source=daily&utm_medium=email&utm_campaign=doleditor
(私)日本人がどんどん小さくなって行く気がします。安全安心ファーストと価値観の
モノカルチャー化の結果ではないでしょうか。公務員が就職の第一人気であることもつ
ながっていますね。寂しい話です。

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