2017年8月26日土曜日

蓼科だより・512号~田舎暮らし情報

★ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー2017年8月13日(日)★
★テーマ:子供達の帰省、「地域食料自給圏実証実験」リポート、教えられたこと、
     働き方改革でなく働かせ方改革、日韓併合の影と光、
★蓼科便りは,重農主義を尊重し、地域自給圏構築をめざします!
★発行:田舎暮らし世話人・安江高亮(090-3148-0217)
★後援:NPO法人信州まちづくり研究会
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 昨夜遅く、名古屋で暮らしている次男夫婦と孫二人が帰省しました。ノンストップで
3時間で着いたと。サッカーをやっている中2の男子がひょろっと背が伸びて、私を完
全に抜き父親と並びました。171センチ。妹の小5の方はあどけなさが抜けていました。
1年に3回の帰省ですが、変化がよく判って、孫の成長を確認するには良いタイミング
のようです。

 明日は長男一家も加わって賑やかなお盆が始まります。長男が仏壇に馬を模ったキュ
ウリと牛を模ったナスを使ったこのあたり伝統の飾り付けをします。先祖が馬と牛に乗
って帰ってくるのです。午後から二人の嫁が天ぷらを山ほど揚げます。信州のお盆の風
物詩です。二人の嫁をうまく仕切っている妻の手腕はなかなかのものだと感心していま
す。

 キュウリとゴーヤとトマトが良く採れています。嬉しいことに昨年植え替えたミョウ
ガが数日前から採れ始めました。7年ほど前、私がお借りした畑のブッシュを取り払っ
たら、出てきたのです。強いものです。10年以上も藪の下で寝ていたのです。元のタネ
が良かったのだと思います。他所のものには負けない良い茗荷が採れます。

ーーーリポート:「地域食料自給圏構築」の実証実験事業

 7月14日には小諸市にある長野県野菜花き試験場佐久支場において、畑作物と加工業
者及び販売業者との連携実証実験について見学会が行われ、8月4日には塩尻市IC近くに
ある長野県畜産試験場を訪問し見学させていただいたことを書きましたが、そのリポー
トをNPOのブログに掲載しました。ご覧ください。

 お読みいただくと、まだ部分的ではありますが、自給圏構想(スマート・テロワール)
の具体的な姿がイメージできます。

長野県の自給圏構築への挑戦

長野県畜産試験場では耕畜連携実証試験

ーーー自給圏について大事なことを教えられました
 
 なぜ、「東信自給圏を考える会」への参加者が少ないか。その理由が2つありました。

1「自給」という言葉が、これは農業と農家の問題だと思わせてしまうこと。
2「自給圏」という言葉が、全ての食料を100%自給することと思わせてしまうこと。

 1の指摘は、「東信自給圏を考える会」への出席依頼をした際に、「私は農業をやっ
てないから関係ない」とお断りを受けることに現れています。焼肉レストランを経営し
ているオーナーでさえ、食べ物で稼いでいるのに「わたしには関係ない」と答えるので
す。

 2の指摘は、「全てを自給するなんてできる訳ないだろう、非現実的な話だ」と思わ
れてしまうようです。

 1も2も的外れですが、もちろん、そう思わせてしまうこちらの説明が悪いのからで
す。そこで、根本的にチラシを作り直すことにしました。見直しのポイントを書いてみ
ますので、何かお気付きの方はご意見を頂ければありがたいです。

 「東信自給圏」という言葉が、これは農業と農家の問題だと思われてしまうのは自然
の流れです。今までの農村経済の仕組みの下では、市場で農業・農家と食産業が分断さ
れていて、農業・農家が食産業とつながっていなかったからです。出荷して終わりでし
た。

 ですが、農業・農家が加工業者と契約で連携できれば分断しません。同じように、加
工業者と学校、福祉施設、レストランやスーパーが連携し、更に消費者が地元産業を大
切にする気持ちを持てば、食産業の循環が完結します。農業・農家を食産業の一部とし
て位置づけることができます。

 もう一つの循環は、作物の規格外品と加工残渣は畜産の飼料として畜産農家に無償で
提供されます。その見返りは、畜産農家から良質な堆肥が耕種農家に無償で提供されま
す。

 全てがギブアンドテイクの関係であり、ウィンウィンの関係になります。農地が有効
活用されることにより、美しい景観ができあがります。これを総称して「互酬の経済」
と言います。

 この循環をつくることによって、現在20%ほどしかないと思われる地域内の食料循環
を50%にあげることを目標にします。地域外から20%、これを移入といいます。海外か
ら30%、これが輸入です。全部で100%になります。

 現在20%しか循環していない地域食品の流通量を50%にあげることができれば、当然、
雇用が増え経済は活性化します。ジェイン・ジェイコブズがいう「置換」(他所から買
っていた物を自分たちで作れば地域は発展するという理論)が起こるからです。これが
自給圏が求める姿です。

 そして、私たち農村の住民4300万人は、大都市圏に住む4200万人と、地方中核都市に
住む4200万人の食料・食品を生産しなければなりません。私たち3分の1が、他の3分の2
の食料・食品を生産しなければなりません。

 現在国の自給率は39%ですから、食料の61%は輸入に頼っています。これを置換によ
って30%下げます。輸入量が減った分だけ国内経済が活性化することになります。

 これが自給圏構想(スマート・テロワール)が提案している仮説の基本構想です。

 このように考えていけば、自給圏が農業・農家の問題ではないことが見えてきません
か?キャッチコピーは次のように考えます。

『自給圏は農業・農家の問題ではありません。食産業と地域経済の問題であり、全市民
の問題です!』

 忌憚のないご意見をお聞かせください。

ーーー
「働き方改革」ではダメで、「働かせ方改革」に取り組むべき
 前号で冷泉さんの見方を掲載しましたが、それについて松尾さんからコメントを頂きました。これもグローバリズムからローカリズムへの流れでしょうか。
<冷泉さんの見方は、日本の多くの識者や官僚、政治家の認識とほぼ同じです。
生産性が低い事情をつくっている最も大きな要因の一つは労働組合の構造が企業内組合
であることです。
欧米では産業別組合ですから、産業内のリーダー企業についていけない労働条件は存在
しません。日本は企業内組合ということは労組の委員長は社長代理でもあることです。
要因の第2は、2重構造です。大企業には下請け会社があり、親会社の製品をつくってい
ながら人件費は企業規模が関係して1/2以下のところが多くあります。同一労働同一賃
金は当然ですが、日本では「掛け声」です。

これら2つの基本条件の中で、1970年代に供給過剰社会に突入しました。過当競争は深
刻になり、勝つまでは眠りません、というようなことが普通になりました。
更に1985年に「ロンヤス」関係のはずの米国から「プラザ合意」を押し付けられて、日
本経済の息の根が止められました。日本はその後「バブル経済」を経験したので自分が
悪いと思っています。
その後日本の賃金はほぼ1/2になったのではないでしょうか?(非正規労働比率は85
16%➡2015年40%)このような社会構造は、自民党・官僚を与党化し野党は異
端者として政治の停滞にもつながっています。大企業や使用者の側は自由に競争できる
構造になり、社会正義は薄くなっているのです。 
先月異業種交流会でスピーカーの報告で悲しい現実が報告されました。日本と米国の起
業者の動機について日本は「利益を得るため」が最も多いのですが、米国では「社会へ
の使命感」が第一だそうです。
欧米に行かれるとわかりますが、使用者側、体制側に自由は相当に制限されています。
貸し切りバスでのハンドル時間は制限を1分たりとも超過はできません。軽井沢の事故
と比較してください。店舗の営業時間も厳しいようです。日本は24時間営業が当たり前
ですね。
結論として「働き方改革」ではダメで、「働かせ方改革」に取り組むべきです。冷泉さ
んのように生産性比較にすると、働く人が悪い、働き方が悪いということになってき
ます。実は「働かせ方」が悪いのです。市場経済を追っているので「過当競争に歯止め
がかかりません。
スマートテロワール的に言えば、飛び切りおいしいハムソーセージが格安の価格で手に
入る社会構造は、農家もハムソー工場のも生産性の問題ではなく社会システムを変える
ことで「手作り製品」を安価で楽しめるのです。>


(私)それにしても自由競争の権化の国の起業動機が「社会への使命感」なのには考え
させられます。何がどうなっているのでしょう。日本人が彼らより劣っているとは思え
ないのですが、さりとて、同等以上という自信もありません。改造で去りましたが、
山本前農水大臣の言った「日本というシステムが間違っている」という言葉がとても
気になります。

ーーー韓国併合の影と光
 国際派日本人養成講座メルマガから。こんなことを考えたことがありませんでした。
恥ずかしくなります。以前に「日本の教育から近現代史が落ちている」という話を聞か
されていましたが、本当ですね。
下段のURLから全文をどうぞ。
<2.連合国家か植民地か・・・>

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